Friday, December 19, 2008

「くるみ割人形」漬けの12月

      《キーロフ版「くるみ割人形」のクララ》

子供のバレエ団の「くるみ割人形」は、先週末に2回目の公演が終わったけれど、昨日は子供の学校の見学として、ダウンタウンのミュージック・センターでロシアのキーロフ・バレエの「くるみ割人形」鑑賞に出かけた。
この見学、もちろん子供たちだけのものなのだけれど、chaperoneという子供のお守り役で何人か親が付き添うことになっていて、私はチャッカリ立候補して同行した次第。(ラッキー♪)

キーロフ・バレエは、山岸涼子の漫画「アラベスク」にも登場する、ロシアではボリショイと並ぶ名門バレエ団。その「くるみ割人形」ということで期待は最大級…だったんだけれど、意外にも観てきた感想は…「ウチの子供たちのバレエ団バージョンで充分でしょう」でした。その理由としては…

1.ACTが3つに分かれている
私が過去に観た「くるみ割人形」は、全て2幕構成だった。すなわち、冒頭のパーティ・シーン→くるみ割人形+兵隊チームVSネズミの戦い→雪の精の踊りがACT 1、クララとプリンスが御菓子の国に着いて、各国の踊りを観るのがACT 2というように。ところがキーロフ版は、パーティ・シーンと、それ以降の戦いのシーン+雪の踊りのシーンが分かれて、全体が3部構成になっていた。これだと、パーティ・シーンとネズミとの戦いのシーンが完璧に分かれて話の流れが途切れてしまって良くなかった。休憩だって2度も必要無いし。

2.振り付けがちょっと…
名門キーロフとなれば、アメリカのバレエ団の共通する悩みである男性舞踊手不足も無いということなのか、男性ダンサーがふんだんに出てきた。それはそれで素晴らしい。特に、ネズミの役なんかは、男性舞踊手でなければ実現しないダイナミックな動きが出されていて良かった。ただし、最後の方のグラン・パドドゥで、シュガープラム・フェアリーをサポートするのが、彼女の相手役だけじゃなくて、花のワルツの男性ダンサーまで動員しての振り付けはやり過ぎに思えた。何でも出せば良いというものじゃないでしょう。
あと、パーティのシーンの人形の踊りの振り付けが意外なぐらい凡庸だった。道化人形、女の子の人形、黒人人形なんて3人も登場させるから、1人1人の踊りも短くなって見せ場が作りにくかったし。(しかも、そのうちの道化人形がACT 2の戦いのシーンに登場するのは不可解)

3.セクシーじゃないアラビアの踊りなんて…
これまで私が観てきたアラビアの踊りは、アラビアン・ナイトちっくな(つまりオヘソが見えた)衣装を着た男性と女性のデュオのアクロバティックでセクシーな踊りだった。それが、チャイコフスキーなりの異国情緒を出したミステリアスなメロディに合っていた。ところが、キーロフ・バージョンは、中近東系の人たちがたくさん住んでいるウエストウッドあたりを歩いていそうなイスラム女性が着るような全身を包んだバギーな衣装を着た、つまり中東のオバちゃんみたいな女性が5人出てきて、ベリーダンスのバリエーションみたいな踊りを踊るだけ。女性の私が観てもつまらなかったよ。(ちなみに、キーロフのプログラムによると、この踊りは「アラビアの踊り」ではなくて「Eastern Dance(東洋の踊り)」になっている。)

4.プロならキチンと並びましょう
この見学は、3年生の親の1人が積極的に芸術教育等に対する補助金を獲得してくれて実現したものゆえ、私たちの席は最上階のバルコニー。だからダンサーたちのサイズはかなり小さかったので、ダンサーの表情とかはあまりよく見えなかったのだけれど、逆に上から観ている分、彼らの並び具合がよくわかった。踊っている際に、列を真っ直ぐさせたり、間隔を均等にとるのは意外に難しい。それは解っているのだが、2人~4人で踊っている時の列の乱れや間隔の不均等、センターのズレなどがかなり気になった。ウチの子供のバレエ団でもそれは同様の問題ではあるのだけれど、世界中をツアーして周るプロのバレエ団キーロフなんだから、もうちょっとビシッと整列して欲しかった。

あと、細かいことを言えば、衣装(前述のアラビアの踊り。あと、ロシアの踊りも衣装がヘビーすぎて体の動きがよく分からなかった。それから、中国の踊りの衣装が黒と白で牛みたいだった。中国だったらやっぱり赤と金とかじゃないと…)、スペイン、アラビア、ロシアの各ダンスで女性舞踊手がトゥシューズを履かずに踊っていた、といった点が不満に思えた。

逆に良かったのは、やはり男性・女性のソロのダンス。技術的にも表現的にも素晴らしい。技術に自信があるから、その余裕が舞台にも出ていて安心して観られる。「雪の精の踊り」、そして「花のワルツ」の2つの群舞も素晴らしかった。1人1人のダンサーのレベルが非常に高いし、キレイに揃っていたし。

もちろん、舞台装置も素晴らしい。なんと言っても、キーロフにはロシア政府の援助もあって、御金はふんだんにかけられるからね。

でも、その御金について言えば、キーロフは、チケット代が$30~$120(+約$8の手数料)という値段。一流どころのバレエ団の公演なんだから、それぐらいの値段は当然かもしれない。ただ、30ドルの最低価格のチケットだと全てバルコニー。舞台全体が、家庭用の大型TVスクリーンぐらいのサイズになって、正直言って臨場感はあまり無い。
それだったら、全席$25のウチの子供のバレエ団の公演の方がずっとオトク感があると思った。

1人1人のダンサーのレベルは、当然ながらキーロフにはかないっこない。舞台装置だってシンプルだ。しかし、バレエのテクニックに精通していない子供たち、「くるみ割人形」の御話を子供にバレエで観させてやりたいと思う親たちといった観客には、充分、楽しんでもらえるだけのクオリティは保証できる。

