「ラ・ラ・ランド」は一言で表現すれば、ボーイ・ミーツ・ガール・ストーリーで、それ自体としては特に傑出したストーリーだというわけではないが、夢を追う若き2人の住む街がla la landと称されるロサンゼルスだというところが象徴的かつ効果的なセッティングになっている。la la landという呼称は、LAと呼ばれるLos Angelesと、la la =夢心地のland=地、要は「夢見る街」という意味を二重に含めた言葉として、やや揶揄的にロサンゼルスを呼ぶ際に使われる言葉だが、「ラ・ラ・ランド」はそれを逆手に取り、夢見て何が悪い?、夢を見ることこそ若さの特権じゃないか?と主張する。
そんな映画だからこそ、主人公たちはすんなりと歌と踊りに入っていけるわけで、そんな主題や舞台を選んだ監督・脚本のデミアン・チャゼルの才能には感心した。
「Keeping Up with the Joneses」(日本公開未定。DVDスルーになる可能性もあるかも?)
ザック・ガリフィアナキスとアイラ・フィッシャー演じる平々凡々な夫婦の近くに、ジョン・ハムとガル・”ワンダーウーマン”・ガドット演じるジョーンズ夫妻が引っ越してくる。一見パーフェクトな夫婦に見えるジョーンズ夫妻だったが、その正体は… というドタバタ・コメディ。御代はタダの試写だから観に行ったけれど、ケーブル放映まで待っても全然オッケーな映画。ワンダーウーマンのパーフェクト・バディを拝みたい向きにはオススメ、かな?
「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」Fantastic Beasts and Where to Find Them
日本でも去年の11月に公開済みの作品。ハリポタ・シリーズは本は未読、映画も最初の4〜5本しか観ていないのだけれど、それでもとても面白かった。パン屋の経営を夢見るジェイコブ・コワルスキーを演じていたダン・フォグラーがすごく良い味を出していました。
「ラ・ラ・ランド」La La Land
最高に楽しいミュージカル映画。La La Landことロサンゼルスを舞台に、エマ・ストーン演じる女優の卵とライアン・ゴズリング演じる自分の店を持つことを夢見るジャズ・ミュージシャンの青年の恋を歌と踊りで見せるという他愛の無い内容ではあるのだけれど、「ロシュフォールの恋人たち」をお手本にしたと思われるノリがすごくチャーミング。31歳でこれだけ完成度の高いミュージカルを監督したデミアン・チャゼル(「セッション」Whiplash)は、やはりタダ者ではなかったようで。デート映画としても超オススメ!
ちなみに今日発表されたゴールデン・グローブ賞ではノミネートされた7部門全て(作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、主演女優賞、音楽賞、主題歌賞)で受賞を果たす快挙を遂げていました。
<番外編> 「2001年宇宙の旅」2001: A Space Odyssey
アメリカン・シネマテークが70mmプリントで上映するというので、ハリウッドのエジプシャン・シアターまで娘と一緒に観に行きました。私はこれが3度目の鑑賞。いまだに古くならないキューブリック・マジックに圧倒されたけれど、娘はピンとこなかったみたいで観終わった後の感想は「疲れた」。映画オタクの母はガクッ…(涙)