娘は春休み中。
ちょっと暇が出来たので、ロサンゼルスのダウンタウンにある日本領事館に行くついでにダウンタウンをミニ探訪してみようということになった。
娘は、ダウンタウン行きの電車、Expo Lineにまだ乗ったことが無いので、遠足気分で乗ってみることにする。もう電車にウキウキ乗る歳でもないかと思ったけれど、「なんか、日本みたいだね〜」と意外に楽しそうで良かった。
ダウンタウン、最初の訪問先はThe Last Bookstore という古本屋さん。ロサンゼルスタイムズ紙に記事が載って、面白そうだと思ったので、この機会に覗いてみることに。
入り口はこんな感じ。ちゃんとした看板も何も出ていなくて、手書きの段ボールの紙が入り口のドアの所に下がっていてそれとわかるだけ:
元々はCitizens National Bankという銀行だった建物。
天井が高い部屋にギリシア風の円柱が林立するインテリアは、確かに銀行という感じ:
この写真で見える1階は、ちゃんとジャンル別、作家別に本が並べられていて探しやすくなっている。値段は、ハードカバーで5ドル〜10ドル。大型本だと15ドルぐらい。娘は、買い揃えそびれていた「ハリー・ポッター」シリーズの残り3冊を購入。新刊だと定価30ドル近くするハードカバーが、1冊5ドル。多少の汚れはあるけれど、ちゃんとカバーも付いていて、娘は大満足。
私は、今一番ハマっている「シャーロック」にインスパイアされて、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズ」シリーズの単行本を2冊購入。こちらは、ヴィンテージな作品である同シリーズに敬意を表して(?)父親の書庫から引っ張りだして来た、みたいな古めかしい書籍を購入。こちらもそれぞれ5ドルだった。
LAタイムズの記事で、2階はバーゲンコーナーだというのが判っていたので、購入希望の本をキャッシャーに預けて、娘と2階を探索しに行く。入り口に「迷路はこちら」なんて書いてあるので、興味津々で上がって行ったら、確かにこりゃあ迷路だわ、と感心するぐらい、行けども行けども本の山。
でも、店のスタッフがいかに本を愛しているかがわかるような遊び心満載なディスプレイもあって、楽しみながら迷路を探検。
写真がちょっとボケボケで見づらいけれど、手前には窓のように真ん中を開けて積まれた本の山が、奥の方で娘が立っている所には、力学の原理を利用したかのように積んだ本のアーチがあります。
銀行の金庫もそのままに残してあって、中にも書棚に並べられた本が。
作家別、ジャンル別に並べるなんてつまらない。本だってアートしたいんだぜ、と思ったかどうか知らないけれど、背表紙の色で分類されたコーナー。スタッフの人たち、よっぽど暇だったんでしょうか...
2階は1階の吹き抜けをグルリと囲むギャラリーのような造りになっているのだが、その一隅は貸しギャラリーのようになっていることもあり、あちこちにアヴァンギャルドなアートが展示してあった。
本好きだったら何時間でも居られてしまうような店だった。
会計を済ませて出たらちょうどランチ時だったので、近くにあるグランド・セントラル・マーケットで簡単な食事。
Bento-Yaという、日本人ではないアジア人が経営している(笑)スタンドで、テリヤキポーク・ベントーなるものを娘とシェアして食べる。6ドルなり。娘は大好きなボバティーをしっかり見つけて御機嫌。
日本領事館に行く前に、マーケットの向かいにあるブラッドベリー・ビルディングを娘に見せておくことにした。
映画「ブレードランナー」のロケ地としても有名な所だが、それゆえ観光名所になったこともあり、1990年代に改修されてきれいになった。1989年に初めて私が訪ねた時には、改修前だったため、「ブレードランナー」に登場した時のようにちょっと朽ちた雰囲気があって、独特の魅力があったのだけれど、今はその面影は無い。廃墟好きな私としてはちょっと残念な気もするが、手を入れられたことによって建物としての寿命は延びたことだと思うので喜んであげるべきなのだろう。
