Friday, December 30, 2016

「くるみ割り人形」2016

スノウクィーンwithクララとプリンス

もう1ヶ月も前の話になってしまいますが、今年も娘のバレエ教室の「くるみ割り人形」の公演がありました。
今年は、感謝祭の週末の土日の1時と5時、翌週の金曜日の7時、土日の1時と5日と計9回の本公演に、サンタモニカの小学校の子供たちを無料招待してのダイジェスト版公演が3回、さらに一般の人たちが無料で見られる公開リハーサルが1回と計13回のパフォーマンスとなりました。

今年踊らせてもらった役は、前年同様、スノウフレイクの群舞の他、第2幕プロローグのエンジェル(センター)、スパニッシュ(サイド)、葦笛(サイド)、「花のワルツ」の群舞のリーダー、デミ・フラワーでしたが、今年はそれに葦笛のセンターと、ダイジェスト版でのスノウ・クィーン、そして「花のワルツ」のソロ、デュードロップ・フェアリーが加わったのが嬉しいキャスティングでした。
本来はパドドゥであるスノウ・クィーンの役は男性ダンサーが出なかったため、ソロの振り付けに改変しなければならなかったのですが、アーティスティック・ディレクターの先生、なんと娘に「自分で振り付けてみなさい」とパフォーマンスの数日前に言い渡し、娘は大慌てでパドドゥの振り付けを取り入れたソロを降りつけるというハプニングまでありました。彼女が過去のスノウクィーン・パドドゥのDVDと睨めっこしながら振り付けするのを見ていて気付いたのは、パドドゥって基本的にゆっくりな音楽なんですよね。男性がリフトしたり、男性の支え手でパンシェしたりアラベスクしたりする振り付けに合うようになっているから。そんな音楽でソロの振り付けにするってなかなか難題だったようですが、音楽に合う範囲でいろいろな動きを考え出して先生からも合格点をいただいたみたいでした。

2008年から踊っている「くるみ割り人形」の公演も、来年ハイスクール・シニアの年が最後になります。

Monday, December 26, 2016

アメリカTVドラマ、秋の新シーズン

更新をすごーくサボってしまった…
書こう書こうと思っていた事は少なくなかったのだけれど、なんだかバタバタして書きそびれる毎日でした。

書こうと思っていたお題の1つはTV界、秋の新シーズンから見始めたドラマについて。
1つ1つ書くと数が多くなり過ぎてしまうのでまとめてご紹介します。

まずはハマっているドラマから。

「ウエストワールド」(Westworld)

日本でも10月からスターチャンネルで放映が始まったこのドラマ、さすが最近のTVドラマ黄金時代のきっかけを作ったHBO製作のことだけはある完成度の高い作品。
タイトルからもわかるように「ウエストワールド」は、1973年に「ジュラシック・パーク」のマイケル・クライトンが脚本を書いて監督した近未来SF映画のリメイクなんだけれど、今時のCGIを駆使していて西部開拓時代を再現した擬似世界のウエストワールドがものすごくリアルに描かれている。
「ブレードランナー」にも通じるAIが行き着く先は…という寓話的要素もあって面白い。
ネットワーク局より潤沢な予算を誇るHBOだけあってキャストも超豪華。サー・アンソニー・ホプキンス、エド・ハリス、エヴァン・レイチェル・ウッド、ジェフリー・ライト、ジェームズ・マースデン、サンディ・ニュートンといった映画俳優たちが惜しげもなくキャストされている。




「サバイバー:宿命の大統領」(Designated Survivor)

