Saturday, May 31, 2008

Le Temps des Cerises



なあんて、今日はちょっと気取ってフランス語のタイトルなんぞを付けてみましたが、これは昔々のシャンソンの名曲「さくらんぼの実る頃」ですね。私の大好きなイヴ・モンタンも唄っていました。
さて、アメリカ西海岸は、今まさに、サクランボの実る頃であります。
日本では“アメリカン・チェリー”と呼ばれる紫に近い濃い赤のさくらんぼは、当たり前ですが、アメリカでは“アメリカン・チェリー”ではなくて、Bing Cherryと呼ばれております。
私はこのサクランボが、だあああああい好き。

ビニールハウス栽培や、近隣のメキシコからもどんどん果物や野菜が入ってくる時代になると、果物の多くがほとんど通年、少なくとも半年は食べられる中で、サクランボだけは、だいたい5月の中旬から6月いっぱいぐらいの“限定販売”状態になることもあって、サクランボが出回る季節になると冬眠に備える熊のごとく、とにかく食べられるだけ食べておかなきゃ!という心理状態になります。今年も、まず出たての5月中旬、Costcoで4パウンド(約1.8kg)入りの箱詰めを買い、1週間でそれを食い尽くした私たち母娘は、翌週、近くのスーパー、Pavillionsのセールを狙って2パウンド(900g)ぐらいの袋詰めを買い、それも食べきって、この間の水曜日にCostcoで2箱めの4パウンド箱を買って、それも既に半分、無くなりました。今シーズンはあと、2~4パウンドいくんじゃないかと思います。

シャンソンの「さくらんぼの実る頃」は恋の歌ですが、我が家の「さくらんぼの実る頃」はひたすら食い気の季節です。(笑)

Sunday, May 18, 2008

Indiana Jones and the Kingdom of the Crystal Skull



スピルバーグの職人芸が100%発揮されている映画。
人物像に深みが無かったり、複雑さも無いけど、単純明快、スパッと楽しめる娯楽活劇です。
過去のインディ・ジョーンズ・シリーズ作品への関連アイテム・関連シーンにとどまらず、スピルバーグの他作品やルーカスの他作品まで及ぶオマージュのてんこもりでもあります。よく注意していないと見逃しちゃうシーンもあるから、ファンは目をしっかり開けて観るべし、です。

悪役を演じるケイト・ブランシェットのこてこてのロシア訛りもステキ。

ハリソン君、65歳もなかなか頑張ってますが、Dr. ジョーンズの帽子はスタントマンの身替わり撮影を容易にしていてグッドでした。

ハリソン君と言えば、観客の中に、ハリソン君の息子でシェフのベン・フォード氏が奥様と息子さんと一緒に観に来ていました。息子さんは小学校1年生ぐらいの感じ。おじいちゃんがインディアナ・ジョーンズだなんてカッコイイよね。

Sunday, May 11, 2008

パパラッチ・ウォッチング

昨日の土曜日、子供の通っているバレエ学校のリサイタルを観に行く途中、ちょっと早過ぎたので、Malibu Country Martという、小洒落た店やレストランが集まっている所にあるCoffee Beans & Tea Leavesでちょっと一息。

中庭に面している窓から外を眺めていたら、向かいにあるノブ・マツヒサのレストランNobu Malibuの前に5~6人の人間が立っているのが見えたので、「さすが、Nobu。順番待ちの人が居るのねー」と感心していたんだけど、よく見ると皆、カメラを抱えているではありませんか。
なんだ、パパラッチか...
と思った途端、なんだか入り口付近で人の動きが速くなったので、「ん?」と目を凝らしたら、守衛みたいな人たちがパパラッチを通せんぼ。その脇を、なかなかグッドルッキングなパパ、サングラスをかけた長身のママ、それに小学校低学年ぐらいの男の子と女の子が早足で通り過ぎて、こっちに向かってくる。
シンディ・クロフォードとその御一行様でした。

パパラッチたちも、相手が子連れだったせいか、あまりアグレッシブに後を追ったりしていなかったのが幸いだったけど、子供にしてみれば、週末にパパとママと美味しいレストランに食事に行っても、外を出たら知らないおっちゃんたちが追いかけてくるというのは、やっぱり異常なんじゃないか。それとも、セレブの御子ちゃまたちはそういうのも慣れっこになっているのかな...?

