Tuesday, June 29, 2010

いや、それは…



うちの父は昔から横文字が苦手。大学教授がこんなんでいいのか、というぐらい横文字の名称が憶えられなかったり、聞き間違えたまま憶えたり。

以前、アメリカから帰省する際にお土産の希望を聞いたら「ティースパスタ」が欲しいとメールでリクエスト。でも、「ティースパスタ」って一体、何??その後、電話して聞いたら「歯を磨くのに使う、ホラ…」って。え?歯を磨くって…「歯磨きのこと?」、「そうそう、だからティースパスタだよ」とまた謎の言葉を言うので、よく聞いてみたら、toothpasteのことだったらしい。つまり、彼はtoothの部分を勝手に複数化したあげく、pasteの部分を読み間違えた結果、「ティースパスタ」という新種のマカロニの一種のような物を作り出してしまったのであーる。

そんな父と先日、日曜日の朝、NHKニュースを観ていたら、そのまま三谷幸喜による人形劇ドラマ「新・三銃士」の再放送が始まった。そこで、父と三銃士の話になったのだが、三銃士のうち2人で思い出せたのは、アラミスだけ。ダルタニアンの名前もすぐ出たけれど、彼は三銃士の1人ではないし。2人で唸りながらあーでもない、こーでもないと言い合ううちに、太った三銃士の名前が思い出せそうになった私が「えーと、えーと、彼はポトスじゃなかったっけ?」と言ってはみたものの、それじゃ、父が栽培を得意とする観葉植物と同じ名前になってしまうし… なんて悩んでいたら、劇中で誰かが彼を「ポルトス」と呼んだので、それで解決。
でも、もう1人、まだ名前を思い出せない三銃士が残っていて、2人で「何だっけ?何だっけ?」と言っているうちに、父が、「もしかして


ティラミス

じゃない?」




いや、それはないだろう…

結局、最後の1人はアトスだったことが後に判明したんだけど、三銃士の1人がティラミスって…
何度もイタリアに旅行して、何度も食べたことがあるデザートの名前をフランス文学の古典の登場人物の名前にしてしまう父って、或る意味、大物なのかもしれない。(多分、違うけど)

Thursday, June 24, 2010

En Pointe



今週の水曜日、娘が日本のバレエ教室でのレッスンを始めた。
この日は、待ちに待ったポワント(トウシューズ)の初練習。

通常の練習が終わった後で、他の生徒たちがおさらい会用の練習のバーレッスンをしている間、教室の端っこで、先生にシューズの履き方などを習って、いざ立ってみたのだけれどちょっとつらそう。どうもシューズがかなり硬い様子。娘の初めてのトウシューズはBlochというメーカーのもので、アメリカの先生が推薦したブランドだ。アメリカの教室の同級生も多くがBloch。でも、日本の先生の話によるとBlochは硬めなのだとか。
それでも、先生や先生の娘先生が一所懸命曲げたり踏んづけたり(!)してくれたおかげで、柔らかくなったシューズでようやく何とか立つことが出来た。

まだまだしっかりしなって立ててはいないし、レッスン後、「痛~~い!」なんて悲鳴を上げていたけれど、先生曰く「大丈夫そうよ」ということだったので、まずは安心。

我が家の舞姫よ、頑張ってくれたまえ。

Wednesday, June 23, 2010

Native in the Strange Country

日本に来ています。

日本は生まれ育った国であるにもかかわらず、日々、「へえ~~」と思うことがありますね。

午前中にスーパーに買い物に行ったんだけど、並んだレジが研修中のお嬢さん。いろいろと分からないことがあると、スーパーバイザーに問い合わせている様子。それに業を煮やした私の前のオバちゃんは、「ああ、もうっ」という空気を噴出させまくって隣の列へ。
確かに、余計な時間はかかっているんだけど、それにしたって1分以下の話。私なんて、スローモーションどころかフリーズ・フレームじゃないのか、アンタはヌーヴェルヴァーグか?と突っ込みたくなる店員がすっごく多いアメリカに居る私なんて、免疫が出来ちゃっているのか、全然、イライラせず。
アメリカのカスタマー・サービスには、日頃、不満をたくさん抱えている私ですが、こういうトレーニング効果もあったのかいな、とちょっと感心。(ちょっと変な感心か)

その買い物に行く途中で、近くの公園、と言っても、多分20坪あるかないかというマイクロ公園で遊具などほとんど無いようなところなのですが、そこのベンチに座り込んで、けっこう大きな声で携帯でしゃべっているオバアチャンを見かけた。自宅の電話ではしゃべりたいこともしゃべれなくて、こうやって外出して携帯で友達に同居している息子の嫁さんに対する愚痴とかをしゃべっているのかなあ…などと想像。そのオバアチャン、買い物の帰り道でもまだオシャベリの最中でした。
携帯は、案外、お年寄りたちにとっても必須なガジェットになっているのかもしれない。

Friday, June 11, 2010

KARATE KID 2010



ウィル・スミスJr.=ジェイデン・スミス主演の「Karate Kid」(邦題:「ベスト・キッド」)を試写で観に行った。

既に話題になっているが、新版「ベスト・キッド」の舞台は北京で、ミスター・ミヤギの代わりがジャッキー・チェンだから、当然のことながら、登場する武術は空手ではなくカンフー。プロデューサーのジェリー・ワイントローブがタイトルを「カンフー・キッド」にしたらどうかと提案するも、「Karate Kid」の“ブランド名”が欲しいソニーが却下したとか。

まあ、それはともかくとして、結論から言うと、新版「ベスト・キッド」はなかなか面白かった。
何より、主役のジェイデン・スミスのカリスマは大したもの。11歳で2時間あまりの大作をグイグイと引っ張っていくスター性はスゴイ。DNAの威力を思い知らされた感じ。
ジャッキー・チェンも、いつものコメディ調のキャラを完全に殺して枯れた師匠役を淡々と演じているのが、かえって存在感を増していて良かった。

ストーリー展開は、オリジナル版と同じ。新天地にやってきた少年が周囲になじめないばかりか、苛められ、強くなるために武術を習って、身体的にも精神的にも大きく成長するという物語。結末も予測できるし、そういう意味では定式通りの作品。中国映画界の全面的協力を得るためなのでしょう、紫禁城だの万里の長城だの、必要無いっしょ、という観光名所めぐりシーンなんかもあるゆえ、上映時間がちょっと長過ぎ。

それでもこの作品が立派な娯楽作品に仕上がっているのは、ひとえに主役2人の魅力と、カンフーのトレーニング・シーンとトーナメントのシーンの迫力のおかげ。もう1つ、付け加えるなら、ジェイデン演じるドレ少年の仇敵になる中国人少年が実に憎たらしいこと。この名悪役ぶりが、最後のトーナメントのシーンに凝縮されると同時に、だからこそ、ラスト近くのちょっとした“ひねり”が効果を発揮したのだと思う。

ラストといえば、エンディング・クレジットに登場する撮影舞台裏の写真がなかなかイイ感じなので、映画が終わってもすぐに立ち上がらないことをおススメします。