こちらも日本ではNetflixで配信が始まったようですが、「24」のキーファー・サザーランドが、Designated Survivor=指名生存者といって、アメリカ合衆国の議員たちが一堂に集まる際、テロリズムなどでアメリカの政治を担う人々が全滅することを避けるため、その場に居なくても差し支えないような人物が選ばれ、秘密にされた場所で待機することになっているらしいのですが、キーファーがそのような人物に選ばれた時に、まさかの爆弾テロで大統領や副大統領を含む議員たちのほとんどが殺されてしまうという設定のドラマ。なぜだか知らないけど、常に危機一髪の状況に立たされる男を演じたら右に出る者のいない(ホントか)キーファーが、「24」の時と同様「Damn it!」とつぶやきながら孤軍奮闘しています。



「タイムレス」(Timeless)

このドラマは日本未上陸のようですが(今調べたらAXNチャンネルで4月から放映開始予定になっていました)、歴史学の教授と米軍デルタフォースのメンバー、そしてタイムマシーンを操縦する技師の3人組が、歴史を変えようとする謎の人物を追って、様々な時代にタイムトラベルするという、いわゆるタイムトラベルもの。タイムトラベルするタイミングがヒンデンブルグの大惨事だったり、リンカーン大統領暗殺の夜だったり、はたまたアラモ砦が陥落する時だったりと、常にドラマチックな瞬間だったりして、歴史物ドラマの幕内弁当のような(?)番組です。



「Bull」
タイトルのBullというのは、主人公の心理学者のジェイソン・ブルのこと。トークショー・ホストのDr.フィルをモデルにしたというDr. ブルは、裁判にかけられる被告のクライアントのために、被告に同情的になりそうな陪審員選びと陪審員たちにアピールするような弁護を指導する会社を経営。勝ち目が無さそうな被告に無罪を勝ち取るというドラマ。主役のDr.ブルを演じているのは「NCIS」を”引退”したマイケル・ウェザリー。



この他に新番組で見始めたのは、エージェント・カーターことヘイリー・アトウェルが無実の罪で刑務所に入れられたと思われる人間の無実を証明する「Conviction」、「リーサル・ウェポン」の同名TVドラマ化番組、そして「冒険野郎マクガイバー」のリメイク「MacGyver」だが、「Conviction」はシーズン1のみで終わりそうな気配だし、「リーサル・ウェポン」と「MacGyver」は配偶者がサジを投げた(?)ので、この先、見続けるかどうかは不明。

これら新番組に加えて、以前から引き続き見ているドラマは:
「ブラインドスポット タトゥーの女」、「NCIS:ニューオリンズ」、「ブラックリスト」、「Secets and Lies」(限定シリーズなので既に今シーズンは終了)、「スコーピオン」、「エレメンタリー」、「GOTHAM/ゴッサム」と、14本。1日あたり2本見ないと追いつけないスピードだけれど、締め切りがあったりする日は見られなかったりするし、14本中6本は娘も見ている番組ゆえ彼女が宿題に追われていたりすると見られないまま、どんどん録画分が貯まっていく〜〜という状況になって、我が家のDVRは常にパンク寸前状態です。(汗)

Thursday, September 29, 2016

「マグニフィセント・セブン」


先週のことになってしまうけれど、アントワーン・フークア監督の「荒野の七人」のリメイクを試写で観た。

ストーリーは、オリジナル版「荒野の七人」、そしてその元となった黒澤明の「七人の侍」同様、悪者たちに搾取されている村人をアウトロー的な寄せ集めの七人の男たちが救うというお話。
新鮮だったのは、その7人の顔ぶれが、デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、ヴィンセント・ドノフリオ、韓国人俳優イ・ビョンホン、メキシコ人俳優マヌエル・ガルシア=ルルフォ、ネイティブ・アメリカン俳優マーティン・センスマイヤーという面々であること。オリジナル版の7人が全員白人俳優だったのに対し、新版では7人中白人は3人だけという点だろう。7人が救うのも、メキシコの村ではなく西部の白人の町だし、悪者たちも白人。マイノリティ優勢の集団が弱き白人のために悪しき白人と戦うという点が2016年のアメリカ映画らしい。

