Tuesday, December 25, 2012

ジャンゴ 繋がれざる者


クリスマス前の木曜日(12月20日)、クェンティン・タランティーノの新作「ジャンゴ 繋がれざる者」の試写に行った。

舞台は南北戦争数年前のアメリカ。
他の奴隷たちと鎖に繋がれて歩くジャンゴの前に、歯医者から賞金稼ぎに転身したドイツ人、ドクター・シュルツが現れ、自分が捜しているお尋ね者の三兄弟の顔を知っているジャンゴに彼らを捕まえる手助けをして欲しいと持ちかける。彼らを捕まえられたあかつきには、自由の身にした上にボーナスを奮発するからと。
こうして、シュルツとジャンゴの不思議なパートナーシップが誕生。2人は首尾良く三兄弟を仕留めるが、無事仕事を終えた後、ジャンゴはシュルツに別れ別れになってしまった妻のことを話す。ジャンゴはミシシッピへと売り飛ばされた妻を救い出すつもりだと言う。シュルツは、人種差別がことさら激しいミシシッピにジャンゴ独りで行くのは危険だからと、自分も同伴して手伝うことを申し出る...

「ジャンゴ」は、タランティーノによるマカロニ・ウエスタンのオマージュであることは明らかだけれど、思わず吹き出してしまうようなユーモアとこれでもかっ!というぐらいの誇張されたバイオレンスは相変わらず。特にバイオレンスは、好きな人は好きだろうけどダメな人はダメだろうなという描写がてんこもりだった。

この新作で特筆すべきことは、ドクター・シュルツ役のクリストフ・ヴァルツ。エレガントなヨーロピアンの香りを漂わせつつ、「やる時はやりますよ~」と言わんばかりに炸裂するバイオレンスは凄い。「イングロリアス・バスターズ」の時よりも凄い。演技、というより、その存在感に磨きがかかっているような気がする。
キャンディ役のレオナルド・ディカプリオも、珍しい悪役を楽しんでいる感じ。近年、貫禄がついてきてはいるけれど、まだまだボーイッシュな魅力が残っていて、それでいてワルだというアンバランスが素敵。
サミュエル・L・ジャクソン演じるディカプリオの召使頭も、とても巧い。いわゆる白人に媚びへつらう黒人の典型と思わせておいて、それだけではないというキャラを完璧に体現している。
この3人の存在感と演技力の前で、やや影が薄くなってしまっているのは主役のジェイミー・フォックス。決して悪くない仕事をしているのだけれど、彼を囲む3人のレベルが高過ぎてちょっと気の毒だった。





Monday, December 10, 2012

くるみ割り人形 2012

先週末の12月7日(金)、8日(土)、9日(日)と、娘の教室の「くるみ割り人形」の公演がありました。

これまでは、2週末の土、日で昼・夜2回ずつ、計8公演あったけれど、今年は予算の関係で1週末、5公演の公演へと削減。子供たちは踊る機会が減ってガッカリしていたけれど、親の立場では、2週末より1週末の方が遥かにラクなので「ホッとした」という親がほとんどでした。公演になると、1日中劇場に詰めなければならないので親子ともども大変なのです。

娘は、今年初めて、群舞(コール・ド)に加えて、2人で踊るデュエット(2人の踊りって、男女で踊るとパドドゥだけど、同性同士で踊る場合はデュエットと呼ぶらしい)の役である「中国の踊り」をいただき、本番で踊ったのは1回だけだったけど、フィナーレでは花束までもらえて、とってもハッピーな年になりました。

「中国の踊り」の扮装をした娘とパートナーのSちゃん。
写真は「花のワルツ」のリハーサル。
衣装を着替える暇が無かったので、そのまんまで「花たち」に混ざる中国娘たち(笑)

「中国の踊り」って、衣装もパンツスタイルで踊りも全く違うということで目立つし、コミカルな振付が観客ウケも良いので得な役みたいですね。

群舞は、曲も有名な「花のワルツ」。
花輪を持って踊るので、ダンサーたちは疲れるようだけど、とっても綺麗な演目です。

花輪を持っているのがコール・ド。
手前の2人は、私たちはDemi-Flowerと呼ぶ、リーダー格の役。

今年は、以前の日記でも書いた、アメリカ人女性で初めてボリショイ・バレエに入団した卒業生、ジョイ・ウォマックが踊るということで、チケット売り切れの回が続出する大盛況でした。
私は、ジョイと、もう1人のプロバレリーナ、エリンの回と2回観たのだけれど、やっぱりジョイの方が段違いに良かったですねえ。16回のフェッテを余裕でこなしてしまうという技術力もさることながら、とにかくカリスマというか、プリマのオーラが凄い!子供が多くてザワザワしがちな会場も、ジョイが踊ると、会場がそれこそ水を打ったように静まり返って、空気が変わったのがわかりました。これぞ、プリマバレリーナの力、なんでしょうねえ。

ジョイ・ウォマック。タメイキものです。

「くるみ割り人形」が終わると、教室の子供たちは腑抜け状態になっちゃって(笑)、ホリデー休暇前の2週間は、スタジオも静かになります。


Monday, December 3, 2012

今日のバレエ・レッスン(追記あり)

ジョイ・ウォマック、18歳

アメリカ人で初めてボリショイ・アカデミーを卒業したジョイ・ウォマックが、Westside Balletの「くるみ割り人形」でシュガープラム・フェアリーを踊ることは、前回の日記に書きましたが、今日、そのジョイがスタジオでパドドゥを練習していたとか。
その間、スタジオの生徒たちは他の教室でレッスンを受けていたんだけど、最後のセンター・コンビネーションの時に、スタジオを移動して、なんとジョイと一緒にセンター・コンビネーションを踊ったんだとか。

ボ、ボリショイの卒業生と一緒に踊っちゃったんですか~~~(汗)
と、母は驚いて聞いていたんだけど、本人は「そう、けっこう上手く踊れたんだよ、私」と、サラッとしたもんでした。怖いもの知らずもいいとこだわ…

追記:
12月4日のCBSニュースで、ジョイ・ウォマックが採り上げられたそうです。
(いつも娘がレッスンしているWestsisdeのスタジオが写ってます。)

http://losangeles.cbslocal.com/video/8032972-ballerina-returns-to-her-native-socal-to-perform-in-the-nutcracker/
(最初、CMが流れるけど、間もなく本編が始まります。)

Monday, November 26, 2012

ロサンゼルスタイムズ紙の記事


Westside Balletの「くるみ割り人形」が去年に続き今年もロサンゼルスタイムズ紙で採り上げられました。

http://www.latimes.com/entertainment/arts/culture/la-et-cm-nutcracker-dancers-joy-womack-20121125,0,2142675.story

プロのバレエ・ダンサーがいろいろなバレエ団にゲスト出演するというテーマの記事ですが、今年、Westside Balletの「くるみ割り人形」で主役のシュガープラムを踊るジョイ・ウォマックがどのような経緯でゲスト出演することになったかというくだりがちょっとホロリとさせるようなエピソードとして紹介されています。

Sunday, November 25, 2012

スタジオ・ドレスリハーサル


昨日はスタジオでのドレスリハーサルでした。
娘が「中国の踊り」を踊る本番は1回だけなので、この機会を逃すと、自分の娘が生で「中国の踊り」を踊るところを観られるのは一生に一回(オオゲサだけど-笑)だけになってしまうので、ちょっと覗きに行って来ました。

本番に履きたいという新しめのポアントシューズを履いて踊ったため、先端のサテンがまだすべすべだったから(本人談)か、途中、トウで立つべきところでストンと落ちたのでヒヤッとしましたが、あとはとりあえず大きなミスも無く踊れてホッとしました。
でも、スタジオでのリハーサルでこんなにドキドキしちゃうんだったら、本番の際、観ている親の私はたまったもんじゃないなあ…とユーウツになったりして…(苦笑)


写真は専属カメラマンのサイトからお借りしました。
実は踊っているところではなく振付に出てくるポーズを取っての撮影です。

Saturday, November 24, 2012

Thanksgivingの休息


11月22日(木)は、アメリカではThanksgiving=感謝祭の休日で、娘の学校も前日の21日(水)からお休みで5連休。
感謝祭はクリスマス・シーズンと同じぐらいのメジャーなホリデーで、家族と集まるためにアメリカ中で“民族大移動”が展開する時期だけれど、我が家は感謝祭当日に、友人のファミリー2家族それぞれにランチ、ディナーと招待されているだけで、他には予定無し。娘が小学校低学年の時まではサンフランシスコ・ベイエリアに住む義妹のところで、家族が集まったけど、12月に上演される「くるみ割り人形」に出演するようになってからは、それも出来なくなり、LAで地味~に過ごすだけの休日になった。

ということで、我が家の3匹もお休みを満喫。


Saturday, November 17, 2012

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日


「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」の試写に行ってきた。

「ライフ・オブ・パイ」の主人公パイの一家はインドの元フランス植民地だったポンディシェリというところで動物園を経営していたが、息子たちの将来のために、と父親がカナダへの移住を思い立ち、動物連れで太平洋を船で渡航するが、途中、大嵐に巻き込まれてしまう。

物語は、中年男性になったパイの回想を、カナダ人のライターが聴くという形をとっているのだが、その設定がラストで活きてくる。

監督のアン・リーは、初期には台湾人としてのアイデンティティを感じさせる作品を作っているが、4作目にしていきなり、「いつか晴れた日に」でイギリスの階級社会を意識した人間関係の機微を細やかに描いて私たちを驚かせ、その後もアメリカ人監督以上にアメリカ人のことを理解しているのではないかと思わせる作品(「アイス・ストーム」、「楽園をください」、「ブロークバック・マウンテン」)を作って、私たちを感心させ続けてきたが、今度は、スケールの大きいファンタジー文学を見事に3D映像化させるという、さらに未知のジャンルに挑戦。息を呑むような映像もさることながら、俳優たちがそれに負けない存在感を出すよう導いている演出力はさすが。

小学校高学年からシニア世代まで揃って楽しめる上質の映画だと思う。

Monday, November 12, 2012

「くるみ割り人形」まであと4週間を切りました!