ブラッドベリーを後にして、ダウンタウン行きの主目的である中学校の教科書の受け取りに日本領事館へ行く。領事館の入った建物では、TVドラマ「キャッスル」のロケ撮影が行われていた。
Expo Lineの駅に行く途中に、中央図書館があるので、前回と同様、日本語書籍のコーナーに立ち寄って、本を2冊貸し出して帰途に着いた。
たくさん歩いてちょっと疲れたけれど、なかなか充実したダウンタウン探訪だったと思う。
Saturday, March 30, 2013
Saturday, March 23, 2013
タイガー・マザー
日本語の蔵書が豊富な近所の図書館で見かけたので、遅ればせながら借りて読んでみた。
うーん、凄まじい教育ママですね。
私も教育熱心な方だとは思うけど、厳格な「中国式教育」とやらで子育てする彼女はもう別の次元。これだけ徹底するのは並大抵でない努力と覚悟が必要なのは明らかで、その点では頭が下がる思いがしたけど、私には無理だし、倣おうとも思えませんでした。
ま、世界にはこういう子育てもあるんだね、ふーん、程度に読むなら良いですが、参考にしようとか、ここから何か学ぼうと期待するのは、ちょっと無理があるでしょうね。
ただ、日本語訳を担当した明治大学文学部教授の斉藤孝氏の「あとがき」は、著者エイミー・チュアのスタンスを冷静な目で捉え、そこから賢い自説を展開しており、なるほどね〜と思わせられました。もし、本書を読み始めて、著者のあまりに強烈な教育主義に辟易して途中で投げ出したくなっても(私は一時そうなりました−苦笑)、「あとがき」は一読の価値ありです。
Tuesday, March 19, 2013
禁断のゲイナー・ミンデン(笑)
娘の足の成長がほぼ止まった状態になったので、最近は、ポアントシューズを3足ぐらい使い回ししている。
去年はしばらく、グリシコとロシアンポイント(日本ではRクラスという名前)を交互に履いていたが、1月にフィッティングしに行った際に試したブロックが意外に気に入って、1月からはロシアンとブロック2足を使い回ししてきた。そのロシアンがまたつぶれてしまったのだけれど、今度はロシアンの代わりにまた何か新しいブランドを試したいというので、先々週末、再びフィッティングへ。
娘がフィッティングに行くのはロバートソン通りにあるThe Dance Storeというダンス専門店。いつもフィッティングを御願いするのは店長のジェニーさん。
ジェニーさんは顧客の足を知り尽くしていて、安心して御任せできる。(この間はフィッティングの合間に世間話になったんだけど、ニューヨークシティ・バレエで踊っていた娘の教室の先生は某メーカーがカスタムメイドしてくれていて、お気に入りの生徒のためにも調達していたとか何とか、そんな話がどんどん出てきたりする。)
そのジェニーさん、ありとあらゆるメーカーのありとあらゆるモデルのポアントをあーでもない、こーでもないと試している娘を観て、「うーん、足がかなり疲れているみたい。どれを履いても履き心地が悪いということは軟組織を痛めているのかも...こうなるとゲイナーしかないかしらねえ」という診断を下した。
ゲイナーとはゲイナー・ミンデンというアメリカのポアントシューズ・メーカー。
シャンクという靴の底にあたる部分にプラスティックを入れているため、他のシューズより柔らかく保ちも段違いに良い。そういうシャンクゆえ、足に優しく立ちやすいのが特徴。
と書くと良い事だらけのように聞こえるだろうけれど、問題は足に優し過ぎて楽に踊れてしまうこと。その結果、ポアントで踊るにあたって必要な筋肉が鍛えられないままになってしまうとか。そういう理由で、ゲイナー禁止にしている先生も居ると聞くし、なんでもニューヨークシティ・バレエの付属校SABでもゲイナーは御法度だとか。去年、日本でカスタムオーダーのポアントシューズを作ってもらった綜芸の職人さんも、ゲイナーは筋力が落ちてきた年配のダンサーのためのポアントだから、トレーニング中の若いバレエ生徒には良くないという意見だった。
