Monday, May 26, 2014

「ゴジラ」2014年版


ワーナーブラザース製作による「GODZILLA ゴジラ」を観に行った。
感想を一言で言えば、1998年版の「GODZILLA」よりは遥かにマシな作品だったけれど、大満足できる出来でもなかった。

一番の問題点はストーリー展開のテンポ。こういう映画は小気味良く話が展開していかないと観客が映画の世界に入り込んでいきづらい。広義のパニック映画である「ゴジラ」に人間ドラマが欠かせないのは解るけれど、主役はあくまでゴジラなんだから、彼(?)を中心にして快調なテンポで進むストーリーにして欲しかった。
その主役ゴジラの造形は合格点だったと思う。フルショットで初めて登場したシーンには思わず「イェイ〜!」と言いたくなったし。(笑)ただ、その対戦相手のモンスター、MUTO (=Massive Unidentified Terrestrial Organism)の造形はいただけなかったですね。カマキリを思わせるクリーチャーなんだけど、身体のテクスチャーが妙に金属っぽくて、organisum=生命体というよりはマシーン的な存在に見えてしまって。

ところで、アメリカの街中で見かけた「ゴジラ」のポスターはなかなか良かった。それぞれ、GODZILLAという英語表記に加えて縦書きで「ゴジラ」とカタカナ表記されていたのは、東宝のオリジナル版に対するハリウッドの敬意の表れとも読めて、ゴジラ氏と同じ日本出身の私は誇らしい気持ちになったりしたのでした。

*街中で見かけた「ゴジラ」のポスターのいくつかの例

レトロな日本の怪獣映画っぽいデザインがナイス

花札風?(笑)

棟方志功風。(ウソ)
背びれ(?)が「GODZILLA」という文字になっているのが面白い





Friday, May 23, 2014

春公演

先週末、娘のバレエ教室の春公演がありました。

会場は、去年の「くるみ割り人形」と同じ、サンタモニカのブロード・ステージで1時と5時の回、2回ありましたが、両回ともほぼ満席の盛況でした。

今年の春公演は第一部がネオクラシカル・スタイルのバレエ、第二部が古典作品「眠れる森の美女」の第三幕「オーロラの結婚」という構成。

最初の作品は、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の舞踊科で教授を務め、週1回、教室にレパトワール(バリエーション)を教えに来る先生の振付作品「ヘンデル・ダンス」。踊ったのは15歳〜18歳の最上級生たち。バレエのボキャブラリーを使いながらも、腕のポジションや足さばきがコンテンポラリーなアレンジになっています。

「ヘンデル・ダンス」 撮影:トッド・レクティック

次は、娘たちが一昨年の春公演で踊った、故イヴォンヌ先生振付による「ファウスト」。
踊ったのは娘たちより1つレベル下の12歳〜14歳の9人。初々しいピンク色の衣装に似つかわしい可愛らしいダンスです。曲はグノーの「ファウスト」。

「ファウスト」 撮影:トッド・レクティック

3曲めは、ジョージ・バランシン振付による「ワルツ・ファンタジー」(女性3人、男性1人で踊る1953年版)。娘は夜の回にキャストされました。今回踊る3演目の中で最も高度な技術が要求されるし、一緒に踊るのが1つレベル上の上級生たちだったので、プレッシャーもかなりのものだったようです。大きな失敗は無く踊れてはいましたが、自分として最大のチャレンジだった速いテンポでのダブルピルエットとシェネが今ひとつ上手く出来なかったのが、口惜しかった様子。でも、そうやって本番に実力を出し切れないでガッカリするのも良い経験でしょう。

「ワルツ・ファンタジー」 撮影:トッド・レクティック

4曲目は、今年の春公演の目玉的存在の「プレリュード」。ヒューストン・バレエを主宰していたベン・スティーヴンソンが同バレエ団のために振り付けた作品で、踊ったのはバレエ教室での娘の親友のSちゃん。御相手はプロのゲストダンサー。Sちゃんは、去年に引き続き今年も、サンフランシスコバレエのサマー・インテンシブにフル・スカラシップをオファーされて参加するNO.1のスター・ステューデント。175cmの長身痩躯で、甲と膝がぐっとしなる脚と二重関節の柔軟性を兼ね備えた理想のバレエボディの持ち主です。16歳とは思えない叙情性豊かな踊りに、夜の回では私たちを含めた多くの観客が思わずスタンディング・オベーションをしてしまう素晴らしさでした。

超美しいっ!Sちゃんの「プレリュード」
撮影:トッド・レクティック

第一部最後の演目は、教室で唯一のジャズのクラスを教えている先生が振り付けた「キャバレー」。ボブ・フォッシーのミュージカルをアレンジして、上級クラスの生徒たちは黒く塗ったポアントシューズで踊っています。娘は、クラスメイトの子と2人で主役の男の子にからむダンサー2人組のようなセンターの役をもらって、オオゲサな演技でノリノリのパフォーマンスでした。多分、一番楽しい演目だったのではないかと思います。

ジャズの演目「キャバレー」
衣装は1920年代のフラッパー・ガール風。
カツラを付けて、網タイツ履いて、コスプレ気分で楽しそうでした。

第二部の「眠れる森の美女」で娘が踊ったのは「パ・ド・カトル」の最初の部分。クラスメイト3人が1分ほど踊った後に登場して、30秒だけですが(笑)ソロを踊らせてもらいました。