一緒に「中国の踊り」を踊るSちゃんとフィッティング中~


早いもので、もう11月も半ばに差しかかり、娘のバレエ教室の「くるみ割り人形」公演まで4週間を切り、教室では、衣装のフィッティングがどんどん進み、今週末からは通し稽古が開始されます。(1:30~6:30という長時間。出番は最後の方だけなんだけどね・・・)
公演前週の週末の12月1日には、衣装をフルに着ての通し稽古。フォトグラファーによる写真撮影もあって、スタジオはいよいよ「くるみ割り人形」1色に染まります。

Sunday, November 11, 2012

007 スカイフォール


ジェームズ・ボンド映画の1本目が公開されてから50年目の記念すべき23作目「007 スカイフォール」の試写に行って来た。

映画は、イスタンブールでMI6の機密情報が入ったハードドライブが盗まれるという事件が起き、ジェームズ・ボンドが盗んだ男を追跡するシーンから始まるのだが、これがボンド映画の伝統に乗っ取った正統的なチェイスシーンで、車の追跡あり、バイクの追跡あり、格闘あり、と、映画のしょっぱなから実に楽しませてくれる。
それに続くタイトルシークエンスも、ボンド映画の伝統にしっかり則ったビジュアル・デザインにうっとり。
もちろん、もっとうっとりさせられたのは、ボンドを演じるダニエル・クレイグのスーツ姿とタキシード姿。彼ほど男性の正装姿が美しい人は居ません。(キッパリ!断言-笑)

「スカイフォール」の見どころは、そういうボンド映画にお約束のシーンに加え、悪役シルヴァを演じるハビエル・バルデムのはじけきってる怪演と、ジュディ・デンチ演じるMとボンドの関係だろう。

監督のサム・メンデスは、最近、不振が続いたけれど、この作品で見事カムバックしたと評価されている。メンデスにしても、「バットマン」シリーズのクリストファー・ノーランにしても、インデペンデント系のこじんまりした名作で知られるようになってから、大型作品を中身の濃い意味ある作品に仕上げる力量を見せて感心させられる。(両者とも英国人だというのは、ハリウッドやアメリカ映画界にとっては、ちょっと寂しいことだけれど...)



Friday, November 2, 2012

Beauty and the Beast(TVシリーズ)


ティーン向けで、これまで気に入ったドラマ・シリーズに出会えたことが稀だったCW局の放映ということで、観るのに躊躇したのだが、一応観てみることにしたドラマ「Beauty and the Beast」。
結論から先に言うと、そこそこ面白い。

ヒロインは、「ヤング・スーパーマン」でブレイクしたクリスティン・クルック演じるキャサリン。アルバイト先のレストランから帰宅する際に車のバッテリーが上がっていたため、母親を呼んでジャンプスタートしてもらっていたところ、2人組の男に襲われ、母親が銃撃され殺されてしまう。キャサリンも殺されそうになる寸前、野獣のような人物が現れ、男たちをまたたく間に殺してキャサリンを助けるが、すぐに居なくなってしまう。
犯人たちは殺されたものの、動機などは謎なままである母親の殺人事件を解決すべくNYPDの刑事になったキャサリンは、自分が担当した事件で出会ったヴィンセントが、自分を救った人物ではないかと思い、接近するが...

ということで、「Beauty and the Beast」は、ディズニー・アニメーションにもなったフランスの民話「美女と野獣」に刑事物を混ぜてみました、という感じのドラマなのだが、各エピソードごとに起きる殺人事件をキャサリンが解決すると同時に、母親の殺人事件の謎と、ヴィンセントの過去が少しずつ明らかになっていくという、一話完結型シリーズと1つのストーリーが展開していくシリアルの両面を備えた構成になっている。
「CSI」や「クリミナル・マインド]などは完全に一話完結型だし、「24」や「LOST」などは完全に連続ストーリー型の典型だが、最近、犯罪ドラマには、この2つをミックスした形のドラマが増えている気がする。特に多いのは、登場人物には過去とか秘密とかがあって、回が進むごとにそれが明らかになっていって...というパターン。あるいは、「メンタリスト」のように、主役に天敵が居て、そいつがずっと捕まらずに事あるごとに主役を悩ましていくというパターン。
一話完結型だとマンネリになりやすいし、連続ストーリー型だとエピソードを1つでも見逃すとついていけなくなって視聴者が観るのを諦めてしまうというリスクがある。それを解決しようとしたのが、2つの要素を取り入れた“ハイブリッド”型なのではないか。

それはともかく、「Beauty and the Beast」は、CWのドラマにしてはベタベタしたメロドラマ的な要素が(今のところ)少な目でフツーに楽しめるので、とりあえず視聴を続けるつもり。

Sunday, October 28, 2012

「クラウド アトラス」


「マトリックス」のウォシャウスキー兄弟あらためウォシャウスキー姉弟(兄だったラリーが女性に性転換してラナになったので)と、「ラン・ローラ・ラン」のトム・ティクヴァが共同監督した「クラウド アトラス」の試写に行った。

「クラウド アトラス」は、6つの時代、6つの場所を舞台に、ストーリーが展開する。

1. The Pacific Journal of Adam Ewing(directed by ウォシャウスキー姉弟)
1849年、サンフランシスコから太平洋航海に旅立つ若き弁護士(ジム・スタージェス)が、迫害される奴隷の青年に出会い、それまでの人生観に疑問を持つようになって...

2. Letters From Zedelghem(directed by ティクヴァ)
1936年、スコットランド人の才能ある青年作曲家(ベン・ウィショー)が、恋人の青年(ジェームズ・ダーシー)のもとから離れ、傲慢な老作曲家(ジム・ブロードベント)の自宅に住み込んで作曲の筆記係になるが...

3. Half Lives: The First Luisa Rey Mystery(directed by テイクヴァ)
1973年、サンフランシスコの女性ジャーナリスト(ハル・ベリー)は、勤務先の原子力研究所における不正について良心のとがめを感じていた科学者(ダーシー)に取材をすることになった矢先、殺人事件に遭遇する...

4. The Ghastly Ordeal of Timothy Cavendish(directed by テイクヴァ)
2012年、ロンドンで破産寸前になっている出版業者(ブロードベント)が金の工面を兄(ヒュー・グラント)に頼もうとするが、弟に対する復讐心に燃える兄の計略にはまってしまう...

5. An Orison of Sonmi-451
2144年、「ネオ・ソウル」と言われる巨大都市で、遺伝操作によって造られた女性(べ・ドゥナ)は、完全にプログラムされた生活をおくっているが、レジスタンス活動家(スタージェス)と恋に落ちて、人間としての自覚に目覚めていくが...

6. Sloosha's Crossin' An' Ev'rythin' After
24世紀の地球、Big Fallと呼ばれる地球的規模の滅亡が起き、生き残った人間たちは原始人の生活に戻って細々と暮らしているが、そこに超進歩的技術を持った世界からの女性(ベリー)が訪れ、そこに住む部族の男(トム・ハンクス)を案内人として、神として人々が崇めていたSonmiが住む山に向かうが...

原作は未読なのだが、時代も場所も異なる6つのストーリーが巧みに織り成されて展開していっているらしい。映画の方も、それを踏襲すべく、出演俳優のほぼ全員に、6つのストーリーのどこかに登場させ、輪廻転生を示唆している。
例えば、主演と目されるトム・ハンクスは、第1話では主人公の青年が乗り込む船に同乗する医師、第2話では主人公の青年が滞在するホテルのフロント係、第3話ではヒロインに協力する原子力研究所の研究員、第4話では主人公の出版業者の顧客であるギャングの男、第5話では劇中映画の俳優、第6話では24世紀で蛮族に攻撃されながらも生き残ろうとする部族の男を演じているといった具合。
その試み自体は野心的で評価されるべきだと思うのだが、西洋人であるスタージェスに特殊メイクを施して韓国人のレジスタンス活動家に扮させたり、黒人のベリーをユダヤ人女性に化けさせたりと、不自然な特殊メイクで無理やり複数の役を演じさせている点が気になって、ストーリーに集中したり登場人物に共感を覚える妨げになっているように思われたのが残念。

それと、2時間52分の長尺とはいえ、6話もあるから1話あたりに割ける時間は30分たらず。しかも、どの話もそれだけで1本の映画が作れてしまうような内容ゆえ、それぞれ急ぎ足でストーリーをなぞっているように感じられ、内容も登場人物も深く掘り下げられることがないものだから、その世界になかなか入り込むことができないように感じられた。

「クラウド アトラス」、TVのミニシリーズ的にするか、「1900年」(1976)のように前編・後編を分けて一挙上映というかたちにした方がもっと成功したかもしれない。


Wednesday, October 24, 2012

血は争えない??

「くるみ割り人形」で「中国の踊り」の練習に参加している娘。
娘の教室の「中国の踊り」は、女の子ダンサー2人と男の子ダンサー1人が踊るようになっていて、男の子ダンサーの子は全5公演を通して1人の子が踊ることになっているのだけれど、女の子の方は、今のところ候補が4組選ばれています。土曜日の練習では、先生が各組の名を呼んで順に踊っていくわけだけれど、「KちゃんとBちゃん」、「GちゃんとJちゃん」、「MちゃんとSちゃん」と順に呼んでいって、最後、娘の組の番になったら、「エッフェル塔の2人!」。

あちゃ~~~。そう来ましたか~~~。

というのは、娘と彼女のパートナー、Sちゃんは、共に身長170cm近いノッポさん。
他の3組は、低い子は155cmも無く、高い子でも165cmには届かない背なのに、娘たち2人だけ、先生より背が高い。
ということで、「エッフェル塔」。

でも、この呼び名、ちょっと因縁があるのよね...
というのは、小学校卒業時で162cmあった私に、それよりずっと背が低くて面白く思っていなかったクラスの男の子たちが、「東京タワー」というあだ名を付けたから。

親子揃って、「塔」と呼ばれるって...
まあ、背ばかりは自分たちでもどうしようもないからね~~

塔、ですかね、やっぱり??

Monday, October 22, 2012

「くるみ割り人形」の季節


今年も、娘のバレエ教室の「くるみ割り人形」の季節がやってきました。
8月末に、参加の申し込み+オーディション(と言っても背の順に並ばせるだけ)があって、9月8日からリハーサル開始。

今年は、予算の関係、なのか、校長先生が亡くなって初めての公演だから、なのか、例年は2週末、8公演あった公演が1週末の金、土、日の5公演だけに減らされて、子供たちはガッカリ。親たちは密かにほくそ笑んでいます。だって、休み中でもないのに、2週末続けて、金曜日の夕方から日曜日の夜までずーっと劇場に詰めていなければいけないのって、子供たちには大変な負担なわけで、学校の勉強が心配ですからね~。(その代わり、公演の週は、水曜日が照明を見るテックリハーサル、木曜日がドレスリハーサル、金曜日~日曜日が本番と、もう親子共々ぐーーーーったりしそうです。バレエは体力だ!)