それゆえ、ずっと避けてきたゲイナーだったけれど、足が疲れてきている時に無理をさせない方が良いというのも確かに一理ある。なにせ、普段は月、水、金に1時間15分ずつあるポアントのクラスに加えて、火曜日に1時間半、土曜日に1〜2時間の春公演のリハーサルがあって、週5日間もポアントシューズを履かねばならないのだから、足が疲れるのもむべなるかな。
ジェニーさん曰く、確かにゲイナーは初心者向けではないけれど、ポアントを履き始めてから今年の6月で丸3年になる娘は、もはや初心者ではないし、ゲイナーと他のポアントとを交互に履いていく分には全く問題が無いだろう、と。
というわけで、娘もついに禁断のゲイナーに手を出す、じゃなかった足を入れる(笑)ことになりました。
ちなみに、ゲイナーは高いです。原産国アメリカでも定価は116ドル(約1万1000円)。The Dance Storeはバレエ教室割引があるので、10%ディスカウントしてくれるけれど、10%近い消費税がつくから結局100ドルを超しちゃう。まあ、保ちが良いということなので、例えば60ドルのブロックが15時間も保たないところ、ゲイナーなら30時間以上保つということなのであれば、かえってオトクということになるわけだけれど、どうでしょうか...
それとゲイナーは、サテン地も丈夫そう。でも、丈夫ってことは厚いってことで、ゴムとリボンを縫い付けるのがとにかく大変で、指がボロボロになってしまった。(涙)
とまあ、そんなゲイナーを今日、いきなりリハーサルに履いていった娘。感想は?「うん、良かった、良かった。特に回転わざがしやすいみたい」とのことで、とりあえず100ドルの投資が無駄にはならなかったようで、ホッとしたのでありました。
去年はしばらく、グリシコとロシアンポイント(日本ではRクラスという名前)を交互に履いていたが、1月にフィッティングしに行った際に試したブロックが意外に気に入って、1月からはロシアンとブロック2足を使い回ししてきた。そのロシアンがまたつぶれてしまったのだけれど、今度はロシアンの代わりにまた何か新しいブランドを試したいというので、先々週末、再びフィッティングへ。
娘がフィッティングに行くのはロバートソン通りにあるThe Dance Storeというダンス専門店。いつもフィッティングを御願いするのは店長のジェニーさん。
The Dance Storeのジェニーさん(右、って判りますよねー笑)
写真はThe Dance Storeのサイトから御借りしました。
ジェニーさんは顧客の足を知り尽くしていて、安心して御任せできる。(この間はフィッティングの合間に世間話になったんだけど、ニューヨークシティ・バレエで踊っていた娘の教室の先生は某メーカーがカスタムメイドしてくれていて、お気に入りの生徒のためにも調達していたとか何とか、そんな話がどんどん出てきたりする。)
そのジェニーさん、ありとあらゆるメーカーのありとあらゆるモデルのポアントをあーでもない、こーでもないと試している娘を観て、「うーん、足がかなり疲れているみたい。どれを履いても履き心地が悪いということは軟組織を痛めているのかも...こうなるとゲイナーしかないかしらねえ」という診断を下した。
ゲイナー。深履き(?)モデル
私たちが買ったのはハードタイプ。それでもこんなに最初からしなってます。
ゲイナーとはゲイナー・ミンデンというアメリカのポアントシューズ・メーカー。
シャンクという靴の底にあたる部分にプラスティックを入れているため、他のシューズより柔らかく保ちも段違いに良い。そういうシャンクゆえ、足に優しく立ちやすいのが特徴。
と書くと良い事だらけのように聞こえるだろうけれど、問題は足に優し過ぎて楽に踊れてしまうこと。その結果、ポアントで踊るにあたって必要な筋肉が鍛えられないままになってしまうとか。そういう理由で、ゲイナー禁止にしている先生も居ると聞くし、なんでもニューヨークシティ・バレエの付属校SABでもゲイナーは御法度だとか。去年、日本でカスタムオーダーのポアントシューズを作ってもらった綜芸の職人さんも、ゲイナーは筋力が落ちてきた年配のダンサーのためのポアントだから、トレーニング中の若いバレエ生徒には良くないという意見だった。