でも、今回の鑑賞は、親の私にとって非常に良い勉強になった。来年以降も、もし予算が許せば、自分たちのバレエ団以外の「くるみ割人形」も鑑賞してみたいと思う。



                  《こちらは我が子供のバレエ団。Best buyです》

追記:ところで、先週末のロサンゼルス・タイムズ紙に、各バレエ団の「くるみ割人形」の比較記事が出ていた。ウチの子供のバレエ団も言及されていて、ちょっと嬉しかった♪

Monday, December 15, 2008

YES MAN


今夕、試写で ジム・キャリーの新作「Yes Man」を観た。

「Yes Man」は、キャリー演じる自己中心的で自分の殻に閉じこもりがちな主人公が、自己啓発セミナーに行って、ほとんど教祖みたいな主宰者(テレンス・スタンプ)に半ば強制的に「Yes」としか言わないと約束させられ、何を聞かれても「Yes」としか言わないことにした途端、何も起きない平凡で退屈な彼の人生に次々と変化が訪れる、という話。

この映画の粗筋を最初に読んだ時、「ライアーライアー」みたいな作品なのかと思っていた。でも、観てみたら、確かにジム・キャリーらしいコメディではあるけれど、そこに「エターナル・サンシャイン」(個人的にキャリーのベスト&恋愛映画のベスト5に入る作品だと思っている)に通じるような切ない恋心なんかも織り交ぜられていて、意外に良かった。
これはキャリーの演技に負うところが大きいように思う。昔は、「マスク」や「エース・ベンチュラ」のようなとにかくハチャメチャなコメディを演じているだけの人だった(まあ、それはそれで面白かったけど)のが、「マン・オン・ザ・ムーン」や前述の「エターナル・サンシャイン」といった非コメディに挑戦して、役者としてより細かいニュアンスを出す演技を会得したのかもしれない。
キャリーって、顔の柔軟さを活かしたコメディだけじゃなくて、キチンとしたドラマもこなせる、なかなか良い役者なんだと思う。アカデミーとかも、早くこの人の良さを理解してあげるべきだ。

Tuesday, December 9, 2008

WATCHMEN


昨日は、グラフィック・ノベル「Watchmen」を「300」のザック・スナイダー監督が映画化した同名作品のロングリード・ジャンケット取材に行った。

“ロングリード”というのは、語源はよく分からないのだけれど、映画が完成する前に映像クリップなどを見せてもらってインタビューする“先取り取材”みたいな仕事を指す。なにしろ肝心の映画を観ていないので、質問を考えるのが難しい場合もあったりするが、今回のクリップは結構、見応えがあったので、インタビューする方も、いろいろな質問が出来たと思う。

キャストは、パトリック・ウィルソン、ビリー・クラダップ、ジャッキー・アール・ヘイリー等と、地味めだけれど、スーパーヒーローものは、俳優に個性とかカリスマがあり過ぎると(特に、「Watchmen」みたいにスーパーヒーローが複数出てくる時は)キャラがくど過ぎる印象を与えることもあったりするので(ウィル・スミスの「ハンコック」なんて、ちょっとそう思った)、的確なキャスティングだと思う。

インタビューでは、まだ撮影の余韻が残っているのか、皆、饒舌でジョークやF-wordsなんかも飛ばしまくりで、聞いているだけでも楽しかった。

Wednesday, December 3, 2008

Thanksgiving

例年だとThanksgiving、すなわち感謝祭の4連休は、前日の水曜日にLAから義妹の住むサンフランシスコ郊外のPetalumaに行き、木曜日は感謝祭の午餐、金曜日~日曜日は、義妹一家と過ごすのが習慣になっていたのだが、今年は、感謝祭の週末に、子供がバレエ学校の「くるみ割人形」に初出演するため、LAに留まらねばならなかった。
自分のところでは、感謝祭の午餐に客人を招待する暇も手間も費やせない私たちを救ってくれたのは、友人夫婦。彼女たちの親戚・友人を招いた午餐に招待してくれました。


彼女の家は1ベッドルームの小さなコテージなので、前庭にテントを張り、彼女が生業としているインドの輸入品で埋め尽くされたゴージャスな臨時ダイニングルームを作っての午餐。料理上手な彼女の料理も絶品で、幸せ~~~な気持ちになった夕でした。

翌日は、マリブにあるペッパーダイン大学内の劇場でのリハーサル。先生の指導にも熱が入ります。



その翌日、翌々日の土曜日、日曜日が本番の公演。初出演の我が娘は、ちょろっと出て後ろの方で踊ってすぐ引っ込んでしまう端役中の端役でしたが、プロ&セミプロのダンサーたちに囲まれて踊る経験はすごく楽しかったみたいで、「来年も絶対出る!」と宣言していました。ということは、来年も感謝祭はLAに足止めってことか…ゴメンよ、義妹…


娘は出ていないけど、ACT Iの最初のパーティ・シーンはこんな感じ。(撮影したのはドレス・リハーサル中だけど)この写真では判りづらいけれど、女の子たちの衣装はヴィクトリア時代風ですごく可愛い。

公演は12月の中旬にももう1度、今度はブレントウッドの劇場が会場になります。

Friday, November 21, 2008

BOLT


先週、「BOLT」のジャンケット取材に出かけた。

今回の取材は、製作総指揮のジョン・ラセターの他、監督やプロデューサー、アニメーターをインタビューすると同時に、ディズニーのスタジオ内をいろいろ見せてもらったり、アニメーションの過程のいくつかをデモンストレーションしてもらったりして、とても面白かった。特に、今回は、取材やツアーの前に試写を見せてもらっただけではなく、その後、家族も連れて行ける一般プレス・スクリーニングで今度は3Dで再度、作品を観直すことができたので、さらに興味深い発見ができたと思う。
「BOLT」は、ピクサーのトップであるラセターがディズニー・アニメーションのトップに就任して以来、初めてのCGIアニメーションで、これまでずっとヒット作を出してきたラセターが、近年、不調のディズニー・アニメーションを盛り返せるかどうかが評価される、いわば“勝負作”として注目されてきた。

結論を先に言うと、この作品を観た限り、ラセターは見事にディズニーを再建してくれたと思う。
「BOLT」は、生まれてからずっとTV番組に出演してきて、自分はスーパードッグだと思い込んでいる犬、ボルトが、ひょんなことからセットから出て現実の世界や、自分が本当はフツーの犬だということを発見していく過程を、野良猫ミトンズとハムスターのライノという珍妙な相棒と道連れになるロードムービーとして描く。ストーリー展開も実にスムーズで無駄が無いし、キャラクターの掘り下げ方も大人の鑑賞に堪える深さになっていて、そのあたりにラセターの才覚が見え隠れする。

余談ですが、ボルトは、一応、ホワイト・シェパード犬ということになっていて、ミトンズはいわゆる“タキシード猫”といわれる足先と胸元に白い毛が入っている黒猫で、我が家のペアにちょっと似てます。




普段は御互い敬遠しあっている仲ですが、時々こんな風に、けっこう近距離で仲良く横たわっていたりするのが可笑しい...