今年、娘が踊ることになっているのは第2幕の終わりの方に出てくる「花のワルツ」。12人で踊る群舞の1人です。
振付は、ジョージ・バランシン振付によるニューヨークシティ・バレエの「花のワルツ」(↓の映像)に近いです。

娘の教室のは、もう少しテンポがゆるいけど、群舞の他に“デミフラワー”と言われる2人と、デュードロップ・フェアリーと呼ばれる1人がソロ的に踊る点が同じだし、振付的にも随所に似た動きがあります。

娘は今回、「花のワルツ」に加えて、もう1つ「中国の踊り」の候補にも選ばれて練習を始めました。
こちらは、女の子2人に男の子1人の踊り。「男の子」と言っても、これまでは小柄な女の子が男の子役を務めてきたのだけれど、今年は正真正銘の(笑)男の子が踊ることになっているとか。
5公演に対して、候補となっている生徒が4組も居るので、舞台に出られるかどうかはわからないけれど、可能性があるというだけでありがたく思わないとねー。(positive thinking実行中~)


リハーサルは毎週土曜日。「花のワルツ」は6分余りの長い踊り。それに加えて「中国の踊り」のリハーサルも入っているので、週3回=3時間半のポアント・レッスン+2時間のリハーサルがあるから、週5.5時間、ポアントシューズを履くことになるので、消耗も速い、速い。(御財布が軽くなる速度も急上昇中-泣)
この夏から2足を交互に履いてきたけど、今月からローテーションを3足に増やしました。その中から、ちょうど良いコンディションになったものを2足、本番まで取っておくという作戦。
2年前にポアントシューズを履き始めた当時は、履き潰す前に足が成長しちゃって買い換えたものだったけれど、ねえ...(遠い目)

Sunday, October 21, 2012

バラが咲いた


数年前に裏庭を少しキレイにした時に植えたバラ。
4株植えたら、1年も経たないうちに1株を残して全滅... 買いに行った園芸店に枯れた株を持っていったら無料で取り替えてくれて、その後は何とか咲いている。
手前の白地にピンクの縁取りがある方はティーローズで、ちょっとスパイシーな香り。真紅の方はバラらしい香りがする。
南カリフォルニアは、2、3日前まで夏のような陽気だったから、バラたちはあっという間に開花して散ってしまうので、毎日のように裏庭に出てちょうど良い咲き具合になった花を切っては、卓上に活けて飾っている。

今日、収穫したバラを入れたカバさんの器は、娘がColor Me Mineという、日本で言うところの楽焼屋さんのようなところで先週末開かれたバースデーパーティに招待された時に作ったもの。短く切ったバラにちょうど良い深さで、これから活躍しそうです。

Thursday, October 11, 2012

新番組2題:VegasとElementary

10月19日付けの日記に書いた「Revolution」20日付けの日記に書いた「The Mob Doctor」に続いて9月から始まった新ドラマ「Vegas」と「Elementary」を観た。


「Vegas」はタイトルそのまんま、1960年代のラスベガスが舞台。牧場を経営していたが、第二次大戦中、米軍で起きた事件を解決した実績をかわれて、ラスベガスの保安官となるラルフ・ラム(デニス・クエイド)が、Sin City(罪の街)の異名を持つラスベガスで起きる事件を捜査・解決していく刑事ものドラマである。
ラムに相対する敵役として登場するのは、ベガスでカジノを経営するイタリアン・マフィアのボス、ヴィンセント・サヴィーノ(マイケル・チクリス)。前任の保安官は、カジノで遊ばせるなどしていろいろと便宜をはからせていたが、根っからのカウボーイであるラムはそのような誘惑には見向きもしない。サヴィーノのカジノが絡む殺人事件を描く初回と第2回では、マフィアVS警察の対立の構図はそれほど顕著ではないが、回が進むうちに、両者の間の抗争も激しくなっていくのだろう。
クエイドは、以前はやんちゃなニイチャンというイメージを持つスターだったが、彼も今年で58歳。ちょっとハリソン・フォードっぽい正統アメリカン・カウボーイの雰囲気を良く出していて、適役である。ちなみに、一緒に牧場を経営していたものの、ラムが保安官に指名されてからは兄のアシスタントを務めることになる弟のジャックには、「Terra Nova~未来創世記」で主演を務めていたジェイソン・オマラがキャストされている。また、「マトリックス」シリーズのキャリー=アン・モスが、ラムとイイ感じになっているラスベガス地方検事補を演じており、なかなか充実したキャスト。


次に観たのは、シャーロック・ホームズが現代のニューヨークで活躍していたら…という設定の「Elementary」。イギリスBBC製作の「SHERLOCK(シャーロック)」のアメリカ版と言われているが、皮肉にもシャーロック・ホームズ役はイギリス人俳優のジョニー・リー・ミラーが演じている。そして、ホームズの相棒、Dr.ワトソンは、ジョン・ワトソンではなくジョーン・ワトソン、すなわち女性になっており、ルーシー・リューがキャストされている。
このホームズは、何らかの精神的問題を抱えており、Dr. ワトソンは、その彼を監視するために父親に雇われた、ということになっているらしい。
ホームズものの醍醐味は、天才探偵が常人には解きかねる謎をあざやかに解明してみせるところにあると思うのだが、それを43分の長さにどうやって上手く収めていくか、に成功の是非がかかっているような気がする。

Wednesday, October 10, 2012

アルゴ


ベン・アフレックの最新監督作品「アルゴ」の試写を観に行った。

「アルゴ」は、1979年、イランアメリカ大使館人質事件のさなか、アメリカ大使館の裏口から密かに脱出してカナダ大使の自宅にかくまわれていた6人のアメリカ大使館員たちを無事に国外に逃がす救出作戦を描いた政治サスペンス・スリラーである。

1979年11月、イラン革命の敵だった国王を亡命させたアメリカに対するイラン人の不満は最高潮に達し、アメリカ大使館を急襲した暴徒たちは居合わせたアメリカ大使館関係者や海兵隊ら52人を拉致。その安否が気遣われていた。脱出した大使館員6人も身元がばれれば殺される可能性が高かったため、CIAはどのような救出作戦を取るか頭を悩ませるが、当時39歳だったCIAエージェント、トニー・メンデスは、突拍子も無いと思われる作戦を考え出す。それは、「アルゴ」という名の映画プロダクション企画をでっちあげ、大使館員6人はイランへロケハンに出かけたカナダ人映画クルーと偽って国外に逃がすという作戦だった…

と、設定を読むと「そんなバカバカしい作戦、成功しないに決まっている」と思いそうなものだが、この話は実話で、登場する人物たちも全員、実在の人物である。
「アルゴ」作戦は、長い間、公式の場で語られることはなかったが、1997年にようやく公表されたとか。
“ニセ映画企画”「Argo」の実物のポスター

「アルゴ」は、アフレックの監督作3本目だが、登場人物をそれぞれ丁寧に描きながらも、テンポを緩めずたたみかけていく演出は前作「ザ・タウン」の時と同様。今回は、ハリウッドをおちょくった台詞も随所にちりばめられていて(ハリウッド・プロデューサー役のアラン・アーキン、特殊メイクアップの達人役のジョン・グッドマンが実に良い味を出している)、御膝元のロサンゼルスの観客たちにはバカ受け。(試写場も、ハリウッドのど真ん中、チャイニーズ・シアターだったしね。)
シリアスなサスペンス・ドラマとなる救出劇と、ハリウッドをネタにした風刺コメディという、相容れにくい2つの要素もしっかりバランスが取れていて感心させられた。

エンディング・クレジットの際に、演じた俳優たちと実在人物たちとの写真を並べたスライドショーみたいなものが映し出されるのもナイスなアイディア。
ちなみに、出演陣にはとても多くのTV俳優たちが起用されているのも、個人的には嬉しかった。いつもはTVというsmall screenを活躍の場にしている俳優たちが、ハリウッドのA級作品に出ている!という感じで、一所懸命仕事していたんだろうなあ、なんて想像できて嬉しかった。

追記:6人の大使館員役の1人は「ゴシップガール」のレイトン・ミースターが演じていると思い込んでいたら、全然違う人でした。あちゃあ~~~(汗)ということで、そのように書いた部分を削除しました。ミースターだと思い込んでいた女優さんはケリー・ビシェというアメリカでも日本でもあまり知られていない人です。

オリジナル予告編:



日本語予告編はコチラ:



Tuesday, October 2, 2012

R.I.P. Yvonne...


先週末の9月29日、娘のバレエ学校Westside BalletのDirector(校長先生)、イヴォンヌ・モンジーが亡くなった。享年93。

イヴォンヌは、1919年9月、南アフリカ生まれ。
7歳でバレエを始め、16歳の時にイギリスに渡って本格的にバレエを学び、最初はバレエ・リュスのレオニード・マシーンに見出され、次いでニューヨーク・シティ・バレエが出来る時に創始者のジョージ・バランシンに乞われてNYCBに入団。バランシン振り付けによる「放蕩息子」のサイレーン(上の写真)や「くるみ割り人形」のスパニッシュなど、長身好みのバランシンにぴったりのグラマラスな役が得意だったという。

現役のバレリーナを引退した後、1967年に、ロイヤル・バレエ出身のローズマリー・ヴァラリと2人でWestside Balletを創立。以降、45年間に渡って、出身バレエ団のニューヨーク・シティ・バレエはもちろん、アメリカン・バレエ・シアター、サンフランシスコ・バレエ、パシフィック・ノースウェスト・バレエ、ボリショイなどなど、国内外の有名バレエ団に卒業生を送り出し続けてきた。
Westside Balletの教師たちも、そのほとんどがイヴォンヌの教え子たちである。

イヴォンヌは、92歳だった今年の6月まで、週2回、最上級クラスを教えて来た。若い時にバレエで鍛えてあると、こんなにも美しく歳を重ねることができるのかと思わせられる優雅な姿には誰でもが感嘆の視線をおくっていたものだった。

80年以上に渡ってバレエ一筋で生きてきたイヴォンヌ。こんなアーティストに出会えて、娘も私も本当に幸せだったと思う。


イヴォンヌの訃報を伝えるニューヨークタイムズ紙の記事:
http://www.nytimes.com/2012/10/03/arts/dance/yvonne-mounsey-city-ballet-dancer-and-a-teacher-dies-at-93.html

10月3日になってようやく出たロサンゼルスタイムズ紙の記事:
http://www.latimes.com/news/obituaries/la-me-yvonne-mounsey-20121003,0,6481265.story

イヴォンヌについてのドキュメンタリー映像


Friday, September 21, 2012

バレエとは...