Friday, May 9, 2008

THE WIRE


我が家でイチオシのドラマ「THE WIRE」の放映が遂に日本でも始まりました!キネマ旬報のTVムックをはじめ、機会あるごとに誉めちぎってきたドラマだけに、すんごく嬉しいですっ!
放映局、Super!dramaTVのホームページでは、コラムの他、イントロダクションやストーリー、キャスト紹介の文章なども書いています。
「THE WIRE」は、アメリカのTV界の底力がよくわかる超良質のドラマです。

Tuesday, May 6, 2008

マッハGoGoGo@ハリウッド


60年代の日本のアニメ「マッハGoGoGo」の実写映画化「スピード・レーサー」を試写で観て来ました。

監督のウォシャウスキー兄弟(「マトリックス」)がオリジナル版の大ファンということで、日本のオリジナル版アニメをバリバリ意識した映像を観ているだけでも楽しい作品でした。

カー・レースのシーンは、各レース・カーのクロースアップを除いてはCGIで作られているのですが、実写部分も、それに違和感の無いように作られている点が巧いです。

まず、キャスティング。主役のスピード・レーサーを演じているエミール・ハーシュが、もろ、昔の日本のアニメに出てきそうなルックス。同様に、ジョン・グッドマンもクリスティナ・リッチも簡単にアニメ化できそうな顔だし。悪役は、登場した瞬間から「コイツ、悪役だね」と即決できちゃうし。

また、実写部分のプロダクション・デザインも、これでもか、というぐらいポップでカラフル。(最後の方では、その色の洪水にちょっとゲンナリしてきちゃいましたが。)

ある事に対する各登場人物の反応を見せるのにカット割りせずに、合成映像で見せるところもマンガ的で面白かったし。

1つだけ難を言うなら、カー・レースのシーンが多くて(まあ当たり前なんだけど)、退屈したというところかな。もう少し短くするか、メリハリをつけて欲しかったかも...?

Sunday, May 4, 2008

IRON MAN 追記

下に書いた「アイアンマン」の週末興行成績が出ました
1億70万ドル!金曜日~日曜日の3日間だけで、ですよ!やっぱりハリウッド映画のパワーってスゴイよなぁ...

まあ「アイアンマン」は、評論家たちからの評価も高かった(全米及びカナダの評論家のうち94%が誉めている)し、実際、ソツなく上手く出来ている映画だとは思ったけど、フランチャイズでもなく、大スターとかではない43歳の俳優がスーパーヒーローを務めている作品としては、快挙なんじゃないかと思う。

ロバート・ダウニー・Jr.も、これでいよいよ100%再起したって感じ。良かったね~。

IRON MAN


先週の火曜日、今年の夏シーズン映画の先陣を切って公開された「アイアンマン」の試写に行って来た。

「アイアンマン」はいわゆるアメコミを原作とするスーパー・ヒーロー・ジャンルの映画で、「スパイダーマン」が超成功したフランチャイズ映画になり、“休火山的”なフランチャイズ映画になっていた「バットマン」や「スーパーマン」が復活を果たし、さらに「ヘルボーイ」や「シン・シティ」などマイナーなアメコミ作品の映画化も成功を収めてきたここ数年の“アメコミ映画化花盛り”状況を観ていると、少しも意外な映画化ではないのだが、主演のアイアンマンにロバート・ダウニー・Jr.をキャストしたということが明らかになった時点から、注目を集めてきた。

ロバート・ダウニー・Jr.と言えば、オスカーにノミネートされたこともある実力派俳優であると同時に、度重なるドラッグのトラブルで逮捕され、裁判で有罪判決を受け、実際に刑期を務めた俳優として有名な人。その彼が、43歳という年齢で、アメコミのスーパー・ヒーローを演じるということが話題を提供したわけである。

「アイアンマン」の公開に先駆けて、ロサンゼルス・タイムズ紙にダウニー・Jr.のインタビューが載っていたが、その中で、アイアンマンというヒーローは、“ビル・ゲイツとジョージ・クルーニーを足して2で割ったようなキャラ”だから、“俳優が頭の良いふりをするよりは、実際に頭の良い俳優をキャストした方が良い”とコメントされていたが、言い得て妙だと思った。

ロバート・ダウニー・Jr.には、2005年、「キスキス・バンバン」が公開された時にインタビュー取材で一度会ったことがある。

この取材は、彼を囲んで5人ぐらいのジャーナリストがグループ・インタビューをするという設定だったのだが、ダウニー・Jr.は席につくなり、「タバコ吸っても良い?」と聞いてきた。タバコが大嫌いな私は、内心、“嫌だなあ...”と思いつつ、他のジャーナリストたちの「構わないですよ」という答えに対して異議を申し立てなかった。私は、こういう場面では柄にも無く弱気になってしまうことがある。


その時、私はダウニー・Jr.の真横に座っていて、彼には私の表情などは一切見えなかったはずなのだが、ダウニー・Jr.は、私の体から発せられていたに違いない“タバコは嫌いじゃあ~”というメッセージを鋭敏にとらえたのだろう。いきなり私の方に向き直って「タバコ吸って欲しくないんでしょ?」と聞いてきた。あまりに唐突だったので、本音しか言えなかった私に対し、彼は「Why didn't you fucking say so?!(じゃあ何だってさっきそう言わなかったんだよ?)」と突っ込んできたので、咄嗟に「Because I'm Japanese!」と答えたら、ダウニー・Jr.はもちろん他のジャーナリストたちにもウケてしまった。

ダウニー・Jr.は、この会話の後はタバコは一切吸わなかった。私に気配りしてくれたのだと思う。