「パ・ド・カトル」 撮影:トッド・レクティック

そしてフィナーレは、教室の生徒全員(9歳〜18歳)が出て来てにぎやかに終わります。


今年の春公演は、初めてバランシン作品を踊れたし、ジャズをポアントで踊るという貴重な経験が出来たし、初めてクラシック・チュチュを舞台で着られたし(気分はコスプレ−笑)、充実した公演でした。

いやいや、お疲れさまでした〜〜という気分になっていた私ですが、娘本人は早くも「今年の『くるみ割り』では何を踊らせてもらえるのかな〜〜♫」って... もうバレエ馬鹿もたいがいにしてくださいな。(苦笑)

Monday, May 12, 2014

スタジオ・ドレス・リハーサル

昨日の土曜日、娘のバレエ教室で春公演のスタジオ・ドレス・リハーサルがありました。
5月18日(日)の公演本番まであと1週間。ステージでリハーサルをする前に、衣装の具合や基本的な立ち位置を確認すると同時に、最初から最後まで流して、衣装の速替えのタイミングなどもみます。

第2部の「眠れる森の美女」第3幕のフィナーレが終わったところ。
先生方が直す所などを話し合い中。

昨日は、比較的暇だったので、衣装係の御手伝いをしながらリハーサルを覗いてきました。
一番、観たかったのは、娘がジョージ・バランシンの振り付けた「ワルツ・ファンタジー」(1953年版)を踊るところ。3月の日記でも書いたけれど、同曲を踊る候補6人の1人に選ばれて、結局、ダブルキャストでその6人が全員、踊れることになったのでした。娘が伝説的コリオグラファーのバランシンのオリジナル振付を踊るのはこれが初めて。嬉しさと不安の混ざった気持ちで観ましたが、ミスすることなく踊れたようでホッと一息。衣装は19世紀のイギリスの御嬢様風(ホントか?)で、バレエの衣装らしくないものですが、それなりに似合っていたと思うので(←親バカ)、ステージの上で観るのが楽しみです。

「ワルツ・ファンタジー」の衣装。専属フォトグラファーのスタジオ撮影を盗み撮り〜

もう1つ、ジャズダンスの演目、「キャバレー」も初めて観たけれど、去年の「スウィート・チャリティ」に次いでなかなか楽しい振付で、これまたステージが楽しみです。

「キャバレー」のスタート・ポジション。黒く染めたポアントシューズで踊ります。
撮影:トッド・レクティック

今週は、木曜日の午後から夜にかけて照明の具合をみるテックリハーサル。金曜日は、日中に2回、サンタモニカの小学校の小学生を招待して第2部の「眠れる森の美女」の第3幕を上演。夕方から夜には第2部のリハーサル。土曜日は午前中に全幕のリハーサルを終えた後、スタジオにてその追加練習。そして日曜日が本番2回と、4日連続、リハーサルに明け暮れる忙しい週になる予定。
母娘ともども頑張りまーす!




Tuesday, May 6, 2014

TVドラマ版「ファーゴ」


ジョエル&イーサン・コーエンのコーエン兄弟の代表作の1本に、アカデミー賞を受賞した「ファーゴ」があるが、その「ファーゴ」が20世紀フォックス系のケーブル局F/XでTVドラマ化。「ファーゴ」は大好きな映画なので、ワクワクしながら1時間半のパイロット・エピソードを観た。

「ファーゴ」のTVドラマ化といっても、コーエン兄弟の「ファーゴ」とはストーリーが違うし、登場人物も全く違う。でも、インスパイアされたドラマということで、人間的な感情を全く持ち合わせない殺し屋や、気弱なくせに人殺しに関わっていくセールスマン、田舎の警察官ながら有能な女性保安官といった映画版と重なるところのある人間たちが登場する。

例えば、レスター・ナイガード(マーティン・フリーマン)は、出世には全く縁が無さそうな保険のセールスマン。稼ぎの悪い夫に不満だらけの妻に、出来の良い弟や羽振りの良い同級生たちと比較されてネチネチと嫌みを言われる毎日をおくっている。その日も、たまたま町で、子供時代にいじめられてばかりいた同級生とその息子たちにバッタリ会ったレスターは、殴られると思って逃げようとした瞬間、店先のショーウィンドーに顔を強打するという、みっともないケガをして病院に行く。
待合室で隣りに座ったよそ者の男に聞かれるともなく、同級生の話をすると、その男は「俺だったら相手を殺してやるけどね」と事も無げに告げてレスターをビックリさせる。その男、ローン・マーヴォ(ビリー・ボブ・ソーントン)はプロの殺し屋で、病院に来たのも殺すはずだった男を車のトランクに入れて運転中、道路を横切った鹿に激突されて車はフロントガラスが割れ、自分も軽いケガを負ったからだった。
道路脇で、フロントガラスが割れた車が放置され、少し離れた林の中ではパンツ一丁の姿で凍死している男が発見され、地元警察の女性警察官モリー・ソルヴァーソン(アリソン・トルマン)と先輩格の警察官が現場を検証する。それが、犯罪などにはおよそ縁の無さそうな小さな町に累々と重なる死体の第1号になるとは夢にも思わずに...

マーティン・フリーマン。
ミネソタの片田舎のセールスマン役になりきっている。

ビリー・ボブ・ソーントン。
視線だけで殺し屋の凄みを出して巧い。

モリー役のアリソン・トルマン。
何気に優秀な女性警察官を好演。

まだ第2話までしか観ていないが、最近のアメリカのTV界の充実度を証明するドラマシリーズになりそう。