友達が見つけて、お互いの娘のために一緒に購入したTシャツ。
「Bellet, Like a Sport. Only Harder」=「バレエとはスポーツのようなものである。ただし、もっとキツイけれど」

そう、バレエって、微笑を浮かべて優雅に踊るというイメージがあるから、実際に踊ったことの無い人には、それが例えばフットボールやサッカーといったスポーツ以上の重労働だということがわからないかもしれない。
でも、ステージで踊って袖に引っ込んだばかりのバレエダンサーの近くに居たら、それがいかにハードな運動なのかというのがわかると思う。
バレエダンサーたちが痩せているのだって、食事制限をしているわけではなくて、すごい量のカロリーを燃焼しているから。あれじゃ、食べなきゃ倒れます、マジで。

私は未見なんだけど、ネットで拾った映画の台詞:

"If ballet were easy, they would call it football."
もしバレエがラクだったら、フットボールと呼ばれているわよ

ちなみに、娘は週に12時間以上踊っているということで、中学校の体育が免除されました。
アメリカでは、ある程度のレベル以上の運動、または「身体的活動」を週に10時間こなしている生徒には、体育を免除している中学校・高校が多い様子。そのあたりのフレキシビリティについては、アメリカの学校って良いな...と思います。

Thursday, September 20, 2012

THE MOB DOCTOR


「The Mob Doctor」、訳して「マフィアのドクター」。
内容は...タイトルそのまんま(笑)。窮地に立たされた弟を救ったがために地元のマフィアに貸しが出来てしまった女性医師が、マフィアのボスたちに「融通を利かす」はめになってしまうという設定で展開する新番組である。

第1回では、マフィアに都合の悪いことを暴露しようとしていた検察側の証人が緊急手術を必要として病院に運び込まれるが、担当医師になったヒロインは、件のマフィアから「彼を殺せ」という命令を受けて悩むという筋立て。初回なので、その間に、主たるキャラについてヒロインとの関係が簡単に紹介されるが、このテのドラマの定番で、ヒロインの味方キャラが8割、敵キャラが2割といった人数で登場。医療ドラマなので当然、生と死のドラマも用意されており、同時にマフィアが絡むということで、アクション・シーンも追加。このあたり、全てが予想通りの展開で、「おお~、そうきたか」という驚きが無かったのが、残念。
それと、マフィアとつながった医者が主人公という設定はユニークではあるが、今後、マフィアが出してくる要求と、主人公が持っている医者としての倫理とを、どうバランスさせてストーリーを作っていくかという課題は、非常に難しいものだと思う。

「The Mob Doctor」、第1回の視聴者数は510万人。同じ月曜日に第1回が放映された新番組「Revolution」が、その2倍以上の1160万人だったことを考えると、前途多難なスタートを切ったと言えよう。


Wednesday, September 19, 2012

REVOLUTION


J・J・エイブラムスが製作総指揮を務めている新番組「Revolution」のパイロット(第1話)を観た。

「Revolution」は、或る日突然、地球上の全てのエネルギー源が消滅してしまった中でサバイバルしていく人々を描くドラマだが、第1話では、きっと、半分ぐらいの時間を費やして“謎の永久停電”に至るまでの登場人物たちの紹介をしてから、停電が起き、その15年後の主人公たちを少し紹介して第2話に至るのかと予想していたら、あっという間に停電が起きたかと思ったら、その後すぐに15年後に話が飛ぶ、という、スピーディな展開にまず驚かされた。
そんなに急がないでも~...とも思ったが、まずは、こうやってどんどん話を進めて視聴者の興味をぐっと高めてストーリーにぐいぐい惹きつけておいたうえで、登場人物の過去といった細かい話は、後で回想シーンなどで補っていく方が、ずっとメリハリのあるストーリーテリングになるという、作り手側の判断だったのかもしれない。
そして、その判断は正しかったようで、実際に第1話を観終えたところ、「うーん、それでどーなるんだっ!?」と早くもストーリーにハマってしまったTVドラマ中毒患者は私です。

それにしても、昨今の映画やTVドラマでは、世界を救う鍵を握る主人公が女性だという設定がなんと多いことか... この映画でも、世界を救う鍵を握るのは、若きヒロイン、チャーリー(若い頃のグレタ・スカッキにちょっと似ているカナダ人女優、トレイシー・スピリダコス)。弓矢の名手だという設定は、ちょっと「ハンガーゲーム」入ってる?なんて思わせられてしまう点が御愛嬌(?)ですが。

Saturday, September 15, 2012

アポストロフィー??

遠くに見えるアポストロフィー()みたいな物体、何だ、ありゃ?






近づいてみると...
ん?目がついてるかも?





その正体は...
うちのデブ猫、クロベエ(通称:クロ、またはNeko)でした。


ったく、なんちゅー格好で寝てるんだか...
モハヤ、ネコヂャナイヨ、コレハ... (^^;)

Tuesday, September 11, 2012

2012年 TV新シーズン


定期購読しているエンターテイメント・ウィークリーの秋のTV特集号が届いた。
毎年、9月になると、この特集号をじっくり読んで、新番組ではどれが要チェックか、これまで観てきた番組のシーズン・プレミアはいつなのかを把握しておくのが習慣になっている。

この9月から始まる新番組の中で、是非、パイロット(初回エピソード)をチェックしなきゃ!と思っている番組は:

Revolution
「LOST」や「エイリアス」のJ・J・エイブラムスによる近未来ドラマ。今から15年後の或る日、突然、世界は電力をはじめ、全てのエネルギー源を失ってしまうという設定で、主人公たちのサバイバルを描いているとのこと。J・Jの息がかかっているドラマは、とにかくチェックしないと。

The Mob Doctor
マフィアに借金を負った女性医師がその負債を返すために、やむを得なくマフィアのメンバーたちを診療。時には、殺人を犯す危険すら顧みない...といた内容らしい。基本的に、医療ドラマは好きではないのだが、医療ドラマにマフィアものを絡ませたというジャンル・クロッシングが面白いと思ったので、とりあえず観てみようと思っている。

Vegas
ラスベガスを舞台に、牧場主だった主人公が保安官になって犯罪と闘う、という設定のドラマ。ラスベガスには興味が無いし、主人公がウエスタンっぽいのでどうかなあ...という気がするが、主人公に、これがTVシリーズ初出演のデニス・クエイド。彼とからむ地元のマフィアにマイケル・チクリス、地方検察官にキャリー・アン・モスというキャスティングに魅かれて、これもとりあえず観てみようかと。

Elementary
現代を舞台にしてシャーロック・ホームズの活躍を描くBBCの「SHERLOCK(シャーロック)」にインスパイアされて、ニューヨークを舞台に変えたアメリカ版モダン・シャーローック・ホームズ・ドラマ。(って、我ながら凄い表現だね...)ホームズを演じるのは、ジョニー・リー・ミラー(「トレイン・スポッティング」)。ワトソンは、なんと女性に変えて、ルーシー・リュー(「チャーリーズ・エンジェル」)がキャストされている。このアメリカ版リメイクの話を、「SHERLOCK」のファンだという英国人の友人に教えたら「My God... How awful!」なんて言っていたけれど、名探偵ものの大ファンとしては、見逃せない新番組でしょう。

あと、「666 Park Avenue」という「『ローズマリーの赤ちゃん』と『シャイニング』を足して2で割ったような」というホラー・ドラマがあるのだが、去年、「アメリカン・ホラー・ストーリー」を勇を鼓して観始めたものの、あまりの怖さに耐えられず脱落した苦い経験があるので、どうしよう...と悩んでいる。

前から継続しているドラマで、情け容赦無いアメリカのTV界で生き残っている(苦笑)番組の中で、我が家で観ているのは:
「BONES」
CSI:科学捜査班
PERSON of INTEREST 犯罪予知ユニット
glee/グリー
FRINGE
「Once Upon A Time」

この6本に新番組を加えると計10本になるが、新番組4本のうち何本が生き残れるか...?(キャンセルになる番組もあれば、私たちがシーズン途中で見切りをつけてしまうケースもあるのだけれど...)

Monday, September 3, 2012

ROBOT & FRANK


Labor Dayという夏の最後を記す国民の祝日の三連休に友達一家と「ROBOT & FRANK」という映画を観に行った。

時は「近未来」。主人公は独り暮らしをしている70代のフランク(フランク・ランジェラ)。フランクは30年前に妻と離婚。息子(ジェームズ・マースデン)は結婚して車で2時間ちょっとほど離れているところに暮らし、娘(リヴ・タイラー)はトラベルライターで世界中を旅して回っている。
最近、物忘れがひどくなり、家の中もろくに片付けられなくなっているフランクを心配した息子は、或る日、家事手伝いをするロボット(声:ピーター・サースガード)を父に調達してくる。
フランクは「冗談だろ。そいつなんか置いておいたら、寝てる間に殺されるのがオチだ」と憮然とし、最初はロボットに対して無視したり攻撃したりする態度に出るが、次第にその便利さもわかってくるようになる。
フランクの数少ない楽しみの1つは、地元の図書館に通って本を借り、若くはないが魅力的な司書(スーザン・サランドン)と会話をすること。しかし、本はダウンロードして読むのが普通になって、実際に本を借りる人など居なくなった時代になり、図書館は閉館することになってしまう。
「アクティビティは老化を防ぐから」ということでフランクにガーデニングを推奨するロボットに対し、フランクは現役時代のスキルを活かした別のアクティビティを提案する...

「ROBOT & FRANK」の最大の魅力はフランク・ランジェラだ。老いていく自分に対しての苛立ち、息子や娘が自分のことを理解してくれないことへのもどかしさ、ロボットに対しての感情の変化などを、実にデリケートで微妙なニュアンスを含む演技で見事に体言している。
アカデミー賞主演男優賞にノミネートされて然るべき演技だと思う。

脚本も実に良く書けている。大笑いさせられるシーンも多くあるが、それでいてコミカル過ぎず、ホロリとさせられるところもセンチメンタルにはしること無く、こちらの心にじわ~~~と沁みるストーリーになっているのに感心させられた。

監督は、ジェイク・シュレイヤーという人。脚本を書いたクリストファー・D・フォードと共に本作が劇場用長編映画の第1作めだというのが信じられないぐらい上質な仕事をしている。

アメリカ映画は金だけはかかっているが幼稚な駄作ばかりだ、と嘆く映画ファンには、是非、観てもらいたい作品である。

*このブログで映画やTVの紹介をする際は予告編のクリップも載せるようにしているが、「ROBOT & FRANK」の予告編は、あまりにも内容を明らかにし過ぎなので、載せないことにした。アメリカでの配給を担当しているコロンビア・ピクチャーズは、この映画のハイライトをエサに客を呼び込もうとしているのだろうが、ネタバレもいいところである。Shame on them!

