Saturday, May 28, 2011

男はつらいよ&十二人の怒れる男

今週末は、メモリアル・デーという国民の祝日がらみで、子供の学校は金曜日から月曜日まで休み。それでは、良い機会なので名画を鑑賞しましょうということになった。


金曜日の夜の上映作品は「男はつらいよ」。アメリカで、最近、寅さんシリーズのDVDが出たということをマイミクさんから教えてもらったので、早速、会員制のDVDレンタル・システム、Netflixでシリーズ第一作「男はつらいよ」を取り寄せた。
寅さん映画は純ニッポンのユーモアで綴られているので、アメリカ人の家族たちに解ってもらえるかどうかという不安はあったけど、「80%ぐらいは台詞が解った」という娘にはしっかり可笑しさが伝わったようで私が笑えるツボでは一緒になって笑っていたし、ダンナもスラプスティックなシーンや、写真撮影の際に「チーズ」と言う代わりに「バタ〜〜〜」と言ってしまうというベタなジョークでは結構ウケてたので、家族全員でちゃんと楽しめて良かった。(わたし的には、「おい、まくら、さくら、いや、さくら、まくら出してくれよ」というジョークがサイコーに受けました。こういう間違いって、結構、日常的にやらかしたりするんで。)



翌日、土曜日の今日は、先月亡くなったシドニー・ルメットを追悼しようと、ルメットの映画監督作品第一作目の「十二人の怒れる男」のDVDを図書館から借りて観ることにした。1956年の作品だからかどうかわからないけれど、MPAAのレーティングがついていないので、子供でもOKかどうか、わからなかったし(なにせ最後に観たのは学生時代で、子供向けかどうかなどということは意識しないで観たので)、元は舞台劇のこの映画、ほぼ1つの部屋だけを舞台に、不良少年の父親の殺人事件の陪審員たちが白熱した議論を交わすという会話中心の大人のテーマだったので、11歳の小学生が面白く観られるかどうか、ちょっと自信が無かったというのが正直なところだった。実際、映画を観始めた時は、「え〜〜、白黒の映画なの?え〜〜〜、出て来るのはオッサンたちだけじゃん〜」という反応を示した娘。「こりゃあ、最初の5分で挫折か...」とガッカリしかけたのですが、そこはルメット師匠の演出力。裁判制度なども良く解っていない小学生をも、ぐいぐいとドラマに引き込んで、一気に最後まで鑑賞。「面白かったよ」と、自分でも意外な発見をしちゃった、みたいな表情で感想を言ってくれた娘を観て、映画オタクとしても母親としても嬉しい宵でした。

それにしても、観た日は違っても「男はつらいよ」と「十二人の怒れる男」の組み合わせなんて、どんなクレイジーな名画座でも上映しないコンビネーションだよなあ...

Sunday, May 22, 2011

SPRING SHOW

更新ができなかったのは下で書いた次々と続いたジャンケットと、その後のインタビュー録作成のためばかりでなく、その忙しさで珍しく熱を出して寝込んだこと、その直後に、子供のバレエの発表会があったこともあった。

今年の発表会では、「ブラック・スワン」人気に便乗(笑)した「白鳥の湖」第二幕があったり、校長先生が恩師ジョージ・バランシンの作品にオマージュを捧げるような作品があったり、照明の効果を駆使してまるでシアターのようなドラマチックな作品があったりと、実にバラエティに富んだ演目が揃った良い舞台だった。
1つだけ残念だったのは、自分の子供が踊った演目が1つしか無かったこと。そろそろ2つの演目に出して欲しいレベルなのだが、まだまだポアントで踊れない実力ゆえ、仕方が無いのでしょう。

まだまだこれからだね。


「眠りの森の美女」より「ガーランド・ダンス」

ジャンケット・ラッシュ

気がついたら、1ヶ月近く、ブログの更新を怠っていた。反省...

ブログの更新がなかなか出来なかった理由の1つは、映画の取材ジャンケットが続いたこと。
映画に出演している俳優や監督、プロデューサーをインタビューするジャンケットは、ハリウッド映画より日本映画の方が人気が高い最近の日本の傾向を反映して、ここ数年、ずいぶん減っていたから、先月の4月、5月の2ヶ月で4本もあったのは異例のこと。しかも、そのうち3本が通訳として参加。通訳として参加すると、当日の仕事だけじゃなくて、インタビュー時に録音した素材を英語→日本語の文章に書き起こす作業もあるから、なかなか多忙になる。

4月と5月にジャンケット参加した作品は、「カンフー・パンダ2」と、「マイティ・ソー」、「カウボーイ&エイリアン」、そして「ジェーン・エア」の4作品。



「カンフー・パンダ2」は、全世界で6億ドル以上稼いだ「カンフー・パンダ」(2008)の続編。ジャンケットでは主役のポー役の声を担当したジャック・ブラック、アンジェリーナ・ジョリー(記者会見のみ)、それに、今回の悪役の鶴(そう、全然、強そうではない鶴が悪役なのがミソ)の声を担当したゲイリー・オールドマンが参加。ジャンケットの時点では映画は完成されていなくて半分ぐらいまでしか観られなかったのだけれど、ちょうど今日、試写会があって最後まで観てきた。大人も子供も楽しめる娯楽作に仕上がっていると同時に、映像的にも非常に細やかなところまで気が配られている丁寧な作り方にも大いに好感が持てた。



「マイティ・ソー」は以前、作品が完成するのを待たないで行なわれるロングリードという取材形式で主役のクリス・ヘムズワースをインタビューしているのだけれど、今回は、キャストたちと監督の記者会見に通訳として参加。ロングリードの時には観られなかった完成作をやっと観ることができた。記者会見では、敵役のロキを演じたトム・ヒドルストンが撮影秘話などのエピソードを面白可笑しく語って笑わせてくれて楽しかった。あと、超個人的な趣味の問題になるけど、「THE WIRE/ザ・ワイヤー」のストリンガー・ベルことイドリス・エルバを生で観ることができたのも嬉しかった。



3本目、「カウボーイ&エイリアン」は、映画未完成なこともあって、あまり口外してくれるな、と口止めされているので、記者会見にはお目当てのダニエル・クレイグ氏が参加していないのが、すんごく残念だったということだけ書いておこう。(また、超個人的趣味にはしってるし...)



ジャンケット・ラッシュの最後は「ジェーン・エア」。もう何度となく映画化されているシャーロット・ブロンテの名作を、日本人とスウェーデン人のハーフでアメリカ生まれのケイリー・フクナガが映画化した作品で、フクナガ監督とミア・ワシコウスカ(ティム・バートン版「不思議の国のアリス」のアリス役)の2人をインタビューした仕事だったが、ハリウッドの派手さとは正反対な静かさが美しい作品だったことと、監督と主演女優を一緒に独占してインタビューできたことで、自分の聞きたかった事を思う存分聞けたのが嬉しい取材だった。