Monday, January 27, 2014

サマーインテンシブ  オーディション その3

写真はボストン・バレエのサイトから拝借しました。
ボストン・バレエ、サマーインテンシブのパンフレットが無かったので...

今年のサマーインテンシブのオーディションの最後はボストン・バレエでした。

ボストン・バレエのサマーインテンシブは、10歳〜14歳がボストンの近郊にある町、ニュートンにあるスタジオが会場となり、15歳〜19歳がボストン本部スタジオが会場となる、というように2会場に分かれています。

*参加人数と指導教師
オーディションは大多数がニュートン校となる10歳〜14歳の年齢枠と15歳〜19歳という年齢枠に分かれていました。申込書の記入の時点から生徒たちだけがオーディション会場に入るという決まりになっていたので、本人が申込書に記入しましたが、サマーインテンシブの時点で15歳になる子たちは別の色のフォームを提出したそうです。
10歳〜14歳の年齢枠の参加者は37人。ヒューストン・バレエのオーディションのほぼ半数しか居なかったとのこと。ボストンは前日にオレンジ・カウンティにあるアーバインでもオーディションがあったので、南カリフォルニアではオーディション会場が1箇所しか無いヒューストンの半数というのはうなずける人数なのでしょう。(そうすると、南カリフォルニアでは2会場オーディションしているPNBの一箇所の会場の参加人数が60人というのは、えらく多いような... そう考えるとPNBはやはり一番競争率が高いのかも—汗)
そんな人数なのにオーディションには3人のスタッフが居たそうです。1人はレッスンを指導する先生。1人は審査する先生。そして1人は事務を担当しているスタッフだったように見えたとか。

*オーディション自体の難易度
ボストン・バレエもバランシン・スタイルなので、バランシン・スタイルで学んでいる娘は慣れているので楽だったそうです。オーディションの対象年齢も、PNBよりさらに2歳若いので、コンビネーションの難易度もかなり易しいものだったとのこと。

*参加者のレベル
前述したように、対象年齢の幅が広かったので参加者のレベルもまちまちだったとか。面白いのは、ヒューストンとPNBのオーディションにも来ていた子が何人か居たそうなのですが、やはり娘が憶えていたということは、それだけ目立ったということで、その子たちが一番上手かったそうな。
ちなみに、参加者は年齢別のグループに分けて番号を割り振っていったそうです。13歳の娘の番号は16番だったから、10歳〜12歳は10〜15人。まあ、概算すると10〜12歳が1/3で、2/3が13歳、14歳だという内訳になりそうです。

*娘の感想
先生が2人居て、指導担当と審査担当、というように役割分担されていたせいか、普通のクラスのように直しが入ったり、声をかけてくれたりしたので、特別クラスを受けているようで、とても楽しかったそうです。「あれだったら、合格でも不合格でも受ける価値のあるオーディションだったよ」と非常にポジティブなフィードバックでした。
また、ヒューストンもPNBも他所のスタジオでのオーディションだったのに対し、ボストンは娘のホームスタジオでのオーディションだったので、会場にもピアニストにも慣れているし、同じスタジオの仲間たちも一緒に受けていたという、気持ち的にも一番リラックスできたオーディションだったのではないかと思います。

これで、今年のサマーインテンシブのオーディションは終了。
あとはPNBとボストンの結果待ちになります。

Monday, January 20, 2014

「シャーロック」シリーズ3、始まりましたっ!


本国イギリスでは2014年1月1日に放映開始された「SHERLOCK(シャーロック)」のシリーズ3だが、アメリカでも少し遅れて昨日の1月19日に、シリーズ3の第1話「The Empty Hearse」が放映された。

「The Empty Hearse(空の霊柩車)」は、原作者コナン・ドイルがライヘンバッハの滝に落ちて死んだことになっていたシャーロック・ホームズを蘇らせた「空き家の冒険(The Adventure of the Empty House)」のもじりだが、原作と同じなのはホームズが偽りの死から蘇ってパートナーのジョン・ワトソンの前に姿を現す、というくだりぐらい。「SHERLOCK」は、毎エピソードでシャーロックとジョンが事件を解決するというフォーマットになっているので、「The Empty Hearse」でも一応、そのような事件は起こるが、当然のことながら、このエピソードではシャーロックの復活の方に重点が置かれている。

そして、その復活にあたっての登場人物たちのリアクションが実に面白い。シリーズ1、シリーズ2の全てのエピソードを考えても、これだけ大笑いしたエピソードは他には無いかもしれない。でも、その笑いには、Cumberbitch、いやCumberCollectiveの娘と私が、待ちに待ったシャーロック=ベネディクトとの再会の喜びの笑いも大いに含まれているのだけれど...