それゆえ、ずっと避けてきたゲイナーだったけれど、足が疲れてきている時に無理をさせない方が良いというのも確かに一理ある。なにせ、普段は月、水、金に1時間15分ずつあるポアントのクラスに加えて、火曜日に1時間半、土曜日に1〜2時間の春公演のリハーサルがあって、週5日間もポアントシューズを履かねばならないのだから、足が疲れるのもむべなるかな。
ジェニーさん曰く、確かにゲイナーは初心者向けではないけれど、ポアントを履き始めてから今年の6月で丸3年になる娘は、もはや初心者ではないし、ゲイナーと他のポアントとを交互に履いていく分には全く問題が無いだろう、と。
というわけで、娘もついに禁断のゲイナーに手を出す、じゃなかった足を入れる(笑)ことになりました。
ちなみに、ゲイナーは高いです。原産国アメリカでも定価は116ドル(約1万1000円)。The Dance Storeはバレエ教室割引があるので、10%ディスカウントしてくれるけれど、10%近い消費税がつくから結局100ドルを超しちゃう。まあ、保ちが良いということなので、例えば60ドルのブロックが15時間も保たないところ、ゲイナーなら30時間以上保つということなのであれば、かえってオトクということになるわけだけれど、どうでしょうか...
それとゲイナーは、サテン地も丈夫そう。でも、丈夫ってことは厚いってことで、ゴムとリボンを縫い付けるのがとにかく大変で、指がボロボロになってしまった。(涙)
ゲイナーのサテン地、クローズアップ。テクスチャー、見えるかな?
中の白い生地はフワフワとしたフェルト。気持ち良さそうです。
右上端っこにリボンが付いているけど、これを表地に見えないようかがり縫いするのが大変だった〜
とまあ、そんなゲイナーを今日、いきなりリハーサルに履いていった娘。感想は?「うん、良かった、良かった。特に回転わざがしやすいみたい」とのことで、とりあえず100ドルの投資が無駄にはならなかったようで、ホッとしたのでありました。
Friday, March 15, 2013
THE AMERICANS
フォックス系のケーブル局F/Xで「The Americans」というドラマが始まった。
「The Americans」の舞台は1980年代のアメリカ。主人公たちは、アメリカ人であるどころか、ソ連の情報情報機関/秘密警察KGBのスパイである。エリザベス&フィリップのジェニング夫妻は、旅行代理店に勤務し、2人の子供が居て、ワシントンDCの郊外住宅地に住む典型的な中流家庭のように見える。が、実のところは、KGBによって送り込まれた辣腕スパイであり、アメリカに寝返ったソ連のスパイを捕まえたり、アメリカ防衛庁の重鎮の家に盗聴器を仕掛けて情報を盗み取るといった工作をこなしていく。
彼らがどのような経緯を経て、アメリカに送り込まれることになったかといった過去は、少しずつ小出しにされているので、まだキャラの全貌がわかっていないのだが、それがいっそうサスペンスを盛り上げている。
2時間枠のパイロット・エピソードでは、隣にFBIのエージェント一家が超して来るという、さらなるサスペンス要素を盛り込んで視聴者の興味を俄然盛り上げてくれる。
このスパイ夫婦を演じているのは「フェリシティの青春」のケリ・ラッセルと「ブラザーズ&シスターズ」のマシュー・リス。スパイと言えば、映画の中では007をはじめとして超人的な活躍を見せることが多いが、エリザベスとフィリップは、ごく普通の家庭人を装っているだけに、その行動も非常にリアル。
個人的にはスパイものドラマって犯罪ものドラマほどは惹かれないのが常なのだけれど、この「The Americans」、作り方がかなり上手くて、あっという間に2時間枠のパイロットも観られてしまったので、これからがとても楽しみなドラマである。
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