Friday, November 14, 2008

Is your cat plotting to kill you?

ミクシィに、「あなたの猫はあなたを殺そうと企んでいるか?」という物騒なサイトの紹介があったので、その「殺そうと企んでいる可能性」とやらをテストしたら、こんな結果に...

Is your cat plotting to kill you?

なんと殺される可能性が8割近くっ!怖っ!

でも、ウチの猫って「あんか」にまでなってくれるスグレ猫なんだけど...



でも、よく見ると目を光らせているし...ぞぞぞ...気をつけようっと...

Thursday, November 6, 2008

大統領選挙

            我が家の前庭にはObamaキャンペーンの立て看板が...


2008年の大統領選は、期待通り、バラック・オバマが勝ってくれました。いや、良かった、良かった。

投票日だった火曜日には、配偶者が地元カルバーシティのオバマ・キャンペーン事務局に1日中つめて、最後の電話呼びかけをボランティアしたりしたこともあって、オバマの勝利が確定した歴史的瞬間はすごく盛り上がって、歴史的なイベントということで、スピーチするオバマが映っているTV画面をバックに記念撮影までしたりして。


上院の議席も民主党が大健闘して、大幅に増やしたし、めでたし、めでたし...と言いたいところなのですが、同性間の結婚を許可したカリフォルニアの最高裁の判定をくつがえすための提議Prop 8が通ってしまったのでした。Prop 8は、「同性どうしの結婚はキリストの教えに背くから」とするキリスト教信者が中心となって作り出した提議で、今回の選挙では大きな注目を集めていました。





ゲイであっても市民として当然の権利である結婚を認めないのは差別だ、とする反対派は、リベラルなカリフォルニア州民だったら、この提議の否決に投票するだろうと考えていたのが、予測に反してProp 8は可決されてしまいました。

この投票結果を大いに不満に思って反対派は、2日後の今日、ロサンゼルスのモルモン教会の前で大々的にデモ。教会の前の幹線道路は封鎖。その影響で付近はどこもかしこも大渋滞。子供のバレエのレッスンでサンタモニカに行っていた私たちはモロにそのとばっちりを受けて、普通だったら、30分で帰れたところを1時間かけて帰って来るハメに。

デモするなら、Prop 8が提議された時点ですれば良かったのに、選挙後に騒いでもなあ...と思う反面、市民にとって当然の権利である結婚を否定するProp 8は、他人の幸福をつぶそうとする、ある意味、“意地悪”な提議であることも確かなので、デモする人たちを責める気にもなれず...
ラジオのインタビューで、デモしたグループは明日も再び、抗議活動をすると宣言しており、しばらくはその影響が出そう。

Tuesday, November 4, 2008

HAPPY HALLOWEEN

先週の金曜日はハロウィン。

お向かいさんの前庭は、お化け屋敷の入り口みたいになっているし、



学校の先生方はパイレーツになっているし、


日が落ちると共に子供たちがイナゴのごとく来襲し、2.5kgのチョコレート入りの大袋2つをほぼ空にしていくし...


おっと、変な写真が紛れ込んじゃった...(わざとらし~~)

1日中ワサワサして仕事にならない日でした。

Tuesday, October 28, 2008

CSI&LIFE ON MARS


9月から、これまで観てきたお気に入り番組の新シーズンや新番組がどんどん始まっているので、録画のペースに観るのが追いついていけなくて大変。

で、一昨日、やっと「CSI」の新シーズンを観た。
先シーズンの最終回では、「CSI」始まって以来のレギュラーだった或る人物が撃たれるところで終わるクリフハンガー(ハラハラさせながら、「続きはまた来週」となる終わり方)だったので、新シーズンが楽しみでもあり観るのがユーウツでもあり、という初回エピソード。やはり、その人物は殉職という結果になる展開で、その人に対するCSIのスタッフの想いが良く描かれていて、オタッキーな登場人物を中心に舞台であるラスベガスに相応しいドライな持ち味が特徴的な元祖「CSI」には珍しかったけど、ちょっとホロリとさせられた。考えてみれば、私たちファンだって、殉職したキャストとは2001年以来のお付き合いだったわけだから、ちょっと感無量だった。

昨日は、10月の初めに始まったABC局の新番組「Life on Mars」を観る。題名(“火星での生活”?)からすると宇宙を舞台にしたSFみたいだけれど、実際は、現代に生きるNYの刑事が車にはねられたことがきっかけで1973年にタイムトラベルしてしまう設定の御話。タイトルは、その当時にヒットしていたデヴィッド・ボウイの歌から取られているみたい。もしかしたら、1973年は今とは“火星での生活”のように全く異なる世界、というダブルミーニングなのかもしれないけれど。
このドラマ、主人公が35年前にタイムトラベルすることで、調子が狂いまくりになるというのがミソの話で、中でも繰り返し使われるのが携帯をネタにした会話。主人公が、「携帯電話(cell)が...」というたびに周囲は「何を売る(sell)って?」と困惑するばかりというのが可笑しかった。
あと、けっこう衝撃的な映像だったのは、主人公がタイムトラベルした直後に、周りを見回す際、世界貿易センターがそびえたっている映像。ちょっと違うかもしれないけど、「猿の惑星」のラストシーンを思い出してしまった。

ドラマの中に登場する音楽が、タイトルの「Life on Mars」だけじゃなくて、70年代のヒットソングのオンパレードで、Rolling Stonesをはじめ、あの時代の音楽をこよなく愛する配偶者にとっては、最初のエピソードからハマりまくりみたいでした。

Friday, October 24, 2008

I miss you, Boomtown...