ちなみに、このエピソード、ベネさんファンにはたまらないカメオ出演があります。(逆にベネさんファンではない人には判らないかも?)

「SHERLOCK」予告編


「SHERLOCK」シリーズ3 ミニエピソード


Sunday, January 19, 2014

サマーインテンシブ オーディション その2

先週末に受けたヒューストン・バレエは残念ながら不合格の通知が来ました。
本人の感想が「受かっても受からなくても納得」という煮え切らないものだったので、ダメかもね、と思っていたら、案の定、でした。
普段の教室がバランシン・スクールであるのに対し、ヒューストンはロイヤル・スタイルの学校。そのスタイルの差に戸惑ったことが一番の敗因ではないかと話していました。
ど素人の私には、何がバランシンで何がロイヤルか、というのはハッキリは判らないのですが、ちょっとしたディテールが違うんだそうで、それを合わせようとするのに気を取られてしまったところがあったとか。

クヨクヨするのが嫌いで、済んだ事はあっさり流せる性格の人間である娘は、OK, let's move on!(はい、次、行こう〜!)というノリだったので、報せる私もラクではありました。

さて、今週末に受けたのは本命のPacific Northwest Ballet (PNB)。シアトルに在るバレエ団で、ニューヨーク・シティ・バレエ(NYCB)のようなバランシン・スタイルの踊りで知られている所です。


*参加人数と指導教師
ヒューストンと同じ12歳〜14歳という年齢分けでの受験者は60人。ヒューストンの70人よりはやや少なめといった感じですが、指導教師は、元NYCBのプリンシパルで、PNBのアーティスティック・ディレクター、ピーター・ボール氏(上の写真の真ん中下に写っているお方)1人だけだったので、2グループに分けることなく、60人全員で一度に受験。
バーは全員一緒に行い、センターは30人ずつ、2グループに分かれて踊ったそうです。

*オーディション自体の難易度
上述したようにPNBはバランシン・スタイルのバレエ団。オーディションを指導したボール氏もバランシンが創設したバレエ団であるNYCBの出身ということで、当然、オーディションのコンビネーションなどもバランシン・スタイルだったとのこと。普段、バランシン・スクールでレッスンを受けている娘にとって、これは有り難い事だったようで、1つ1つのパはおそらくPNBのオーディションの方がヒューストンのオーディションよりも高度だったかもしれないけれど、やり易さの点では断然、PNBの方がラクだったとか。
もちろん、今年初めてオーディションを受けてみたヒューストンに対し、PNBのオーディションにチャレンジするのはこれで3度目という慣れもあったのでしょう。

*参加者のレベル
参加者のレベルは、観た限りではヒューストンのオーディションに来ていた子たちとだいたい同じだったのではないかとのこと。実際、「あ、あの子、ヒューストンにも居た」と憶えていた子が数人居たそうな。
その中で、「この子、上手いなあ〜!絶対、受かるだろうな」と確信を持てるほど上手だった子はだいたい5人ぐらい。逆に、悪いけれど、見るからに「無理だろうなあ...」と思った子もだいたい5人ぐらい居たとのこと。

*娘の感想
上にも書いたように、踊り方のスタイルの点、今年で3度目のチャレンジだという事実から、ヒューストンよりもリラックスして受けられたとのこと。ただし、失敗したと思わなかった去年も一昨年も不合格だった事実を考えると、自信があるとは全く言えない様子。まあ、やるだけやって無理だったのなら仕方ないですよね...

