Thursday, May 21, 2015

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」


オーストラリア人監督ジョージ・ミラーの「マッドマックス」シリーズのリブート作品「マッドマックス 怒りのデス・ロード」を試写で観た。

「マッドマックス」シリーズは、第1作が1979年に公開された後、2作めが1981年に、3作目が1985年にそれぞれ公開されているが、そのリブート的作品となる本作が製作、公開されるまでに30年間かかったことになる。
それゆえ、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」主役のマックス・ロカタンスキーは、メル・ギブソンからトム・ハーディにバトンタッチされている。

本作でマックスのパートナー的役割を果たすフリオサを演じているのはシャーリーズ・セロン。他に、1979年版の「マッドマックス」で敵役を演じたヒュー・キース・バーンが、砂漠のコミュニティに君臨するイモータン・ジョーを演じている。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、カーチェイス・シーンに始まってカーチェイス・シーンで終わる。とにかく、悪の軍団が我らがヒーローと仲間たちを追って追って追いまくる。余計な回想シーンや息をつかせるシーンはほとんど無い。
それなのに、120分間、全く飽きさせない。その馬力はすごい。
監督のジョージ・ミラーは70歳。古稀の年齢の人間がこんな作品を作っちゃうんだから、やっぱり肉食人種は違うなあ。それとも、それこそがオージーのバイタリティなのだろうか、と耕作文化の国から来た者として感心してしまった。

肉食人種と言えば、出ている俳優たち、特にセロンの逞しい肉体は感動もの。これなら男たちと互角に闘えること間違い無し感たっぷり。ワークアウトして筋肉つけましたという感じじゃなくて、生まれつきそういう骨格をしているからなのだと思うのだけれど、特大サイズの戦闘型トラックの運転手がよく似合っていた。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」、映画評論家たちからの評価もバッチリ。北米の映画評を総括したサイト、ロトゥントマトズでは、なんと98%の映画評論家たちから褒められている。純然たるアクション映画でこんなスコアは珍しい、とロサンゼルス・タイムズ紙には書かれていたけれど、本当に純正なアクション映画、アクション映画の真髄を究めたような作品だったからこその高得点という気がする。

Saturday, May 16, 2015

2015年春公演

「卒業記念舞踏会」のパドドゥ。
踊っているのは娘のクラスメイトのモリー、16歳。

先週末、娘のバレエ教室の春公演がありました。
今年は「Spring Fling(春の軽い試み、といった意味)」と称して、「楽しいバレエ」を揃えておりますという趣向で、以下のようなプログラムでした:

ACT 1
*教室の卒業生でニューヨークシティ・バレエの付属学校School of American Ballet (SAB)を去年修了したリリカ・ブランクファインと男性ゲストダンサーによるパドドゥ「Spring Waters」

*ジョージ・バランシン振付による「Who Cares?」から、10人で踊る「Sweet and Low Down」、ソロで踊る「My One and Only」、5人で踊る「Somebody Loves Me」の3作品

*目下、先生たちの期待を一身に集めている“天才バレエ少女”シェルビー (14歳)による「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」(パドドゥ+ヴァリエーション+コーダ)

*同名ミュージカルをジャズダンスに振付し直された「ヘアスプレー」

<休憩>

ACT 2
*教室の大人のクラスを教えている先生によるネオクラシカル・バレエ「Journey」

*今年、卒業する高校生ケイリーンと男性ゲストダンサーによる「パリの炎」のパドドゥとヴァリエーション(+コーダ)

*年少レベルの主任の先生の振付による最年少レベル(9歳〜12歳)が踊る「Cappriccioso」

*デヴィッド・ラシーン振付のコメディバレエ「卒業記念舞踏会」

娘は、このうち「Sweet and Low Down」と「ヘアスプレー」、「卒業記念舞踏会」の3つに出ました。
「Sweet and Low Down」は、去年の「ワルツ・ファンタジー」に次いで大好きなバランシンの振付作品を2年連続で踊れたのが嬉しかったようだし、「ヘアスプレー」は群舞の1人に過ぎなかったものの、派手な赤毛のカツラをかぶって60年代風の衣装を着るというコスプレもあって楽しめたそうですが、「卒業記念舞踏会」では、長身ゆえ、一番出番の少ないシニア女学生の役だったのがつまらなかったようです。
まあ、去年は3役とも素晴らしい役を踊らせてもらった(去年の公演の様子はこちら)ので、今年は地味な役でも仕方ないよね、と母娘で話し合った次第。

余談ですが、今年は公演前日になって「卒業記念舞踏会」で主役の2人のうちの1人にキャストされていた子が、背中の故障で急遽出演を辞退するという騒ぎがありました。
出演をドタキャンした子は、テックリハーサルでは背中の調子が良くないからということで、しっかり踊らなかったんです。にもかかわらず、止せばいいのに、ドレスリハーサルでは「卒業記念舞踏会」の振付顧問のような女性が観に来ていたものだから良い格好しようと張り切って踊っちゃって、その結果、背中を悪化させて、公演前日になって背中が痛くて踊れませんって、あーた...
この子、実は、去年も公演前々日のテックリハーサルの時に足首を捻挫して出演をドタキャンした前科があったんですよね〜。その時も、彼女が出演していた踊りを振り付けた先生は急遽、振付やキャスティングを変更。クラスメイトたちも、公演前日のドレスリハーサルで変更箇所をマスターしなくてはならなくて大変だったのだけれど、足首の捻挫はあくまで事故だからケガをした彼女に対しては「可哀想に」というスタンスだったとか。が、今回は、以前から自分の背中の故障を知りながらフィジカルセラピーのようなケアを何もしなかっただけでなく、リハーサル中にええ格好しいで無理した結果、本番の舞台に穴をあけてしまったという無責任きわまりない行動を取った結果、周囲に迷惑をかけたということで、同情する声は無く、皆ムッとしていたそうです。やれやれ...
幸い、急遽、主役を踊らねばならなくなった子が(その前に1度しか振付を踊ったことが無かったにもかかわらず!)実に素晴らしく踊ってくれたゆえ、裏事情を知らない観客にはトラブルがあったことも悟られず、無事、2回の公演を終えることができましたが、先生たちも今後は、“ドタキャン娘”に主要な役を踊らせる時は必ずダブルキャストにするか、アンダースタディを用意しておく措置を取ってもらいたいものです。

今回の公演では自ら「卒業記念舞踏会」に青年兵士役で出演したビデオグラファー/エディターの人が作ってくれた宣伝用クリップです⬇



同じ人の編集による「ヘアスプレー」のクリップ⬇