「トレイニングデイ」や「イコライザー」といった都会を舞台にした犯罪アクション映画を得意とするフークアだけあって、アクションの描き方はかなり派手。古き良き西部劇を期待した向きにはしっくりこなかったのか、映画評は辛口のものも少なくないようだが、個人的には娯楽映画としてしっかり楽しめた。7人のガンマンたちの個性もそれなりに出ていたし、カッコ良かったし。
「七人の侍」はもちろん、「荒野の七人」との比較なんかしないで観れば、充分面白く観られると思う。

Thursday, September 15, 2016

HBOによる力作ドラマ:「The Night Of」


夏の間の限定シリーズ「The Night Of」を先週、観終わった。素晴らしいクオリティのドラマだった。

「The Night Of」の主人公はクイーンズに住むパキスタン系の大学生、ナズ(リズ・アーメッド)。或る夜、いとこの車でパーティに繰り出すはずだったのに、ドタキャンされてしまう。どうしてもパーティに行きたかったナズは、タクシーの運転手をしている父親と同僚2人が共同所有するタクシーを内緒で拝借してマンハッタンに向かうが、天井灯の消し方を知らないために、道に迷って停車している際に、客待ちタクシーだと思った客が乗り込んできてしまう。営業中でないことを説明して降りてもらうナズだったが、3回目、若い女性が乗り込んできた時には彼女の物憂いな美しさに魅かれてつい乗車を許す。
その女性、アンドレア(ソフィア・ブラック=デリア)は「ビーチに連れて行って」とせがむが、マンハッタンにビーチは無い。仕方ないので、 ハドソン川のほとりに連れて行く。アンドレアは、そこでナズにドラッグ(エクスタシー?)を渡す。躊躇うナズだが、アンドレアに誘われるまま飲むナズ。2人はその後、アンドレアの家に向かい、一夜を共にするが…

ナズを演じるアーメッドは、ラッパーとしてスタートしたパキスタン系のイギリス人だが、眼だけで演技できる生来の俳優。最近は、ラッパーとしての活動より俳優としての仕事の方が多いそうだが、むべなるかな。
リズ・アーメッド
眼力がすごい

アーメッドをはじめとして、「The Night Of」はとにかくキャストが素晴らしい。後にナズを弁護することになるしがない弁護士にジョン・タトゥーロとナズを追及する刑事に舞台俳優として知られるビル・キャンプが、報われることの多くない仕事なのに力のある限りを尽くさずにはいられない中年男たちを演じて、とりわけ良かった。
弁護士のジョン・ストーン役のジョン・タトゥーロ
「ザ・ソプラノズ」の故J・ガンドルフィーニが演じるはずの役だったとか

刑事デニス・ボックス役のビル・キャンプ
ストーンが”狡猾な動物のような男”と称したベテラン刑事を好演

こういう役者たちの演技を見ると、やっぱりアメリカの俳優のストックって凄いなあ、と思わざるを得ない。

「The Night Of」は、一応、犯人探しのジャンル、who-done-itに該当する推理ものゆえ、これ以上、ストーリーを語るのは”反則”になりかねないので、とりあえずHBOによる予告編のリンクを貼っておきます:



予告編を見るとわかると思うけれど、寒々しい蒼色を基調とした映像も、作品全体のムードによく合っていて賢い選択。

あと、オープニング・クレジットの音楽が私はとても好きだった。
我が家は、基本的にはドラマは録画して見るので、最初のクレジット・シークエンスはたいがい早送りするのだけれど、「The Night Of」だけは音楽が良かったので、早送り無しでした。音楽を担当しているのは、TVドラマ版「ファーゴ」の音楽を担当したジェフ・ルッソ。



