Sunday, August 22, 2010

ポセイドン・アドベンチャー(1972)



YouTubeでクリップを観るだけでは飽き足らなくなって「ポセイドン・アドベンチャー」のDVDを図書館から借り出した。

初めて観たのは日本公開された1973年で、その後、たぶんTV放映も観ていると思うけれど、それにしても1970年代だったはず。その割には、細かいシーンをたくさん憶えていて自分でもビックリした。子供頃の記憶というものはなかなか消えないものなんですね。

「ポセイドン・アドベンチャー」はいわゆる娯楽大作というやつで“不朽の名作”と言われるような作品ではないのだろうけれど、脚本が実に良く練られていて、ストーリーの上でも登場人物の創り方の上でもとにかく無駄が無い。伏線も上手に引かれていて、「いきなりそれは無いだろう」という展開も無い。CG技術なんて無いから、水も爆発も全て本物だから迫力が違うし、スタントだってワイヤー・アクションなんか無い。ジーン・ハックマン(当時42歳)、アーネスト・ボーグナイン(当時55歳)、シェリー・ウィンタース(当時52歳)といった、決して若くはない俳優たちが体当たりでアクション・シーンを演じているのも立派。

でも何よりも、作られてから40年近く経っても、劇場の大スクリーンで観なくても、思わず引き込まれてしまうのは、人間ドラマが上手く創られているからだろう。
ハリウッドで娯楽映画を作りたい人には、「ダイ・ハード」と並んで必見の作品だと思う。

ちなみに、私が借り出したDVDはスペシャル・エディション版で、製作舞台裏を紹介するドキュメンタリーが付いていたのだが、これがまた興味深かった。
プロデューサーのアーウィン・アレンは、それまではTVのSF番組なんかをプロデュースしていた人だったけれど、大型スケールの映画を作るのが長年の夢で、ポール・ギャリコ著の「ポセイドン・アドベンチャー」を見つけて映画化を構想。最初はGOサインを出した20世紀FOXだったが、500万ドル(!)の予算を出すのをFOXが渋って、一時は「ポセイドン」は沈没寸前だったらしい。どうしても諦めきれないアレンは、プロデューサー仲間に製作費の半額250万ドルを出す保証を取り付けて、やっと製作にこぎつけたとか。インフレを考慮しても、当時の500万ドルは現在の2000万ドルにしかあたらない。今どき2000万ドルで製作される映画なんてインディーズ系の作品ぐらい。映画製作のコストは、世間一般のインフレ率より遥かに速いスピードで進行したことも判って面白かった。

「ポセイドン・アドベンチャー」は、8400万ドルの劇場興行収入を挙げ、大成功。
アーウィン・アレンは、「パニック映画」というジャンルを確立した人物として映画史に名前を刻むことになる。

Wednesday, August 18, 2010

FOOD, INC.

夏休み中ということで、最近、我が家は図書館とNETFLIXという宅配DVDレンタルサービスを駆使して、DVDを観まくっております。

今夕、観たのは、コレ。



アメリカの食品産業の欺瞞を斬るドキュメンタリーで、今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門にノミネートされた作品。ただし、日本では未公開。
日本未公開なのは、アメリカの食品産業は日本人とは直接関係が無いので関心が薄いと思われているのかもしれないけれど、日本の食品産業だって、産地をごまかした業者が居たり、使用期限を過ぎた材料を使っていた業者が居たりと、安心しきれない。明日は我が身ということで、せめてDVDででも公開して欲しいものです。

アメリカでの予告編↓ 
*新しいコンピュータにしてからYouTubeを載せると、右が切れちゃうようになってしまいました。これじゃよくわからないシーンもあるので、興味ある方は、YouTubeで「Food, Inc.」で検索してみてください。

Monday, August 9, 2010

ポセイドン・アドベンチャー

最近、我が家では夕食時にTVの前のカウチに陣取って、膝の上にトレーを乗せて食事するという悪しき習慣がついてしまった。

そんな時、観ることが多いのが「ザ・シンプソンズ」。30分の長さだし、子供にも楽しめるので御手軽な番組なのだが、この番組、アニメとはいえ大人にも楽しめる仕掛けが必ず加えられていて、なかなかの優れもの。

今日は、なかなか料理が出てこないシーフード・レストランで退屈したシンプソン一家が、海をテーマにした物語をお互いに披露するという設定だったのだが、そのうちの1つがなんと「ポセイドン・アドベンチャー」のパロディ。もちろんリメイクの方ではなく1972年版の方だったのだが、細かいシーンがちゃんと再現されていて感心するやらおかしいやら。

「ポセイドン・アドベンチャー」はゴールデン・ウィークに家族で初めて映画館見物をすることにした思い出深い映画だったので、YouTubeで主題歌を聴いたりして、しばし1970年代に思いを馳せたのでした。