Saturday, September 1, 2012

PERCEPTION

左からレイチェル・リー・クック、エリック・ マコーマック、アージェイ・スミス

TV番組をデジタル録画できるDVRがいきなり壊れてしまい、観ようと思って録っておいた番組が全てパーになってしまい大ショック。
まあ、最近では大抵のTVドラマはDVD化されるし、局によっては再放映もあったりするので、いつかは観られることもあるのだろうけれど、困ったのは9月中旬になるまではTVの新シーズンが始まらないゆえ、暇な夜にスイーツやスナックを食べながら観るものが無くなってしまったこと。

そこで、ハリウッド・フォーレン・プレスのメンバーで映画ライター仲間のKさんからいただいたTVドラマのサンプル・エピソードが入ったDVDを観ることにして、この夏から始まった「PERCEPTION」というドラマを選んでみた。

Perception、すなわち知覚というタイトルのこのドラマの主人公は、Dr.ダニエル・ピアース(「ウィル&グレイス」のエリック・マコーマック)。優秀な神経科学者だが、自身も軽い精神分裂病にかかっており、日常的に幻覚をみる。
そんな不安定な彼をサポートするのは、アシスタントのマックス・ルウィッキ(アージェイ・スミス)。エキセントリックなピアースに辛抱強く付き合うが、ピアースが法外な言動にはしるとキレることも。
第1話では、大学で教鞭をとるピアースに、かつての教え子で今はFBIのエージェントになったケイト・モレッティ(久しぶりに見た!レイチェル・リー・クック)が訪ねてきて、ピアースの専門知識を活かして捜査に協力して欲しいと頼み込んでくる。
ピアースの助力で見事、事件は解決し、それ以来、ピアースは特別顧問的な役割でFBIの捜査に参加することになる。

「PERCEPTION」は、エキセントリックな探偵が事件を解決する、いわゆるシャーロック・ホームズ・タイプの犯罪ドラマである。古くは「刑事コロンボ」、最近では「メンタリスト」といったドラマに近い。キャラ的には、ちょっと精神がイカれている天才科学者という点で「フリンジ」のDr.ビショップに最も近いものがあるかもしれない。
ピアースの強みは、潜在意識から生まれる幻覚である。事件に関連した要素を持ち合わせている人物の幻覚が、彼の前に現れ、事件解決のヒントを示唆する。犯人からの暗号を解かねばならないエピソード「Cipher」では第二次大戦中の英国軍の暗号解読係(「プリンセス・ブライド」のケリー・エルウィスがゲスト出演!)が登場したり、宗教団体が絡む事件を描く「Messennger」ではジャンヌ・ダルクが登場したりする。
お懐かし、ケイリー・エルウィス(左)

中には、多少、御都合主義的にストーリーが展開するエピソードもあったが、毎回、ピアースの前にどんな幻覚が登場してどのように事件解決に役立っていくのかを見ていくだけでも結構面白い。また、本物の医者が観たら噴飯ものだったりするのかもしれないが、脳や神経を取り巻くトリビアも、人体や医学に関心のある私には興味深かったりする。(例えば、昏睡状態に陥った被害者の脳をスキャンしながら、質問をして「Yesだったら野球のボールを投げることを考え、Noだったら『ハッピーバースデー』を歌うことを考えてください」と指示する。野球のボールを投げることを考える時と歌を歌うことを考える時では、使う脳の部位が違うから、スキャンされた脳で違うところが反応しているのを使って、返事を解読する、というわけである。)

「Perception」の放映局はTNT。HBOやShowtime、AMCなどのオリジナル・シリーズとは、質の点で格段の差はあるが、平日の夜11時とかに疲れた頭で観るにはちょうど良い程度の娯楽番組だと思う。

Thursday, August 30, 2012

PARANORMAN


娘の夏休みの最後の週、彼女がずっと観たがっていた映画「ParaNorman」を観に行った。

両親や姉と一緒に、魔女伝説が語られる小さな町で暮らしている主人公の少年ノーマンは、タイトルが示唆するようにparanormal=超常能力の持ち主。この世に未練を持つ死者たちが彷徨っているところが見えるし、彼らの声も聞こえる。が、周囲はそんな能力のことを信じないから、彼は変わり者=freakだと思われていて、学校でものけ者扱いされている。
そんなノーマンのところに、家族の間でも変わり者として敬遠され続けてきた叔父がやって来て、ノーマンこそ、自分を継いで町を守る役割を担う人間であり、日没までに魔女の埋められた所に行って本を朗読しなければならないと告げる。
半信半疑で、300年前に魔女の呪いをかけられて死んでいった7人の町民の墓で、叔父が遺していった本を読み始めるが...

ストーリーの骨子は、ノーマンが、肥満体の親友や、いじめっ子、自分を小馬鹿にしてきた姉たちの助けを借りながら、何とか町を救おうと尽力するということになるだろうが、寓話的な要素を解読していくと、「自分たちとは違うから」というだけで人を攻撃してはならない、という、いじめの問題、ゲイ差別の問題、違法移民の問題と重ね合わせていくことができる。子供向けの上質の映画には常に、子供が単純に楽しめる「おもて」のストーリーと、大人たちが観た後でじっくり考えてみたくなるような「うら」の内容がある、というのが私の持論なのだが、今回の「ParaNorman」も見事にその条件をクリア。しかも、映像デザインがユニークであるだけでなく、作り方もとても丁寧。それもそのはずで、ParaNormanは「コララインとボタンの魔女」を作ったアニメーション・スタジオ、LAIKAが製作チームに参加している。
「コラライン」が大好きだった!という人、キュートなだけのアニメーション映画では物足りない人やティム・バートンが好きな人、ちょっとブラックなアニメーションが好きな人などには、必見の映画である。
ただし、「コラライン」同様、映像的にかなり怖い場面も多いので、PGレーティングの映画ではあるが、小学校低学年の子供に見せるにはちょっと注意が必要かも…

Sunday, August 26, 2012

リドリーが撮ったトニー:Boy and Bicycle

8月19日に自ら命を絶ったトニー・スコット。ハリウッドの映画人がこぞってその死を悼んでいる。
そのニュースの1つで見つけた映像。兄のリドリー・スコットが美術大学の学生時代に作った「Boy and Bicycle」というタイトルの白黒の短編で、トニーが“主役”の少年として出演している:



このトニーは16歳。高校の制服らしきブレザーにマフラーをつけている。タバコを吸ったりしているが、まだ幼い面影が抜けていない。

観ていて、とても切なくなった。

Thursday, August 23, 2012

PREMIUM RUSH


ジョゼフ・ゴードン=レヴィットがニューヨークの街を疾走するバイク・メッセンジャー(自転車配達人)を演じているアクション・サスペンス「Premium Rush」の試写に行った。

レヴィット演じるワイリーは、命知らずのバイク・メッセンジャー。弁護士になるべく法学部に入ったものの、「スーツを着て1日中オフィスに縛り付けられているなんてゴメンだ」と言い切って、記録的な速さでニューヨークの街のA地点からB地点まで配達物を送り届ける仕事を楽しんでいる。
その日もワイリーはいつものように、「premium rush(超速達)で」というリクエストのついた封筒を中国人留学生のニモから受け取って、チャイナタウンまで届けるオーダーを受けるが、その封筒を彼から奪おうとする男に遭遇する。男はボビーというNYPDの刑事だが、チャイナタウンのギャンブルにハマった結果、莫大な額の借金を抱えている。ニモが送り出した封筒を奪還すれば、借金を帳消しにしてやるとチャイニーズ・マフィアに言われたボビーは、なんとかワイリーを止めようとするが…

ガソリン代の高騰のせいか、夏だからなのか、車が道路を支配しているここLAでさえ、最近自転車に乗っている人が目立つようになった。その大半は、時速15kmぐらいで道の端をお行儀良く走っているけれど、たまに、何の警告も無しに車線を右から左へいきなり横切ったりするサイクリストも居たりして、前方にサイクリストを見かけると緊張するし、正直、ウザイなあ…と思ったりする。
が、「Premium Rush」に登場するバイク・メッセンジャーたちの乗りっぷりを見たら、つくづくNYで車を運転していなくて良かったと、神に感謝する気持ちになること、請け合いである。ギアも無ければブレーキさえ付いていない自転車に乗る(彼曰く「ブレーキなんてあったら死ぬぞ」)ワイリーなど、赤信号だろうが交差点に突っ込んでいき、車同士の左右前後の僅かな隙間をぬって疾走する。(どこをどう駆け抜ければ事故に遭わずに済むか、一瞬のうちに判断するワイリーの頭の中をゲームのようにビジュアライズした映像が面白い。)自転車のシーンはCGには頼らず、ほとんどスタントで撮影したとのことだが、その臨場感とスピード感は特筆ものである。この映画のバイク・チェイス・シーンを観たら、普通のカー・チェイス・シーンが重く見えてしまうかもしれない。

監督は、デヴィッド・コープ。「宇宙戦争」や「スパイダーマン」の脚本を手がけた脚本家だが、「オー!マイ・ゴースト」や「シークレットウィンドウ」などの監督作品もある。
上映時間は91分。最近のハリウッド映画では、かなり短めな作品だが、そのおかげで、無駄が無く最初から最後までアクションがギッシリ詰まったタイトな娯楽作に仕上がっていると思う。

Wednesday, August 22, 2012

バレエ教室、新学年の始まり、始まり

教室のサイトより拝借

娘の教室の新学年が先週から始まりました。

娘たちのレベルは、めでたく新学期から全員、Level 6というクラスに進級。このレベルは教師陣が充実しているので嬉しいことは嬉しいのですが、スケジュールが一気に過酷になるのが心配。
もちろん、クラスを取りたいだけ取るpart-timeというステイタスでも構わないなら、週2日でも週3日でも自由に取れるのですが、12月に予定されている「くるみ割り人形」の公演や春の公演に出るためには、週6日のレッスンを取るfull-timeの生徒であることが義務付けられています。
そのLevel 6のfull-timeのスケジュールはこんな感じ:

月曜日:テクニック(普通のバレエクラス)90分、ポアント75分
火曜日:テクニック90分、ダンスコンディショニング(ピラティスのようなもの)60分
水曜日:テクニック90分、ポアント75分(ただし、このポアントはオプショナルで欠席でも可)
木曜日:テクニック90分、ジャズ60分(これもオプショナルで取らなくても可)
金曜日:テクニック90分、ポアント60分
土曜日:テクニック90分

これに加え、再来週からは土曜日の午後に「くるみ割り人形」のリハーサルが入ります。

こんなスケジュールだと、ハッキリ言って、毎日の宿題をする時間を見つけるのも大変。なので、多くの子たちが学校に体育免除の申請をして、クラスメイトたちが体育をしている時間に宿題をこなすのだとか。
うちも、現在、学校に同様の申請をしています。娘の場合は、日本語コースというのを取っている都合で、体育の時間が免除になる代わりに、毎日早朝の体育のクラスが免除になるのですが、それでも朝の45分間、余計に寝られるのは嬉しいので。

こんなに過酷なスケジュールをこなすのは、かなり大変だと思うのですが、それでも皆、full-timeで教室に通っているんですよね。やっぱり、それだけ公演の魅力って大きいのだろうなと思います。