この間、我が家のデジタル・レコーダーの録画済み番組をチェックしていたら、ずーっと前に録画してあったドラマ「Boomtown」が消えていることを発見。今年の夏、私たちが不在の間、配偶者が随分、昔の録画番組を消しやがったけど、その犠牲になったようだった。

「Boomtown」は、2002年の9月から始まって、2003年の12月に終わった、つまり1シーズン半しか続かなかった刑事ものドラマ。ロサンゼルスを舞台に、1つの犯罪を、LAPDの刑事たちと、地方検事、新聞のレポーター、女性救急隊員たちのそれぞれ違った視点で捉えるというのが、ミソのドラマだった。キャストは、マーク・ウォルバーグの兄のドニー・ウォルバーグ、「フォレスト・ガンプ」のバッバ役が有名なミケルティ・ウィリアムソン、「マイノリティ・レポート」や「父親たちの星条旗」での演技が印象的だったニール・マクドーなど、それほど有名じゃないけれど手堅い演技をする俳優たちがしっかり固めているのも良かった。

でも、私にとっては、LAの街を舞台にしているという点が大きかった。
このドラマが始まった時、私たちはバークレイに住んでいて、私はLAが無性に懐かしくなっていた時だったから、見慣れたLAの街を観るのもすごく嬉しかった。このドラマが始まって約半年後に、私たちはLAに舞戻って来たわけだけれど、もしかしたら「Boomtown」を観たことでLAの懐かしさが倍増していたということもあったかもしれない。殺人をはじめとした殺伐とした犯罪を描くこのドラマを観て、LAへの里心が募ったというのも、考えてみればかなり変な話だけれど。(やっぱり、私って変な人間??)

その「Boomtown」がLAに戻ってしばらくしてから打ち切りになってしまった。
評判・評価も良かったのに、打ち切りになったのは、やはり視聴率が振るわなかったかららしい。

その「Boomtown」、先日、図書館に行った際にDVDを見つけて思わず借りてしまった。
残念ながら見逃したシーズン2じゃなかったけれど、さっきその1エピソードを観て、やはり巧く出来たドラマだということを痛感。

良質なドラマなのに、視聴率という数字で斬られてしまう現実の厳しさを再認識したのでした。

Wednesday, October 22, 2008

真夜中のスフレ

ここのところ、締め切りが続いて、夜更かししていたのですが、ある晩、無性にスイーツが食べたくなったけど、家には何も買い置きのものが無し。

駄々をこねるつもりで、配偶者に「なんか作って~~~。嗚呼、スフレが食べたいな、スフレ。スフレ作って~~」と勝手に言ってたら気が済んだので、また仕事に戻ったら、配偶者が台所で何かガタガタやっている。
覗きに行ったら、「来るな~!」と追い返されたので、すごすごと再び仕事に戻る。

しばらくして、「おいで~」と御声がかかったので、行ったら...
なんとホントにスフレを作ってくれていた。ちょっと感動...

                   イレーザーヘッドのようですが...

真夜中のスフレ、幸せ...♪な気分でいただきました。さんきゅー、ダーリン...

でも、一番、スフレに夢中だったのはこの方...

                 「アタシのスフレ~~~」。んな抱え込まんでも...

                 スフレの容器に残った食べ残しを食べるZIMA。

Sunday, October 19, 2008

ナァ~イス~

原稿のためのリサーチをしていたら、「HEROES/ヒーローズ」の不死身のチアリーダー、クレアことヘイデンペネッティーアが「ジョン・マケインに投票しましょう!」なるビデオに出演、という記事を見つけて、「環境保護運動に熱心な彼女が??まさか??」と驚いて観てみたら、何のことはない、強烈な皮肉を込めたビデオでした。

Friday, October 17, 2008

Marley and Me


今年の初め、映画ライター仲間の友人が「飛行機の中で読んでたら泣けて困った」という本、「Marley and Me」の邦訳、「マーリー 世界一おバカな犬が教えてくれたこと」を読んでいるのだが、なかなか面白い。
犬を飼っている人、飼ったことのある人じゃないと解らないところも多いけれど、それだけに飼い主経験者は「そうそう!ウチのも同じ~!」と激しく同意する楽しさがいっぱいの本だ。

この「Marley」、例に違わず、ハリウッドで映画化される。主演の夫婦にオーウェン・ウィルソンとジェニファー・アニストン。アニストンの方はイメージにピッタリだったが、ウィルソンはちょっと違う。もうちょっと若ければトム・ハンクスがピッタリなんじゃないかというイメージだった。

予告編はこちらから:

http://vids.eonline.com/services/link/bcpid1396519019/bctid1862052001

Friday, October 10, 2008

限り無くグレイな善悪


「ヒーローズ」のシーズン3を観始めた。

評判がイマイチだったシーズン2に比べると、ストーリーの展開のテンポが良くなっているし、アクションなんかも派手だったりするんだけれど、私が「困ったな...」と思っているのは、シーズン2で新登場したエル、マヤ、ウエスト、モニカといったスーパーたちに加えて、さらに“周辺的な”スーパーたちが新登場して、もう何が何だかわからん状態になりつつあること。まあ、モヒンダー父子の地図には世界中にスーパーが居ることになっているので、しょうがないのかもしれないけど、ストーリーが追う“主要スーパー”はシーズン1ぐらいの人数にしておいてくれた方が、観る方としては展開を追いやすいし、各キャラもしっかり描き込めるのではないかと思う。

それと、シーズン3になって、いきなり主要登場人物の性格付けやら設定が大きく変わってしまったことにも少し戸惑っている。それまでは、清く正しく明るいキャラだった人たちが、シーズン3になって、いきなりダークサイドを見せまくりなのだ。しかも、スーパーたちも、以前は、主要スーパーヒーローたちVSサイラー、それにスーパーたちを作った謎の組織が絡む、という図式だったのが、現在は、誰が誰と結託してどういう思惑なのか、ということがさっぱり解らない。これが、回が進むうち「ああ!そうだったのかっ!」と思えるなら良いけれど、そういう思わせぶりな伏線が活かせなかったら、怒るよ、あたしゃ。


思わせぶりな伏線と言えば、J・J・エイブラムスの新番組「Fringe」は、いきなり頭から思わせぶり。このドラマは、一応、1話完結型で、“今週の超常現象”をヒロインのFBIエージェントが捜査するというパターンになっているのだが、各エピソードを通して、「The Pattern」と呼ばれる組織だかプロジェクトだかの謎に迫るというストーリーラインも並行している。ところが、ヒロインと一緒に捜査に参加するマッド・サイエンティストとその息子、そして彼らの助手は、おそらく「The Pattern」にかんでいないだろうが、その他の人間は、どちらの味方なのか、そして彼らの目的は?というあたりが、全く見えない。まあ、エイブラムスのことだから、その辺りの謎は次第にスッキリと解読させていってくれるのだろうが、観ていると時として、プロットの霧の中に取り残されているような気持ちがすることも確かである。