オープニング・クレジットは映像も美しい。

「The Night Of」、日本でも放映されるといいのですが…

Monday, September 12, 2016

東海岸大学見学ツアー

もう1ヶ月以上前のことになってしまいますが、7月の終わりから8月にかけて、東海岸にある評判の良い大学のキャンパスを訪ねて歩きました。今年の夏は、娘がピッツバーグ・バレエのサマープログラムに参加したので、迎えに行きがてら、東海岸にある大学をまだ見たことの無い娘に見せて、大学受験準備の刺激にしようという魂胆でした。(笑)

典型的な東海岸のキャンパス風景
広々とした芝生に18~19世紀築の建物が並んでいて素敵〜

ピッツバーグのあるペンシルベニア州を出発点にして、マサチューセッツ州まで東へ車で移動して12日間で計10校の大学を見学するという強行軍でしたが、東海岸の大学のキャンパス・ツアーは私も初めてだったので、とても興味深く、勉強になりました。

どの大学も1時間ほどのインフォメーション・セッションという簡単な説明会が設けられていて、Admission Officeのスタッフが、自分の大学の特色や大学生活のハイライトを紹介します。大学によっては、在校生も参加してスタッフの人との会話スタイルで進めていくところもありました。
その前後には、キャンパス・ツアーの機会も設けられていて、在校生が1時間〜1時間半にわたって、キャンパス内を案内して回ってくれます。

どの大学もキャンパス内に居たのは2時間半〜3時間半ほどの短さではありましたが、それでも、それなりにその大学の雰囲気、スタッフや在校生のタイプといったものが感じられて、娘なりに「ここの大学は雰囲気が好き」、「ここの大学はすんなり馴染める気がする」、「ここの大学は何か違うなあ」、「ここは絶対、入りたくない」とそれぞれに感想を話してくれて、以前、訪問した大学でツアーをしてくれた在校生が、「この大学を選んだ理由は?」と聞かれた時に「ピンときたとしか言いようがない」と言っていたことを思い出しました。
確かに、どこの大学でも「matching」とか「right for you」とか、相性のことを強調するスタッフや在校生が多かったです。日本同様、アメリカでも大学ランキングといったものが存在しますが、そういうランキングの上位20〜30位ぐらいに入っている大学に関しては、5位になっていようが、15位になっていようが、教育の質には変わりがないということも聞きました。要は、自分のキャラやニーズに一番合った大学に行くのがベストということなんでしょうね。

某大学の近くのアイスクリーム屋さんにて
娘はほとんどの大学街でアイスクリームを食していました。
アイスクリームの質で大学を選んでいるという噂もアリ(笑)

Friday, September 2, 2016

ピッツバーグ・バレエ インテンシブ・サマー・プログラム

わー、なんと2ヶ月近く更新をサボっておりました〜〜。
そうしたら、ドメインを登録している会社への登録料の支払いをしていたクレジットカードが無効になっていることを忘れ、知らない間にブログのアドレスが無くなっちゃって大慌て。すぐに更新手続きを取ったのでアドレスも無事奪還できました。(知らせてくれたK子さん、どうもありがとう!)

さて、書く事はいっぱいあるのですが、まずは時系列順に、娘が参加したピッツバーグ・バレエのサマー・プログラムのことから書くことにします。

今年のサマー・プログラムは6月20日から7月23日までの5週間。内容はまあ、去年のカンザス・シティ・バレエのプログラムと似通ったものだったようですが、大きな違いは振り付けのワークショップがあったことでしょうか。また、寮生活では、普段通っているバレエ教室で仲の良いお友達とルームメイトになれたので、非常にリラックスして過ごせたようです。そのせいか、去年に比べストレスが少なかったのか、故障も少なく、フィジカルセラピストに何度か通った時にクラスを休んだぐらいで、丸1日休んだ日が全く無かったのが本人としては嬉しかったようでした。

プログラムは23日(土)に終わったのですが、その前日の金曜日の夕方に、振り付けのワークショップの発表会があったので、木曜日の深夜出発の夜行でピッツバーグまで飛び、ワークショップの発表会を見てきました。
娘の作品は、ダンサーのGちゃんが堂々と踊ってくれてソロながら迫力があってなかなか良かったです。他の生徒の作品でも、「お〜」と感心させられるものが多くて、高校生でこれだけのダンス作品が創れるなんて大したものだなあと思いました。