*親の一言
PNBは、実は、娘が普段通っている教室でもオーディションを行うので、一昨年も昨年も普段の教室で受けたのですが、問題は、そのスケジュール。2月になってからなので、不合格になった場合、他のインテンシブのオーディションや申し込みがしにくくなるのです。そこで、車で2時間ほどかかるけれど、最寄りの会場よりも3週間早くオーディションが受けられる今回の会場を選びました。
娘のバレエ・クラスメイトたちは皆、自分たちの教室でオーディションを受けるだろうし、教室のコンディションやオーディションのためにピアノを弾いてくれるピアニストにも慣れ親しんでいるから、そういう意味では普段の教室で受けた方が良いのだろうけれど、タイミングの点で、今年は一足早くオーディションする会場で受けさせてみました。

それが吉と出るか、凶と出るか。今年も気持ちの落ち着かない“待ち”の期間がやって来ました ****sigh****

Monday, January 13, 2014

サマーインテンシブ オーディション その1

今年も、早いもので、もうSummer Intensive Program(SI)、すなわち夏季集中バレエ講習のオーディションの時期がやって来ました。

去年は、ABT(American Ballet Theatre)とPNB(Pacific Northwest Ballet)と2箇所オーディションしたのみ。合格をいただいたABTもtuitionが割高で、自宅と中途半端な距離(他所に泊まり込むほどではないけれど、自宅から通うには遠過ぎる)だということで、結局行かずに、ホームスタジオの6週間のサマープログラムに通って終わりました。

来年は、たくさん受けるぞ〜!などと意気込んでいた娘ですが、よおく考えてみると、第一希望のPNBは絶対受けるとしても、同じカリフォルニア州に在るサンフランシスコ・バレエは3週間のみのプログラムでちょっと短過ぎる気がして今年は受けませんでした。バレエ少女たちの間で一番人気のSAB(School of American Ballet、ニューヨークシティ・バレエの付属校)は2011年、2012年と2週間のワークショップを受講した結果、あまり好きではないし、自分はSAB好みの生徒ではないらしいという結論に達したらしく、本人は「受けたくない」と。
そこで、娘のスタジオのディレクターに相談したところ、上述の学校以外ではボストン・バレエ、ヒューストン・バレエ、そしてニューヨークのバレエ学校、エリソン・バレエを薦めます、とのこと。

そこで、今年はPNBの他はボストンとヒューストンを受けてみることにしました。

で、まずはヒューストン・バレエ。


ヒューストン・バレエのSIのオーディションは、友人の御嬢さんが通っているオレンジ・カウンティ、ファウンテン・ヴァレーのサウスランド・バレエが会場。自宅からフリーウェイを車で1時間弱の所にあります。バレエ大好きな友人も一緒に来てくれて、オーディションの間の待ち時間、御茶に付き合ってくれました。

さて、気になるオーディションについて娘が報告するには:

*参加人数と指導教師:
娘の参加した12〜14歳枠のグループの参加者は70人ぐらい。当然、全部一緒にはオーディションできないので、大きな部屋に50人、小さい部屋に20人ほど、と分けてオーディションしたそうです。娘は“大部屋組”で、サブリナ・レンツィ女史というヒューストン・バレエ2(ヒューストン・バレエの学生バレエ団)のバレエ・ミストレスが教え、生ピアノの伴奏付き。小部屋組は、同じくヒューストン・バレエ2のバレエ・マスターのクラウディオ・ミュニョス氏が教えたそうです。

*オーディション自体の難易度:
「PNBより少し簡単だったけど、ABTよりはずっと難しかった」とのこと。ただ、ヒューストン・バレエ・アカデミーは、ロイヤル・バレエ・スタイルの学校なので、バランシン・スタイルの教室で習っている娘は手のポジションなどに戸惑っちゃったそうですが、幸い、大きな間違いはしなかったと思うとのこと。でも、荷物を控え室に置いてポアントシューズを持ってオーディション・ルームに行った際、うっかりトウパッドを持って来るのを忘れ、友達に借りて事無きを得たものの、トウパッドを忘れたこと、いつもと違うトウパッドで踊らねばならなかったことで、ちょっとパニックモードが入っちゃった、と苦笑いしていました。

*参加者のレベル:
センターを踊る際は、10人ずつ、5グループに分けられたので、他のグループの子たちの踊りは観ることができたとのことで、それを観た限りでは、自分は真ん中ぐらいかな〜と。目立って上手い子が10人ぐらい居たけど、「あらら」と思ってしまった子も10人ぐらい居たそうで。

*娘の感想:
「受かっても受からなくても納得できる感じ」だったそうで。でも、それって、去年、PNBを受けて落ちた時にも言っていたことなんですよね。やれやれ...