その点、「Terminator: The Sarah Connor Chronicles」は、善悪が非常にハッキリしている。人間=Good、機械=Baaaaaad、以上、という感じ。でも、それでは面白くないので、人間、つまり善玉の方に、いつ悪い方に寝返ってしまうか全く予測がつかないターミネーターであるキャメロンという爆弾を付けているところがミソ。この間、観た「Allison from Palmdale」というエピソードでは、キャメロンの“前世”(?)が語られて、ターミネーターのようなアンドロイドにとっての記憶という、「ブレードランナー」で語られたテーマが盛り込まれていて、実に面白かった。こういう“仕掛け”をしてくれると、アクション系ドラマというのは俄然面白くなる。

Saturday, October 4, 2008

ポール・ニューマン-本物のスター



名優であり、人間としても映画界を問わず、非常にリスペクトされていたポール・ニューマンが9月26日、亡くなりました。
83歳という高齢ではあったけど、不屈のスピリットを持ち、70代後半になって出演した「ロード・トゥ・パーディション」でも相変わらずハンサムでセクシーでチャーミングだったので、すごくショックでした...

そのニューマンが何年か前にジェイ・レノの「Tonight Show」に出演したことを回想した投書がLos Angeles Timesに載っていたので御紹介を。

ニューマンが、自身が設立した子供のためのチャリティ団体、ホール・イン・ザ・ウォール・ギャングのサマーキャンプに参加した時のこと、子供たちと一緒に朝食を食べていたニューマン、隣に座った小さな男の子に、「君は僕が誰だか知っているかい?」と尋ねてみた。その子が「知らない」と答えたので、ニューマンは、その時、ちょうどテーブルの上に置かれていた自分のブランド、ニューマンズ・オウンのレモネードの箱に書かれた自分の似顔絵を指して見せた。それを見た男の子、いきなり興奮して、「オジサン、誘拐されちゃったの?」と叫んだとか。(*アメリカの牛乳の箱の横には、「Have you seen me?」という言葉と共に、よく誘拐された子供たちの顔写真が載っている。)

投稿者は「その話を語った時のニューマンの顔に浮かんだスマイルと目の輝きといったら!」と話を締めくくっていました。

いかにもニューマンが好みそうな良い話だと思います。

Tuesday, September 23, 2008

録画ミス

昨日は、「ヒーローズ」の第3シーズン、プレミアということで、衛星放送受信機に内蔵されているデジタル・レコーダーで録画プログラムしておいたのだが、放映時間の9時になっていないのに録画が作動している。2時間枠のプレミアで放映局NBCも力を入れているのか、その前の1時間にそれまでの「おさらい」的特番を組んであって、レコーダーは「ヒーローズ」だと認知したため、そちらを録画し始めたのだった。
ところが、月曜日の8時は「Terminator: Sarah Connor Chronicles」の定番枠。それに気づいて、慌てて特番の録画をキャンセルしてFOXに変えたけど、その時点で既に8時半。「Sarah Connor」の最新エピソードを半分、ミスってしまったことになる。以前だったら、大パニックを起こすような事態だけど、今は「チェッ」と舌打ちする程度。どうしてかというと、過去2~3回までのエピソードだったら、インターネットで全編観られるようになっているからである。便利な時代になったものだ。

それにしても「ヒーローズ」の第3シーズン、予告を観ると、なかなかダイナミックな展開になっていそう。
第2シーズンが、ちょっと低調だっただけに、第3シーズンにすごく期待しているんですけど、どうかな...?(←実は録画したまんま、未見状態...2時間枠だし、今週末のお楽しみにしようっと。

Sunday, September 21, 2008

THE GETTY VILLA



今日の日曜日の午後は、マリブに在るThe Getty Villaに行って来ました。
The Getty Villaは、1997年まではJ・ポール・ゲッティ美術館だったのが、所蔵品が増えた上、いろいろな美術関連の事業も増えていったゲッティ財団の本拠地としては手狭になったので、405フリーウェイ沿いにGetty Centerという巨大な複合美術館を建てて中世以降の美術品を移動。元の美術館は改装工事を施されて、2006年に再オープン。主として古代美術を展示しています。

建物は、石油王だったゲッティが惚れこんだというローマ時代のヴィラを再現した柱廊で囲まれた中庭を持つローマ風の造り。


外には、最高の気分で散策できて、バルコニーからは海も望める庭もあります。


改装時には、元のローマ風邸宅のレプリカである本館に加えて、モダンな雰囲気のカフェも増設。


その近くにはこじんまりとしたギリシャ劇場的野外劇場スペースもあって、現在、夕方には「女刑事キャグニー&レイシー」でレイシーを演じたタイン・デイリー出演の「アガメムノン」を上演しているとのこと。

ヴィラ建設時には細部までこだわりを見せたというゲッティのスピリットを継いで、なのか、一般来館者が座るようなベンチまで、アートしていたし、


ガレージの入り口だって、カッコ良くて感心しました。


御天気の良い初秋や春にふらっと訪れたい美術館なのですが、残念ながら前もっての予約が必要。サイズが小さめだし、来館者でごった返したりしたら雰囲気が一気に台無しになるような、まるで華奢な貴婦人のような美術館なので、それはしょうがないことかも。
でも、1つだけ不満があるとすれば、ハーブガーデンに喫煙を許すかのように灰皿が置いてあり、実際、タバコを吸っている人が居て、すごく不愉快だったこと。なにゆえ、そこはかとなくローズマリーやラベンダーが香るハーブガーデンで、喫煙を許してもよいのか、全く理解に苦しむセッティングです。












Friday, September 19, 2008

FRINGE



「ロスト」、「エイリアス」のクリエイターである(というよりは、最近は「クローバーフィールド」の仕掛け人であるといった方が良い?)J・J・エイブラムスの新番組「FRINGE」のパイロットを1週遅れで観る。

タイトルのFRINGEは、fringe science=非主流科学から取ったもので、“科学的には証明されていないなんちゃって科学”みたいな科学、超常現象といった類の現象をテーマとしている。そういう意味で、“「Xファイル」の正統な後継者”というメディア評もうなずけるドラマだ。