最終日の発表会も観に行ってきましたが、娘のレベルはクラシックは「ラ・バヤデール」とモダンの2つの演目を披露してくれました。場所は一番大きなスタジオだったものの、生徒たちの家族全員を収容するほどの座席スペースが確保できないため、各生徒の役によって午前と午後に分かれてのパフォーマンスでした。
娘はラッキーにも、午前中は「ラ・バヤデール」のデュエットの役をもらい、午後は同作のコール・ドと両方に出させてもらえたので、午前中のパフォーマンスはダンナと鑑賞し、午後は娘の友達のママに付き添う形で2度見られたのがラッキーでした。

残念ながら、パフォーマンスは写真撮影もビデオ撮影も禁止なので、載せる写真が無いので、パフォーマンス前に食べに行ったアイスクリーム屋さんの写真を載せておきます。(笑)


1923年創業のKlavon's。店内は創業当時のままのたたずまいで、素敵〜〜。
ピッツバーグ・バレエから歩いて5〜10分ぐらいの距離のところにあるので、娘たちもレッスンの合間によく通ったそうです。

Sunday, July 10, 2016

ebayの戦利品〜バッグ篇

最近、アメリカのオークション・サイト、ebayにハマっていることは5月24日付の日記に書きましたが、そこにも書いたように普段使いのバッグを探し始めました。

娘にはコーチのヴィンテージ品を買ったし、コーチのバッグは既に1個持っているので、コーチ以外のブランドで、知名度よりも質の点で評判が良いブランドで何か無いかな〜と探して見つけたのが、Furlaというブランド。日本では「フルラ」という名で知られているイタリアのブランドですが、上品なデザインと質の良さの割には他のブランド品より高くないという評判が気に入ったので。
普段使いのバッグには、お財布、カードケース、スマホ、小型の化粧ポーチ、メガネなどの他、ドクターのアポとかで待つ場合に持って行くこともある本なども入れられるそこそこのサイズのものが良いなあ〜ということで見つけたのが、下の写真右のショルダーバッグ。

アメリカではpebble leatherと呼ばれる、ザラザラした加工を加えたレザー使いのバッグです。中古だから、ところどこに擦れたところがあるものの、目立つ傷なども無いし、中張りの布はとても綺麗なので満足の品。

その横に並んでいるのは、アメリカではあまり知られていないようですが、本国イギリスと日本ではそれなりに知られているようであるブランド、Radley=ラドリーの看板商品のポケットバッグ。マスコットのわんこのタグが付いているのがとてもラブリーなブランドです。ラドリーのポケットバッグには3種類のサイズがあって、これは一番小さいサイズだけど、外側と中側にジッパー付きのポケットがあるのが便利そう。でも、これを衝動買いしてしまった最大の理由は内側の布張り。


タグのわんこと同じスコッチテリア風のわんこ模様なんですよ〜。この布張り、ラドリーの製品だと皆そうなのかと思ったら、ebayで他にも出品されていたラドリーのバッグや日本で買える新品のラドリーのバッグには無かったんですよね。そういう意味では、めっけもんだったかも?と自己満足。

という具合に、オシャレでも何でもない私は、この機会にフルラとかラドリーとか、それまでは聞いたことも無かったブランドについて学んだわけですが、リーズナブルだけど質の良いブランドということでは、やっぱりコーチが頻繁に登場。じゃあ、夏向きに明るい色のバッグが欲しいと思っていたから、それをコーチで探してみようか、と思い立ち、見つけたのが、下の写真の一番手前に写っている黄色いショルダーバッグ。