Monday, August 20, 2012

Bunheads シーズン・フィナーレ


サマー・シーズン・ドラマとしてABCファミリー局で6月に始まった「Bunheads」は、今夜がシーズン・フィナーレ。

シーズン・フィナーレ・エピソードのタイトルは「A Nutcracker in Paradise」。パラダイスというのは、このドラマの舞台になっているカリフォルニアの架空の町。つまり、パラダイスでの「くるみ割り人形」という意味のタイトルだが、「くるみ割り人形」はアメリカでは12月に上演するのが慣わしになっているのに、ドラマ内の季節は現実の季節と一緒で8月。8月に「くるみ割り人形」??
製作者たちや脚本家としては、シーズン・フィナーレのネタとしては、一般視聴者に最も知られているバレエ「くるみ割り人形」を持ってくるのが得策だったのだろうが、少しでも「くるみ割り人形」のことを知っている人だったら「8月に『くるみ割り』なんて~~」と言われそう。というわけで、このエピソードに先駆けたエピソードでは、ヒロイン、ミシェルの義母フラニーが経営するバレエ教室では少しでもコストを抑えるために、衣装レンタル料の安い8月に「くるみ割り」を上演することになっている、という説明が加えられていた。脚本家の苦心がうかがわれる。(笑)

実は、このシーズン・フィナーレは、娘が特に楽しみしていたエピソードでもあった。
理由は、一昨年、娘の通っているバレエ教室からニューヨークシティ・バレエの付属校スクール・オブ・アメリカン・バレエの通年制に入った娘のアイドル的存在、リリカがゲスト出演しているから。
リリカの役どころは、フラニーのバレエ教室でNo.1だった生徒が「くるみ割り」のヒロイン、クララを踊らないことになって困ってしまったフラニーが助っ人として雇うエリート・バレリーナ。
娘の教室に居た頃から、とにかく素晴らしいテクニックで観客を沸かせていたリリカらしく、ピルエットやらピケターンやら、ジュテやら、これでもかというぐらい、本物のバレリーナの貫禄を見せつけるテクニックを披露。娘は超興奮状態でした。
リリカが登場するシーン。(この動画、日本でも観られると良いんだけど…)


Thursday, August 16, 2012

無言絶句…な玩具

TVを見ていた娘がいきあたったコマーシャル:



要は、犬にウ*コをさせて遊ぶという玩具。

もしかしたら、ひょっとしたら、「犬の糞の後始末を進んでやるように」という教育の意図を込めた玩具だったりするのかもしれないけど、こんなので子供が遊んでいたら、やっぱり嫌だ。

Friday, August 10, 2012

SAB Workshop レッスン見学

今日は、ニューヨークシティ・バレエの付属校School of American Ballet(SAB)のLos Angeles Workshopの最終日で、レッスン見学に行ってきた。


Level Cの生徒たち(12歳~14歳)

見学したのは、今年からWorkshopに参加したSheryl Ware先生のクラス。
娘も彼女の友達も一番気に入っている先生だったので、ラッキーだった。
シェリル先生:細くて小柄で、ちょっと日本人バレリーナに居そうなタイプ
(写真はいずれもSABのFacebookからお借りしました)

レッスンは、普段の教室のレッスンと同様、バーでのプリエから、タンデュ、フラッペといった基本動作から始まったが、シェリル先生の指示はとても的確で解りやすい。生徒たちに対しても、1人1人、差別することなくまんべんなく観ていてくれている感じ。新しい動作に移るたびに見本を見せてくれるのだが、膝から下がぐーんと反った脚に、綺麗に甲が出る足。それは見事なバレリーナの足に、目が釘付けになってしまった。立ち姿もバレリーナらしく凛としていて、見とれてしまう美しさ。

バー・レッスンはごく基本的な動きだったが、センター・レッスンに移るやいなや、いかにもバランシン・スクールという動きがガンガン出てくる。とにかく、スピードがあって、キレのある動きを要求されるパばかり。たとえば、グリッサード。普通はその意味通りglideする、つまり横に滑るような動きをするのがグリッサードなわけだが、シェリル先生が課題に出した動きをピアノの伴奏に合わせようとすると、のんびりと横に滑る暇など無い。そうやって、もたもたしている生徒が目に入るやいなや、バレエ・ピアニストを止める合図を出し、「この場合のグリッサードは横に滑るのではなく、上に飛ぶ感じで」とコツを教える。このあたりのタイミングや教え方が、実に要領を得ていて感心させられた。
それと、足さばきや動きだけでなく、音楽にきちんと乗って踊ることの大切さや、「ため」を取って踊る指導など、パフォーマンスではない普通のレッスンでも、表現力を養わせてバレエの情緒性を教えようとする姿勢にも、共感させられた。
とにかく素晴らしい先生でした。こういう先生に日頃から習えるSABの通年制の生徒たちは本当にラッキーだと思う。

SABのワークショップが終わって、7週間ぶっ続けで踊り続けたバレエの夏もひとまず終了。
今年は、教室のサマー・プログラムもSABのワークショップもかなり充実していたようで、本人も「この7週間でとても上達したような気がする」という実感が得られたそうで、親としても嬉しい限り。

来週は1週間、バレエは完全にお休みする予定だけれど、再来週の月曜日からは普段の教室でのレッスン(新レベルになって週6日、12時間の稽古量!)が始まり、8月末からは、12月に上演される毎年恒例の「くるみ割り人形」のリハーサルも始まる予定。
夏に学んだことが、秋のレッスンや「くるみ割り人形」のパフォーマンスに活かせますように…

Monday, August 6, 2012

「眠れる女と狂卓の騎士」追記:コーヒーとサンドイッチ


下の日記で書き忘れたこと。

「ミレニアム」シリーズをずっと読んできたけど、この3作目でなぜか気になったことは、登場人物たちが、やたらコーヒーを飲むこと。家に帰ればまずコーヒーを淹れ、カフェに入ってはコーヒーを注文し、オフィスに出勤したらまずコーヒーをマグに注ぐ、といった具合。
まあ、イギリスを除いてはヨーロッパ全般がコーヒー党だという印象があるので、不思議は無いのだが、それにしても、コーヒーの登場する場面の多いこと、多いこと。
そして、コーヒーのお供のように登場するのがサンドイッチ。とにかくサッと食事を済ませたい時には、サンドイッチとコーヒー。自宅で作るサンドイッチだけではなく、列車の食堂車の中でも、どこかの売店でも、注文するのは必ずサンドイッチ。何のサンドイッチであるかということまでは、全く言及されていないけれど、きっとハムかスモークされた肉類、それにチーズに、ちょっとした野菜ぐらいかと想像する。

そんなこんなでサンドイッチのことを考えていたので、今日の昼はサンドイッチ。(ただし、コーヒーは朝飲んでしまっていたのでミルクティーで代用。)
本日のサンドイッチは、娘のバレエのカープール・バディの自宅の前庭で育った完熟トマトをメインに、ハムとチーズ、レタスを添えたオープン・サンド。
まだ見ぬ遠いスウェーデンを想いながらのランチでした。

Sunday, August 5, 2012

「ミレニアム」三部作 読了


1ヶ月ほど前、娘の中学校によってリストアップされた夏休みの読書推奨書を借りに訪れた近所の図書館の日本語書の書架で、「ミレニアム」シリーズの完結編「眠れる女と狂卓の騎士」上下を見つけた時には、「Aaaaah~~~♪」という天使たちのコーラスを聞いたような心地がした。
今年の年末年始に日本に帰省した際に、年内開館最終日の図書館に駆けつけて1作目「ドラゴン・タトゥーの女」を貸し出してむさぼるように読んだ後、ロサンゼルス・シティ系列の図書館の蔵書に2作目「火と戯れる女」を見つけ出して夢中で読んでからは、3作目を読めるのは次に帰省する時だと諦めていたから。この図書館には「火と戯れる女」上下もあったので、1作目も誰かが借りているだけできっと揃っているに違いない。早川文庫版の同書は、まだ真新しく、私が貸し出し第1号だったかもしれないのも、何となく嬉しかった。

裕福なヴァンゲル家の複雑な人間関係をベースにした本格ミステリの形式を取った第1作、リスベットの過去が徐々に明らかになっていく過程をスリリングな警察小説のジャンル風にまとめた第2作、そして、前半はスパイ小説、後半は裁判物のような味付けを加えながらも、一気に大団円に到達する第3作。
もう見事としか言いようのない構成力と描写力に舌を巻きながら、もう早く次がどうなるかを知りたくてしょうがなくてもどかしい!という気持ちで読み進めながらも、これが「ミレニアム」最終章であり、リスベットのドラマを追えるのもこれが最後だと思うと寂しくて、読み終わりたくない気持ちもあって、なんとも複雑な心境で最終作を読み終えた次第。

三作三様の世界を構築することに成功している同シリーズだが、興味深かったのは、第1作の「女たちを憎む男たち」という意のスウェーデン語の原題「Män som hatar kvinnor」に呼応するかのように、第3作目の冒頭、物語が始まる前に、作者のスティーグ・ラーソンは歴史上の文献に足跡を遺しつつも滅多に語られることの無い女性戦士たちについて簡単な紹介をしていることだった。そして、それを反映して、第3作では、男性の同僚たちより優れた洞察力と行動力とで、ヒロインのリスベット・サランデルをサポートする頼もしい女性キャラクターたちが登場する。第2作で初登場した刑事ソーニャ・ムーディグ、この作品で初登場する公安警察のモニカ・フィグエローラ、リスベットがかつて務めていたミルトン・セキュリティの社員スサンヌ・リンデル、そして、ミカエル・ブルムクヴィストの妹でリスベットの弁護士になるアニカ・ジャンニーニである。リスベットも相変わらずの不屈の精神と驚くべき頭脳で闘うが、彼女ら“女戦士”たちの助力が無ければ、女たちを憎む男たちとの戦いに敗れていたかもしれないと思わせられる。これは、女性の読者たちにとっては嬉しいボーナス・ポイントだ。

題名の話が出たついでに、ちょっと面白いと思ったのは、原語のスウェーデン語版、英語版、日本語版のタイトルの付け方だった。
第1作目は、上でも言及した通り、スウェーデン版が「女たちを憎む男たち」というタイトルが付けられていたのに対し、英語版と日本語版では「ドラゴン・タトゥーの女」になっている。(英語版は「The Girl with the Dragon Tatoo」) 1作目の焦点は、リスベット・サランデルではなく、むしろミカエル・ブルムクヴィストに当たっていることを考えると、どうやってこのタイトルが付けられたのか…と不思議に思われる。(これについては、また後述することにする。)
第2作目は、スウェーデン、英語、日本語、すべて一緒。「Flickan som lekte med elden」=「The Girl Who Played with Fire」=「火と戯れる女」。これは、2作目の内容を知れば納得のタイトルだ。
一番不思議なのは、第3作目。3つの言語それぞれ、全く違ったタイトルになっているからである。原書のスウェーデン語版は「Luftslottet som sprängdes」=「爆破された天空の城」、英語版は「The Girl Who Kicked the Hornets' Nest」=「スズメバチの巣を蹴った女」。そして日本語は「眠れる女と狂卓の騎士」といった具合に。
この題名の違いについて、Nordic BookblogのPeterは、次のような分析を展開している:

(原著とは違う)2つのタイトルは、「マーケティング・メッセージ」の点で、無視できないフォーカスの転換を意味するものである。英語版では3書とも「The Girl」で始まるタイトルになっている。すなわち、読者にとってはリスベット・サランデルこそが焦点を合わせるべき重要なキャラクターであり、それは、読者がタイトルを見る際、女性版ジェームズ・ボンドのようにもなりえる女性を主人公とするミステリ・シリーズを示唆していると言えなくもない。
しかし、スウェーデン語の原書のタイトルは、1作目は女性たちを憎む男性たちについてのストーリーで、2作目は対処するには複雑すぎる事に巻き込まれてしまった女性のストーリー、そして3作目は高き場所にある構築物が爆破されてしまうストーリーというように、実際は非常に性格の違ったタイトルが付けられているのである。
(後略)

英語版とスウェーデン版の比較に留まっているこの分析に、日本語版のタイトルについての分析を加えるとすれば、日本語版ではリスベット・サランデルのことを救い出そうとする「騎士」たちの活躍に焦点が当てられていると読める。これは、チームワークを重んじる日本人にアピールするタイトルであると解釈するのは深読み過ぎるだろうか…?