個人的には、そういうジャンルが結構好きなので-いきなり何かが出てくるようなショッカー・シーンには弱いけど-、あまり新味が無い展開だとは思ったけれど、それなりに楽しめた。キャストも、主要キャストのトリオのうちアメリカ人俳優が1人だけというのも、ちょっと新鮮。(ところで、上の写真にも出ている主演のアンナ・トーヴはケイト・ブランシェットの妹という感じ。オーストラリア出身というところも一緒だし。)私の大好きなドラマ「The Wire」のセドリック・ダニエルズこと、ランス・レディック氏が出ているのも嬉しい。

アメリカのTV評では、絶賛されているわけではないけれど、各メディアのスコアの平均点が67点とまずまずの受け止められ方をしているようである。(ちなみに、新登場のドラマと現時点で新シーズンが既に始まった従来のドラマの中で最高点をマークしているのは「Dr.ハウス」の77点。)


新シーズンが始まってから観始めたドラマは、今のところ、新番組の「True Blood」とこの「Fringe」、それに先シーズンに引き続いて観ている「Terminator: Sarah Connor Chronicles」。9月下旬から10月上旬に向けて、さらに新しい番組や人気番組の新シーズンが始まるので、忙しいけれど嬉しい季節になる。

Sunday, September 14, 2008

日曜日の朝は...

お父さんが土曜日出勤アリの人ゆえ、日曜日の朝は、家族3人が揃って朝ごはんを食べられる唯一の日なので、いつもとはちょっと違う朝ごはんにします。
たいがいは、私がバナナブレッドやコーヒーケーキ、マフィンなどを焼いたり、パンケーキを作ったりするのですが、月1回ぐらいはお父さんによるクレープが登場します。

で、今日は、その「クレープ・デイ」。
こんな風に薄く焼いて...
Voila!

出来上がったクレープには、lemon curd(レモンの濃縮ジャムのようなもの)やクリームチーズ+ブルーベリー・ジャム、あるいは、お父さんイチ押しのザラメ砂糖+コアントロー(オレンジ・リキュール)といったものを包んで食べます。

うーん、C'est tres bon!!

なあんて、今では別に珍しくもない日曜日の朝食風景をブログねたにしたのは、日本で買ってきたデジカメをやっと使うに至ったからで、試し撮り+ブログ掲載の実験台にしようと思っただけのことだったりします。

Thursday, September 11, 2008

TRUE BLOOD



今年の9月の新シーズンで楽しみにしていたドラマの1本、「シックス・フィート・アンダー」のクリエイター、アラン・ボールによるヴァンパイア・ミステリー、「TRUE BLOOD」を観た。
「TRUE BLOOD」は、シャーレイン・ハリスのスーキー・スタックハウスをヒロインとするヴァンパイア小説のTVドラマ化で、「ピアノ・レッスン」のアンナ・パキンがスーキーに扮している。

舞台は、ルイジアナ州の片田舎。バーに勤めるスーキーは、他人の考えていることが読めてしまうという特殊能力を持っている。或る夜、スーキーが働いているバーに明らかにヴァンパイアだと思われる男がふらりと訪れる。このドラマの舞台になる時代では、日本人(!)が“True Blood”という合成血液を発明し、ヴァンパイアたちは人間の血を吸って生きていかなくても済むため、人間たちと共存するに至っていた。(それでも、ヴァンパイアたちは人間社会では疎まれる存在で、このあたりは、人間が持つマイノリティ-ある時は黒人であり、ある時はユダヤ人、ある時は東洋人だったりする-を排斥する傾向が象徴的に描かれていて興味深い。)

“ビル”と名乗るヴァンパイア(スーキー曰く「ヴァンパイアがビルなんて名前なわけ?!アントワーヌとかそういう名前じゃなくてビルなの?!」)には不思議な魅力があって、何より彼の心を読めないという事実にショックを受けたスーキーは、急速にこの173歳のヴァンパイアに惹かれていくのだが...

といったところがパイロット・エピソードの粗筋だが、今後は、スーキーとビルの話が中心となり、スーキーの弟で、夜な夜な違う女性とベッドインして日々をおくる弟のジェイソンが一夜を過ごしたばかりの女性が翌朝、死体で発見されるといった殺人事件が絡んで展開していきそう。
パイロット・エピソードは、まあ、そこそこ楽しめたし、気にくわないところも無かったので(強いて言えば、ヴァンパイアのビル役を演じるイギリス人俳優スティーヴン・モイヤーが、アングルと照明の具合によって、時々、大病して痩せてやつれたような若き日のアーノルド・シュワルツェネッガーのように見えないこともないのが気になる...)、これからも、しばらくは観続けていこうと思っている。

Wednesday, September 10, 2008

TVのニューシーズン始まる


アメリカでは、TVの新シーズンは毎年9月から始まるが、今年も9月2週目に入ってから続々と、既存のシリーズのシーズン・プレミアと呼ばれる新シーズン初回や、新番組がスタートし始めている。
一昨日の月曜日は、「ターミネーター」シリーズから派生した「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」のシーズン・プレミアを観た。

このシリーズについては先シーズンの放映が終了した際にも書いているけれど、なんといっても強みは、視聴者のおそらくほとんどが、「ターミネーター」シリーズの設定やキャラなどに精通しているので、ジョン・コナーのことや、ターミネーターとスカイネット、ジャッジメント・デイについてのことを詳細に説明する必要が無いということだろう。一方で、「ターミネーター」シリーズの全3作とも、基本的には、ジョンとサラが(サラは3作目には居ないけど)次から次へと送られてくる新型ターミネーターから逃れるという追跡劇になっており、TV版もそれを踏襲しているので、そこにいかにして新味を加えられるかというのも番組が面白くなるかならないかの鍵になると思われる。

第2シーズンのプレミアを観た限りでは、登場人物たちにとっては今後の課題になるだろう或る問題についての伏線や、新たな登場人物、組織が紹介されているので、ちゃんと期待できるのではないかと思って楽しみにしている。