*親の一言:
会場になったスタジオは壁の2方に大きな窓があり、両サイドとも窓が開いていたので、そこからオーディション会場が覗けたらしく、友人と御茶してスタジオに戻ったら、スタジオの窓からオーディションを覗き込んでいる親たちが15人ほど居ました。
実は、私もPNBのオーディションを初めて受けた際、オーディションを覗いてしまったことがあるのですが、後ですごく後悔しました。オーディションを実際に観たことで、オーディションの結果に対する不安と期待が倍増してしまったからです。「あの中から何人が受かるのかしら?うちの子より上手い子は一体何人居たかしら?先生はうちの子をちゃんと見ていたかしら」と、エンドレスに考えてしまって精神衛生上、ヒジョーに良くなかったのでした。
娘にそれを話したら、「観られる方だって嫌だよ〜。私は、普段のクラスの見学日にママに観られているだけで気になっちゃったりナーバスになっちゃったりするもの。オーディションを自分の親なんかに観られるのは絶対嫌だな」と、窓から覗き込んでいた親の子供たちに同情していました。

オーディションの合否が判るのは、1〜2週間後だそうです。

次の週末はいよいよ本命、PNBのオーディションです。

Monday, January 6, 2014

「ブレッチリー・サークル」


今年のエンターテイメント・ウィークリー恒例の“総決算号”で、同誌に寄稿しているスティーヴィン・キングがイギリスのミニシリーズ・ドラマ、「Bletchley Circle」をベスト10入りさせている。聞いたことが無かった作品だったが、図書館のサイトでサーチしたら見つかったで早速リクエストして借りる。

「Bletchley Circle」は、第二次大戦中のイギリスの政府暗号学校が置かれたブレッチリー・パークに勤務していた女性4人組が主人公。
優れた数学能力と分析力を持つスーザン(アナ・マックスウェル・マーティン)、一度見聞きした事は忘れない超正確な記憶力を備え持つルーシー(ソフィ・ランドル)、抜群の行動力とガッツがウリのミリー(レイチェル・スターリング)、そしてグループのリーダーを務める最年長のジーン(ジュリー・グラハム)は、ドイツ軍の暗号を傍受して解読。英国軍の大事な戦力になっていた。
しかし、終戦と共に彼女たちの役割も終わりを迎え、スーザンは退役軍人のティムと結婚して2児をもうけ、専業主婦として和やかだが退屈な日々をおくっていた。そんな彼女が密かに注目してきたのは、最近、世を賑わしている連続殺人事件だった。得意な分析力を活かして、自分なりの仮説を立てたスーザンは、夫のコネでスコットランドヤードの署長と面会。見落とされていると思われる犠牲者が見つかるはずと推測した場所を告げるが、捜索に出た警察官たちは死体を見つけられないまま終わる。
自分の仮説を信じて疑わないスーザンは、かつての仲間たちの協力を求めて、独自に事件の解決に乗り出すが...

ブレッチリー・サークルの面々。
左からミリー、ジーン、ルーシー、スーザン

「Bletchley Circle」は連続殺人犯を追う女性4人組という探偵物の醍醐味と共に、1950年当時のイギリス社会における女性の位置というものを鮮やかに描いていたところが面白かった。
4人組の中心となって動くスーザンは、殺人事件の解決に熱を上げるが、夫は「そんな物騒なことに関わりなさんな」とばかりやんわりとたしなめて彼女にクロスワード・パズルの本を渡す。彼女がスコットランドヤードの刑事たち顔負けの推理力や行動力を発揮すると、「君は第一に僕の妻であり子供たちの母だ」と言い切る。
もっと不運なのはルーシーで、人間離れした記憶力を持っているのに暴力亭主の世話ばかりする毎日。連続殺人犯を捕まえるために囮になった結果、ケガした彼女を見て変に勘ぐった亭主に酷い暴力を受けてしまう。
独身を通しているジーンやミリーにしても、単調な図書館の司書や、下衆な店主にこき使われるウェイトレスをして生計を立てて行くしかない。
戦争中は国のために大いに役立ったという自負がある彼女たちには耐えがたい生活である。
そのような彼女たちが、むごたらしく殺され続ける女性たちを同胞として見逃せない、なんとか殺人犯を捕まえねば、と立ち上がるところが良い。

「Bletchley Circle」のシーズン2も既に製作され、本国イギリスではこの1月から放映が開始されている。
アメリカのPBSでの放映が待ち遠しい。