私の読書傾向は極端にミステリ小説に偏っている。そして、ミステリ小説の性格上、謎解きを中心に展開するストーリーは1度読んでしまえば、もうそれで済んでしまう作品がほとんどゆえ、私は読んだ本を何度も読み返したりすることはまず無い。
例外はスティーヴン・キングの「シャイニング」で、そのエキサイティングな展開に勢いを得て一気に読んでしまったが、そのストーリーテリングの上手さをまた味わうために読み返したくなり、結局、3~4度は読んだのではないだろうか。
「ミレニアム」三部作も、最終章を読み終わった今、また最初に戻って、「ドラゴン・タトゥーの女」を読み返したい衝動にかられている。
読み捨てることが多い読書習慣の持ち主として、本はほとんど買わずもっぱら図書館を利用している私だけれど、「ミレニアム」だけは三部作全て買い揃えて、何度も読み返そうかな…と考えている。

Thursday, August 2, 2012

トータル・リコール


今日は「トータル・リコール」の試写会。

原作は言わずと知れたフィリップ・K・ディックの「追憶売ります」。1990年にポール・バーホーベンがアーノルド・シュワルツェネッガー主演で映画化しているゆえ、“リメイク”と呼ばれることも多いようだけれど、主人公の記憶が捏造されたものだという以外は、設定もかなり違っている別物映画と考えたほうが良いかもしれない。

時は2084年。世界のほとんどの地は化学物質で汚染され、人類は、英国連盟という名の近代国家と“コロニー(=植民地)”と呼ばれる混沌とした場所の2箇所に居住し、労働者階級はコロニーから英国連盟にある工場に毎日、出稼ぎに行っていた。工場で働くダグは、希望の見えない日常に嫌気が差して、“リコール”という虚偽の記憶を植えつける現実逃避的な娯楽を試してみようと思いつく。架空のアイデンティティはシークレット・エージェントということになって施術を始めようとしたその時、警察の襲撃を受け、リコールの店員は全員死亡するが、ダグは自分でも驚くような身のこなしで警官たちを全員、倒す。動揺した気持ちのまま急いで帰宅したダグは、妻に何が起きたかを話すが…

まず映画全体の印象を書くとすれば、まるでビデオゲームのような映画だということ。カメラワークも編集も、とにかくペースが速い。ビデオゲームの方が映画よりも身近なメディアだという世代には抵抗が無いのかもしれないが、根っからの映画人間の私には、血が通った人間がスクリーンに映し出されているというよりは、デジタル技術で作り出されたキャラクターが超人間的な動きをしているようにしか見えなかった。
次にコロニーの街のデザインが、「ブレードランナー」のセットをそのまま持ってきました、と聞いても驚かないぐらいそっくり。製作者たちは、おそらく同じ原作者の作品を基にした「ブレードランナー」へのオマージュのつもりで、そのようなプロダクション・デザインにしたのかもしれないが、あまりに似てい過ぎて、なんだかちょっとえげつない(?)かもと思ってしまった。
それから、アクションシーン満載で、なかなか良く出来ていたシーンもあったのだけれど、とにかく全体がデジタル・エフェクツで構築された世界というのがあからさまなので、リアリティ感覚が薄く、いまひとつ入り込めないという気がした。このあたり、クリス・ノーランなどと比べると、監督のレン・ワイズマンは、まだまだ「格」がずっと下だなあ…と思わざるを得なかった。

Wednesday, August 1, 2012

SAB Los Angeles Workshop for Young Dancers 2012


SABことスクール・オブ・アメリカン・バレエの「若いダンサーたちのためのロサンゼルス・ワークショップ」が一昨日の月曜日から始まった。(このワークショップについての説明はこちら。去年のワークショップについてはこちら
今年も、スケジュールは去年と同じ。指導陣は、去年も教えに来たDarci KistlerKatrina Killian、それと、去年来たSean Laveryに代わり、Sheryl Wareという先生が来ているとのこと。

今年も80人ほどの生徒を3つのレベルに分けているが、今年は11歳~12歳の応募者・合格者が多かったのか、Level Aは10歳~11歳半、Level Bは11歳半~12歳半、Level Cは12歳半~14歳という分け方になっている。ただし、去年は完全に誕生日で分けられていたのだが、今年は、初日のPlacement Classで、Level Cに入れられていた生徒が5人ばかりLevel Bに下げられていたとのこと。幸い、娘はそのままLevel Cに残らせてもらったが、自分より半年ほど年長のクラスメイトが1人、Level Bに下げられてショックを受けた様子だったとか。

最初の3日間のレッスンを受けた感じでは、難易度は去年と変わらない気がする、と。まあ、娘たち(娘のクラスメイトでは、去年受講した生徒は1人を除き、全員参加。さらに2人のクラスメイトが今年は補欠合格をもらって参加しているとのこと)も、それなりに進歩しているだろうから、去年のLevel Bよりは難しい事をやらされているのだろうとは思うけれど。(っていうか、そうじゃなかったら困る~~~)
ちなみに、参加費は去年より100ドル上がって、10日間(月~金で2週間)で1100ドルなり。(その他に、登録料75ドルが必要)

Friday, July 27, 2012

サマー・プログラム パフォーマンス

チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ、ヴァリエーション

娘の通っている教室の5週間に渡るサマー・プログラムも今週で終わり。
最終日(娘のレベルは明日の土曜日が最終日だけど)の今日は、スタジオでパフォーマンスがあった。

娘が受講したLevel Cは、「ラ・バヤデール」第二幕「影の王国」後半のコール・ドと、ジャズ、モダン、フラメンコを全員で踊り、ヴァリエーションは、クラス内で一番上手い子が「ラ・バヤデール」のガムザッティのソロを1人で踊り、残りの子たちは、「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」のヴァリエーションと「白鳥の湖」第一幕、パ・ド・トロワの第4ヴァリエーションとの2つの踊りに分けられ、娘は希望通り「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」を踊らせてもらうことができた。
この「チャイ・パ」(と子供たちは呼んでいた)は、7月15日付けの日記でも書いたように、ものすごくテンポの速い曲なのだけれど、さすがバランシン系の教室だけあって、しっかり指導してくれたようで、8人全員、とりあえずテンポに遅れず踊ることが出来て、めでたし、めでたし。

教室で一番サイズの大きいスタジオで行なわれたカジュアルなパフォーマンスだったけれど、先生方は、それぞれ衣装を工夫してくださるなどして、なかなか見応えのあるショーになっていたと思う。

サマープログラムはこれで終了。月曜日からは、SABのワークショップが始まる。
バレエ漬けの夏もあと2週間。頑張れ~!

Tuesday, July 24, 2012

Ruby Sparks(邦題:ルビー・スパークス)


「バットマン ライジング」を観た翌日は、「Ruby Sparks」という独立プロダクション系作品の試写を観に行った。

Ruby Sparksの主人公カルヴィンは、19歳の時に発表した小説で天才の出現のようにセンセーションを巻き起こしたが、その後10年間、さっぱりとインスピレーションがわかず、“一発屋”で終わる危惧にさいなまれていた。そんな或る日、カルヴィンは、夢で会った“理想の女性”、ルビー・スパークスを主人公にした小説を書くことを思いつき、久しぶりに経験する執筆意欲に燃えてタイプライターを叩き始める。ところが、数日後の朝、いつものように目覚めて2階の寝室から降りてきたカルヴィンをキッチンで迎えたのは、なんとルビーだった。ごく当たり前のように「朝ごはんに卵料理を作っているんだけど」とカルヴィンに話しかけるルビーに、腰を抜かすカルヴィン。「まだ夢を見ているに違いない」と呟くが、ルビーは現実の存在になってしまったのだった…

自分の想像の産物に恋をするというのは、ピュグマリオンの神話にも登場するストーリーで決して新味のあるものではないが、脚本を書いて主演もこなすゾウイ・カザン(「エデンの東」などで知られる名監督エリア・カザンの孫娘でもある)の天真爛漫なルビーと、ウッディ・アレンの若い頃を思わせるところもあるポール・ダノのカルヴィンの演技がとても自然で、観ていて心地良かった。(カザンとダノは実生活でも恋人同士なので相性がバッチリなのは当然といえば当然なのだけれど)

監督は、「リトル・ミス・サンシャイン」のコンビ、ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス。そういえば、「リトル・ミス・サンシャイン」はふてくされた青年役を演じたダノの出世作でもありました。

Monday, July 23, 2012

映画仲間として順調に成長してます

先日の「ダークナイト・ライジング」の試写は、娘を連れて行きました。
本当は一家3人で行きたかったんだけど、招待は2名様。ごり押しで3人で来ちゃうジャーナリストも居るけれど、「ダークナイト・ライジング」は超期待昨だから受付で断られてしまう可能性も大なので我慢…

映画が終わった後、ユニバーサル・スタジオに隣接するユニバーサル・シティウォークから自宅までの40分ほどのドライブの間ずっと、娘と私は「ダークナイト・ライジング」についてしゃべりっぱなし。「ああいうひねりがあるとは思わなかったよね~」、「でも、**のところでちょっとアレ?とは思ったよ」、「でも、あの伏線の引き方は上手かったよね」、「うん、うん、あれが無かったらずるされた感じ」、「そうそう、ベーンの子分で出てきた人、どこかで観たことあるんだけど」、「ああ、あの人、TVのNo Ordinary Familyで悪役やってた人だよ」、「あ~!そうだ~!」、「でも、クリストファー・ノーランってやっぱり凄いよね~」、「ノーランといえば、『インセプション』に出ていた俳優が3人も出てるけどわかった?」、「えーと、若い警官していた人はわかったけど…」、「ベーンの人はホラ、変装の名人みたいな人が居たじゃん?」、「あ~、でもマスクしてたからわからないよ~」、「そうだね。じゃあ、あの女の人は?」、「アン・ハサウェイじゃないほうの人?うーん」、「ディカプリオの奥さんしていた人だよ」、「あ、そっか~」。