それにしても、今年は脚本家組合のストライキのおかげで、どのTVドラマも例年より早く新エピソードを放映し終わってしまったので、先シーズンのファイナル・エピソードを観てから半年ほど時間が経ってしまっていて、「サラ・コナー クロニクル」のような、いわゆる“serial”という続き物のドラマは、その前までの話を思い出すのに、ちょっと苦労する。TV局側も、一応、本編が始まる前に、先シーズンのおさらいをしてくれることはくれるんだけど、ディテールまではフォローしなから、一昨日も、シーズン・プレミアを観ながら、「アレ?これって、どうしてこうなったんだっけ?」とか「あれって誰だっけ?」とか言いながら、首を傾げること多し。観終わった後で、ネットで先シーズンのおさらいをしたのでした。(私って真面目...笑)

Thursday, September 4, 2008

PUSHING DAISIES


去年のシーズン1のうち前半エピソードを見逃していた「Pushing Daisies」のパイロット・エピソードを、昨日、ようやく観ることができました。
いや~~、思っていた以上のクオリティ&楽しさで、もう一目惚れしました。
一言で言えば、ティム・バートンが「シックス・フィート・アンダー」番外編を創っちゃった、という感じのドラマ。(って、バートン作品も、「シックス・フィート・アンダー」も観ていない方には解っていただけないかもしれないけど...)

「Pushing Daisies」の内容については、私が尊敬する映画ライターである友人の小西未来氏のコラム、「From Hollywood Cafe」で、すごく魅力的に紹介されていますので、是非、読んでみてください。

この「Pushing Daisies」、アメリカでは9月16日にDVDが発売開始されるので、10月1日に第2シーズンが始まる前に借りて、観なくちゃっ!

Friday, August 29, 2008

進化するアニメーション


Back to LA映画(?)第二弾としては、先週末、ピクサーの新作「WALL-E」をやっと観ました。
恋愛映画としても、社会派映画としても、アクション映画としても、バディ・ムービーとしても、実に良く出来ていて、久々にいろいろと考えさせられるところの多かった秀作。さすがピクサーです。
私は女性だけれども、WALL-Eのキュートさより、EVEのカッコ良さに惚れ惚れしちゃったりして。ライブ・アクション映画だったら、アンジェリーナ・ジョリーに演じていただきたいキャラでした。(WALL-Eには、20年前ぐらいのジョニー・デップをキャストしたい。無理だけど)
過去の映画へのオマージュ(特に「2001年宇宙の旅」)に満ちていたのも映画ファンには嬉しかったなあ...
アニメーションと言えば、東京の国立近代美術館付属のフィルム・センターでは、この夏、子供向きの映画イベントがあって、第1週目は、ジョルジュ・メリエス作品やらハロルド・ロイドの無声映画を見せてくれたんだけど、第2週目は、昔の日本のアニメーションを観ることができました。
特にインパクトがあったのが、「茶目子の一日」。昭和6年の作品で、キャラのデザインが妙にモダンで感心。



その日、最後に上映されたのは、岡本忠成というアニメーション作家による「おこんじょうるり」。「ごんぎつね」系に泣かせる話で、子供に見られないように涙を拭くのに苦労しました...ううう...


「茶目子の一日」は1931年の作品。「おこんじょうるり」は、その約半世紀後の1982年。そして、その約四半世紀後に出来たのが「WALL-E」。8月は、アニメーションの進化する過程を観られた月でした。

Thursday, August 21, 2008

TROPIC THUNDER/史上最低の作戦

先週末、LAに戻って来ました。
時差ぼけはやっぱりあるし、締め切りは溜まっているしで、御疲れ気味の日々でしたが、締め切りの間がちょっと空いたので、日本に居た時からずーーーーっと観たかった映画を観に行くことにしました。

映画は「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」。
ベン・スティラー監督・主演のおバカ系コメディです。


ポスターに出ているスティラー、ジャック・ブラック(左の金髪の人)、ロバート・ダウニー・Jr.(右の黒人の人-いや、マジで...)は、ベトナムで戦争映画を撮影中なのですが、監督(ローマ戦士役で「ナイト・ミュージアム」でスティラーと共演したスティーヴ・クーガン)が無能で現場をコントロールできないために、どんどん無駄金が出て行ってしまう。それにキレた大物プロデューサー(これまた二十面相並みの変装を施しているトム・クルーズ)は製作中止を言い渡す。困り果てた監督は、映画の原作者(ニック・ノルティ)に相談して...

とにかくキャストが濃い面々なので、もうコテコテのコメディが展開します。こってり濃厚、大阪のお好み焼きソースの味、と言えば良いのでしょうか。(よく解らん)フィジカルなギャグも多いけど、台詞もかなり可笑しいので、字幕屋さんは苦労するだろうなあ。配偶者も私も平均して30秒に1回ぐらいは、抱腹絶倒するか無言絶句してきました。

そういえば、今回の日本の帰省では、「ダークナイト」、「Sex and the City」、「ハンコック」の3本の試写に行って、初めて日本でのマスコミ試写を体験したのですが、皆さん、笑わないんですよねー... まあ「ダークナイト」はそれほど可笑しいシーンは無かったから良かったけど、「SATC」と「ハンコック」は思わずプッとなるシーンが結構あったので、笑ったりして浮いちゃったら困ると思って抑えていたので、観た後でちょっと消化不良感が残りました。「トロピック・サンダー」の試写なんて日本で観たら、笑いを抑えすぎて悶絶するだろうなあ...

それから、ロバート・ダウニー・Jr.の変装は本当にスゴイです。黒人にしか見えない上に声や話し方まで黒人そのもの。と思っていたら、それを皮肉るシーンがあってちょっと苦笑いさせられましたが...

もう1つそれから、この映画を観るなら絶対、遅刻しないこと。ドリームワークスのタイトルが出る前に必見の映像があります。

Monday, July 28, 2008

読書三昧…志願

日本に帰省する際の大きな楽しみの1つに読書がある。
私がアメリカに住み始めてから19年という結構まとまった歳月が経っているのだけれど、いまだに英語の本を読むのは苦手。英文を読むという行為自体がどうのこうのというよりも、読書が人生の楽しみベスト10ランキング内に入っている(多分)自分としては、読書はリラックスする、あるいはワクワクしながら楽しむ娯楽であって、本気で文字を読まなければならない英文だと頭を使うので疲れる→読書に非ず、という理屈なのだと思う。
まあ、そんな理屈はどーでもいい。とにかく、日本に帰省すると、即、日本に住んでいた時分に通いつめていた図書館に行く。

私の読書傾向はひどく偏っていて、ミステリ、ミステリ、とにかくミステリ。今年は、子供の空手道場のママ友さんから必読リストを書いてもらったので準備も万端。(A子さん、ありがとう~~!)

