Sunday, July 19, 2009
草刈民代さん
昨晩、NHK総合のドキュメンタリー番組「WxW」(“ワンダーワンダー”と読むらしい)が草刈民代さんを採り上げていたので、思わず見入ってしまった。(予告編の映像はココで。)
私は、草刈さんが最も活躍していた時期、既に日本には居なかったので、彼女についてはアメリカで観た「Shall We ダンス?」で知ったに過ぎないのだが、今年の4月に44歳の誕生日を目前にして引退した彼女の最近の心境を映したこの番組は非常に興味深く観た。
特に面白いと思ったのは、「瀕死の白鳥」を踊る彼女が、以前は死にゆく白鳥の悲哀だとか苦痛だとかを精一杯表現しようとしていたのに、パリに行って稽古をつけられた際に、パリ、オペラ座のフランス人のバレエ教師から、「瀕死の白鳥」は、動物である白鳥が力尽きて死んでいく様子を踊るバレエだから、人間的な視点からの感情表現は要らない、と言われて、目からウロコが落ちたように思ったというくだりだった。
これは、以前の彼女の解釈が間違っていた、フランス人バレエ教師の解釈が正しい、ということではなく、バレエはいかような解釈でも踊れるもの、逆に言うと、踊り手の視点・解釈を表現しなければいけないものなのであるということだと思う。
だからこそ、バレエは芸術であり、器械体操は決して芸術になり得ないのだ。
それにしても、身体を芸術の媒体にするバレリーナの肉体のなんと美しいことよ!
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