こういう会話を娘としたかったのよ~~~~~~

娘は、最近、Entertainment Weeklyを毎週、読んでいて、封切りになったばかりの映画のことなんて、親たちより詳しかったりするし。
順調に映画仲間として成長しているようで、映画オタクとしては非常に幸せなのであります。
12歳の愛読誌…

Wednesday, July 18, 2012

THE DARK KNIGHT RISES ダークナイト ライジング


今夕は「ダークナイト ライジング」を試写で観てきました。

うーーーーん、面白かった!!さすがクリス・ノーランという映画作りでした。
ダークナイト、つまり我らがバットマンが再起していく過程が、ブルース・ウェインのスピリットの点からも、見せ場のアクション・シーンからも、見事に描かれていました。
スペシャル・エフェクツも駆使されているのだかれど、「インセプション」の時に感じたのと同様、ノーランが使うとしっかり重力が感じられるのが凄いなあ…と改めて感心。
それと同時に、往年の映画の決闘シーンのような肉弾戦、身体と身体のぶつかり合いみたいなシーンもしっかりあって、そういう所も今どきのアクション映画には欠けていたりするので、ポイント高かったです。

あとは、悪役が素晴らしかった。ヒース・レジャーのジョーカーのぶっちぎれ方も凄かったけど、トム・ハーディのベインの存在感も半端じゃないです。彼の正体が判るクライマックスの伏線の引き方も上手かったし。

マイケル・ケイン、モーガン・フリーマン、ゲイリー・オールドマンのブルース・ウェインを支えるオヤジ3人組も、相変わらず良い味出してます。もし、ノーラン降板と共に彼らも引退してしまうとしたら、すごく残念…

個人的に1つだけ残念だった点は、架空のゴッサム・シティのロケーションに、ニューヨークとロサンゼルスを両方使っていることでしょうか。遠景の撮影は明らかにニューヨークのスカイラインを使っているのに、実際に道路のレベルではロサンゼルスのダウンタウンが多用されていて、「どっちか1つに統一しろよ~~~」とブツブツ言いたくなりました。ま、細かいディテールですが、ノーランにしては、ちょっとズボラなロケーションのチョイスだと思わざるを得なかったので。

Sunday, July 15, 2012

ヴァリエーションのクラス

6月27日付けの日記で書いた娘の教室のサマープログラム、Level Cではヴァリエーションのクラスがあって、1週目はニューヨークシティ・バレエから招かれたタイラーが「くるみ割り人形」のデュードロップ・フェアリーを教えたそうなのですが、翌週から教室の先生による指導に変わり、ヴァリエーションも「ラ・バヤデール」からのガムザッティのヴァリエーションと、バランシン振り付けによる「チャイコフスキー・パドドゥ」からのヴァリエーションを習っているそうです。

バレエは好きだけどあくまで素人の私には馴染みの無いヴァリエーションだったので、YouTubeで検索してみたら

「ガムザッティのヴァリエーション」


「チャイコフスキー・パドドゥ ヴァリエーション」


ひ、ひょえ~~。
もちろん、この画像はいずれもトップクラスのプロのバレリーナが踊っているものだから、娘たちの踊りとは比べ物にならないのは明らか…ですが、まがりなりにも、こういう振り付けを踊らせると聞いて、ビックリ。背伸びし過ぎなんじゃないかなあ。

Monday, July 9, 2012

ソーキンも筆の誤り?:THE NEWSROOM


「ソーシャル・ネットワーク」でアカデミー賞を受賞したアーロン・ソーキンがHBOと組んでサマーシーズンに放映開始した「The Newsroom」を観ている。

「The Newsroom」のストーリーの舞台となるのは、ニューヨークにある架空のケーブル局ACN(Atlantic Cable News)。CNNをライバル視しているニュース専門ケーブルステーションである。
主役は、「ニュース・ナイト」という報道番組のアンカー兼編集主幹を務めるウィル・マカヴォイ(ジェフ・ダニエルズ)。中道保守派のウィルは「誰に対しても嫌な事は言わない」アンカーとして定評があったが、大学で行われたパネルディスカッションにゲストとして参加中、突然キレてアメリカという国に対する不満をぶちまけ、神経衰弱になったとして休暇を取らされる。
数週間後、職場に復帰してみると、自分の番組を担当していたプロデューサーは新番組の担当になり、新しいプロデューサーにはかつての恋人マッケンジー(エミリー・モーティマー)が務めることになって現場は気まずい雰囲気に...

こんな調子で始まる初回エピソードは、BPのメキシコ湾原油流出事故の報道をめぐって一気にエキサイティングな展開を見せ、「これは期待できるドラマになりそう♪」と思って楽しみにしていたのだが、第2話は、登場人物たちがどうでも良い内容の会話を延々と交わす、無理やりコミカルな展開にする、頭の良いはずの登場人物がどう見ても単細胞的な行為だとしか思えない行動を取る、TVドラマだということを差し引いても観ているこっちが気恥ずかしくなるようなクサイ言葉を並び立てる、と、頭の悪い脚本家が書いたような出来のドラマになっていてビックリ。
アーロン・ソーキン、どうしちゃったんでしょう?

まあ、TVサイトの視聴者のレビューでは、第1話が10点満点の8.2点、第2話が7.0点、昨日放映された第3話が7.6点(ちょうど他の2エピソードの中間の出来?)となっていて、少しはクオリティが持ち直しているようなので、もう少し観続けていこうと思っている。

「ザ・ワイヤー」や「ザ・ソプラノズ」といったハイ・クオリティなドラマを製作することで有名なHBOも、最近は「マッドメン」や「ブレーキング・バッド」、「ウォーキング・デッド」などの秀作ドラマを次々と製作しているAMCに追いつかれている感があるので、「The Newsroom」にも頑張ってもらいたいものです。

家族でサイクリング

春の公演のリハーサル期間中に膝を痛めたものの、完治しないままサマープログラムが始まってしまった娘は、先々週からフィジカル・セラピーに通い始めた。
そのフィジカル・セラピーの先生に薦められたのは、自転車乗り。自転車に乗ると大腿四頭筋(腿の前側の筋肉)が強化され、膝の負担を減らしてくれるのだとのこと。

日本、特に東京だと自転車に乗っていない子供の方が少ないぐらいだろうけれど、どこに行くにも車で移動することがほとんどのロサンゼルスでは、普段は自転車に乗らないという子供も多い。うちの娘も例外ではなく、小学校低学年のうちは遊びの一環でダディと家の近所を自転車で乗り回したこともあったものの、その頃の自転車はとっくに小さくなってしまい、ここ2~3年は全く自転車に乗っていなかった。
フィジカル・セラピーのクリニックではバイク・マシーンで自転車こぎのワークアウトをしているけれど、家の近くにはバヨーナ・クリークという小さな川沿いにサイクリング・ロード(英語ではbike path)があって、ビーチまで行けるという環境なのだから、せっかくだからこの際、自転車を買ってあげることにした。

車社会のロサンゼルスだけど、最近はガソリン代高騰とエコ意識の高まりから、自転車に乗る人が急増。自転車屋さんも結構な数があるので、レビューサイトをチェックしたら、なんと家の近所に5☆レーティングの自転車屋さんがあるではありませんか。
そこで娘用の自転車を買ったものの、よく考えてみたら我が家には乗れる自転車はあと1台あるだけ。この1台、元々は私用に買ったのだけれど、配偶者の安物自転車(10年前ヤードセールにて20ドルで購入)が壊れて以来、配偶者の毎朝のエクササイズに使われっぱなしだった。そこで、自転車屋さんイチオシのモデルの自転車を配偶者サイズでも購入。予定していた出費の2倍になっちゃって今月の家計は厳しいことになりそうだけど、配偶者の唯一のエクササイズの道具なのでしょうがないか。
買った自転車、父娘で御揃いの2台。

私の自転車もチューンアップしてもらって、日曜日、遅い朝ごはん(メニューはダディ御得意のクレープ♪)を食べた後、早速バヨーナ・クリークのbike pathで親子3人、久しぶりのサイクリング。雲ひとつ無い天気だったけど、自転車乗りには暑過ぎず寒過ぎずのちょうど良い気候でありました。昨日は、娘と私にとっては久しぶりの自転車乗りなので往復8km程度に軽く乗っておしまい。これからは毎日曜日の習慣にしたいなあ...と思っています。

Wednesday, July 4, 2012

久しぶりの7月4日

今日は、アメリカの独立記念日、July 4th。2006年から去年までの6年間は、娘と私は日本に夏休み帰省していたけれど、今年は久しぶりにLAで過ごすことになったので、我が家の近隣の人たちが集まるブロック・パーティ(地元警察の許可を得て、道路にテントを張ってテーブルや椅子を出し、食べ物、飲み物を持ち寄って、地元民バンドが音楽を演奏したりするパーティ)に参加。
サンタモニカに住む友人一家も招待して、彼らが持ってきてくれたカップケーキを子供たちが中心になってデコレーション。
テーマは一応、アメリカンだったんだけど、茶目っ気たっぷりな友人一家のお父さんがわざとソ連の国旗の図柄を模して「USSR」なんて書かれたカップケーキを作ったのをきっかけに、日の丸のパターンのケーキやユニオンジャック、フランスの国旗を模したデコレーションまで混ざるインターナショナルなカップケーキになりました。まあ、これも様々な国籍の人が住むLAには相応しいかな、と。

このカップケーキとスイカ(日本のスイカを横に2個並べたぐらいのサイズ!)を持参して、パーティに参加。
ホットドッグを食べたり
パイ食い競争(クリームを塗りたくったパイの中に隠されたチューインガムを手を使わずに探し出して一番に膨らませた子が勝つというルールになっていました)に参加したり
と、いかにもアメリカンなことをして午後を過ごし、日が暮れてからは一軒置いたお隣さんのパーティに御邪魔して、バーベキューやらポテトサラダやら豆の煮込みやら、これまたアメリカンな食べ物を御馳走になり、最後は近くの高校の校庭から打ち上げられる花火を観ておしまい。

アメリカで育ったわけでもなく、国民でもない私にとって、独立記念日は何となく醒めた気持ちになるホリデーではありますが、たまにはアメリカ人たちに付き合って、アメリカンな事をしてみるのも悪くはないと思った1日でした。