まず手始めに、図書館に在庫があった有栖川有栖の「ペルシャ猫の謎」から読み始める。


有栖川の作品では、作者と同名の人物がワトソン君役で物語の語り役を務めるが、作家の分身である有栖川と探偵とのやり取りがユーモラスで面白かったのだが、本格推理の妙味が発揮されるのはやはり長編、ということで、次は綾辻行人の「十角館の殺人」を読む。


これは、いわゆる“嵐の山荘”、つまり登場人物が何らかの理由で1つの場所に閉じ込められているという状況で起こる殺人事件を描く本格派推理小説で、設定とか雰囲気はアガサ・クリスティやエラリー・クィーンといった古典派の名匠たちの作品に通じるものがあって楽しかった。動機がやや弱いと思われたのと、結末があまり盛り上がらなかったところが残念ではあったけれど。


次には、アンソロジーっぽい中篇、「天井裏の散歩者」を読む。着想は面白いけれど、文体と登場人物に魅力を感じなくて、イマイチという印象。言うまでもなく、これは江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」を意識した一篇だが、元の作品の倒錯性とか不気味さ等はほとんど残っていないのも、不満だったし

綾辻行人をもっと読みたくなって、次は「時計館の殺人」を借りた。

これまた、“嵐の山荘”パターンの設定。今、1/4ほどを読み進んだところ。

こう書いてくると1ヶ月あまりの間に3冊+しか読んでないことになって、私の読書スピードがえらくのろいように見えるけれど、これは、私が本を読めるのは、どこかに行く電車の中か、子供の空手の稽古を待っている間ぐらいしか無いから。日本に帰ったら、読書三昧するぞおおお~~と意気込んでいたのに、今年は思いのほか、臨時の仕事を多くいただいたので、家では全く読書できないのであります…とほほ…


Wednesday, July 16, 2008

日本初のマスコミ試写会


映画ライターの御仕事はロサンゼルスに移り住んでから始めたので、これまで日本でマスコミ試写というものに行ったことが無かったのですが、今日、某誌さんの御仕事で「ダーク・ナイト」の試写を観させていただきました。

場所は配給会社さんの試写室。なかなか座り心地が良く、間隔もゆったりめのシート。
何より、時間ちょうどに始まるのが嬉しい。アメリカだとマスコミ試写でも、遅刻する輩が居るので大抵いつも15分遅れぐらいに始まるので。
「ダーク・ナイト」は...かなり良かったです。
まず何と言ってもヒース・レジャーが予想以上に神がかり的演技を披露していて、改めて私たち映画ファンの失った才能の大きさを痛感しました。
プロットも、前作よりさらにダーク。まあ、監督がクリス・ノーラン(「メメント」、「インソムニア」)なので、これも考えてみれば納得、なのですが、こんなアメコミ・ヒーロー作品がちゃんと製作されるというのは、やっぱりアメリカって懐が深いんだなあ...と変な感心をしてしまいました。

Wednesday, July 2, 2008

どーでも良いことながら、ちょっとビックリしたこと

「Mr.&Mrs.スミス」、「Unrated版」なんかがあったんですね...

連載している芸能ゴシップNEWS記事のネタを探していたら、アンジェリーナ・ジョリーが出産準備のためにフランスの病院に入院したというという記事があって、読み進んでいたら、アンジーが主治医としてフランスに呼び寄せる産婦人科医は私の主治医だということが判明。
このドクターのクリニック、ごくフツーの場所で、とてもセレブと縁がありそうには見えなかったのですが、下手したらブラピやアンジーと待合室でバッタリ!なんて事態もあり得たのかなあ...などと思ったりして。

Saturday, June 28, 2008

デジカメ、ゲット~

昨日は都心に出る用事があったので(わが街は23区内にあるが、都心からは小1時間かかってしまう不便な所にあったりする)、ついでにデジカメを購入。
アメリカで使っているデジカメは充電不可能で単三電池を喰ってすごく不経済&不便だったので、充電可能な機種を買えて嬉しい♪(かなり原始的なヨロコビですが…)
10,000BCな人間なので、使い慣れるのに少し時間がかかるかもしれないけど、写真をこまめにとってCinemaNerd Chronicle Tokyo Drift(?)を書いていきたいと思います。

Wednesday, June 25, 2008

GET SMART



現在、東京に帰省中ですが、その直前に「Get Smart」(邦題「ゲット スマート」)の試写に行くことができました。

「ゲット スマート」は1965年から1970年にかけて放映されたアメリカのコメディ・アクション番組の映画化。残念ながら私はオリジナル版を観ていなかったんだけど、配偶者曰く、かなり可笑しい番組だという記憶があるそうです。

映画版も、スティーヴ・キャレルが超ハマリ役。本人は真剣に真面目に行動しているけど、傍から観るとギャグしているとしか思えないキャラをやらせたら、この人の右に出る人は居ないでしょう。
相棒役のアン・ハサウェイも良い味出してます。
こてこてにベタなギャグもかなり多かったですが、個人的には、なーんにも考えずにゲラゲラ大笑い出来て楽しませていただきました。

アメリカ、及びカナダの映画評を総括するRotten Tomatoesでは、評論家のうち53%の支持しか得られていなかったけど、同サイトに来る一般映画ファンは86%がthumbs-up。「メアリーに首ったけ」とか「裸の銃を持つ男」シリーズ系のコメディがお好きな方にはオススメです。

Tuesday, June 10, 2008

腱鞘炎になっちゃいました

2週間前の週末、珍しく本棚の整理を思いつき、古い雑誌を思い切って捨てたりして、本棚がスッキリ、気分もスッキリしたのは良かったのだが、手首がギックリ...手首が疲れたなあと思いつつも、その週はレギュラーの記事の他に飛び入り原稿もあったので、フルに働いていたら、本格的に腱鞘炎になってしまった。

腱鞘炎は前にも何度かやらかしていて、どうもクセになっているらしい。
右手なので、かばうわけにもいかず...
で、今日は鍼灸マッサージに行ってきました。
そこの先生にテーピングされて、現在、“手だけミイラ状態”の私です。



背景とフラッシュのせいで、“なんちゃってホラー映画”風の写真?