
うちの父は昔から横文字が苦手。大学教授がこんなんでいいのか、というぐらい横文字の名称が憶えられなかったり、聞き間違えたまま憶えたり。
以前、アメリカから帰省する際にお土産の希望を聞いたら「ティースパスタ」が欲しいとメールでリクエスト。でも、「ティースパスタ」って一体、何??その後、電話して聞いたら「歯を磨くのに使う、ホラ…」って。え?歯を磨くって…「歯磨きのこと?」、「そうそう、だからティースパスタだよ」とまた謎の言葉を言うので、よく聞いてみたら、toothpasteのことだったらしい。つまり、彼はtoothの部分を勝手に複数化したあげく、pasteの部分を読み間違えた結果、「ティースパスタ」という新種のマカロニの一種のような物を作り出してしまったのであーる。
そんな父と先日、日曜日の朝、NHKニュースを観ていたら、そのまま三谷幸喜による人形劇ドラマ「新・三銃士」の再放送が始まった。そこで、父と三銃士の話になったのだが、三銃士のうち2人で思い出せたのは、アラミスだけ。ダルタニアンの名前もすぐ出たけれど、彼は三銃士の1人ではないし。2人で唸りながらあーでもない、こーでもないと言い合ううちに、太った三銃士の名前が思い出せそうになった私が「えーと、えーと、彼はポトスじゃなかったっけ?」と言ってはみたものの、それじゃ、父が栽培を得意とする観葉植物と同じ名前になってしまうし… なんて悩んでいたら、劇中で誰かが彼を「ポルトス」と呼んだので、それで解決。
でも、もう1人、まだ名前を思い出せない三銃士が残っていて、2人で「何だっけ?何だっけ?」と言っているうちに、父が、「もしかして
ティラミス
じゃない?」

いや、それはないだろう…
結局、最後の1人はアトスだったことが後に判明したんだけど、三銃士の1人がティラミスって…
何度もイタリアに旅行して、何度も食べたことがあるデザートの名前をフランス文学の古典の登場人物の名前にしてしまう父って、或る意味、大物なのかもしれない。(多分、違うけど)