実際にはもう少し黄色味の強い色なのですが、Bleeckerというシリーズのモデルの1つみたいです。これは、競りの競争相手が8人ほど居たのですが、娘用のコーチ・バッグを競り落とした時に使ったテクニックで勝ち抜きました〜

コーチのバッグを探していた際に知ったことなのですが、コーチは偽物も結構出回っているようで、その見分け方については、日本でコーチの商品を輸入販売している業者さんのブログ「コーチ専門店『コチガル』の店長ブログ」に詳しく書いてありました。

それで、早速、すでに所有していたコーチのバッグとebayで競り落としたコーチのバッグを検証。その結果、両方とも本物のコーチ製品だということがわかってホッとしました。すでに持っていたバッグの方は、アウトレットで買ったものだったのですが、上のブログの記事に照らし合わせてみたら、本当にアウトレットで買ったことがわかる◎の印が付いていました。ただし、2つ目の製造番号の頭にFが付いていなかったし、Made in Chinaのタグに「・」も付いていなかったので、アウトレット用に作られたものではなく、正規の店で売れ残ったものがアウトレットに流れた商品だということもわかったのも良かったです。ebayで競り落とした黄色いバッグの方は、◎も「・」も無かったので正規の店で売られていたものだということも判明しました。

上にMade in Chinaと書きましたが、最近のコーチ製品はほとんどが中国製みたいで、アメリカ製のコーチが欲しいなら、20年〜30年前に売られていた真性ヴィンテージ品を探すしかないこともわかりました。
で、好奇心から何とーなくebayをブラウジングして見つけてしまった(笑)のが、上の写真の残りの2品。
一番奥に見えているのは、大ぶりのショルダーバッグで、競りではなく「Buy It Now or Best Offer」、つまり「この即決価格で売りますがオファーにも応じます」というやり方で売っていたので、ダメ元で約3/4の値段でオファーを出してみたら意外にもオーケーが出てビックリ!調子に乗って、もう1品、競りのスタート価格を高めの値段で設定したためか、誰も競りに参加していなかった中型サイズのショルダーを最低価格で競り落としてゲット。こちらは送料がタダだったので、さらに得した気分。♪

でも、ハッと気付いたら、1ヶ月の間に、娘の分も入れると何と6個もebayでバッグを買ってしまっていたんですね〜。衝動買いもいいところで配偶者も呆れ顔。ちょっと反省…でも、6個のバッグを買うのに使ったのは200ドルたらず。新品だったら、200ドルじゃブランド品なんて買えないから!と、配偶者には変な自慢して済ませておきました。(笑)

本当は、この後、薄地の普段使いジャケットをebayで衝動買いする”事件”もあったのですが、それはまたの機会に書きます。

Friday, July 8, 2016

インテンシブ・サマー・プログラム@ピッツバーグ・バレエ・シアター

既に折り返し点を超えてしまいましたが、6月20日から娘が参加しているピッツバーグ・バレエ・シアターのインテンシブ・サマー・プログラム(ISP)は順調に進んでいるようです。
去年は、親元離れての初めての寮生活ということもあってなんとなく心配で、しょっちゅうテキストしては様子を聞いてウザがられたものでしたが、2年目の今年は勝手知ったる、というか、だいたい見当がつくので、かなり放ったらかし。ルームメイトも、いつものバレエ教室で仲の良いクラスメイトだから、そちらも心配無しだし。
面白いもので、こちらから連絡しないと、逆に娘の方から、テキストしてきたり、電話でクラスの様子を報告するようになったりしています。
お気に入りの先生も居るようだし、同じレベルで仲良くなった子もできたようだし、楽しくバレエ修行しているようです。

ピッツバーグ・バレエ・シアターのISPで一番楽しみにしていたのは振り付けのワークショップ。事前に音楽を探して、作品のテーマを決めてワークショップ参加を申請。結局、19人の生徒が参加しているそうですが、最終日前日の振り付け作品発表会に全員が参加できるかどうかは知らされていないとのこと。せっかくだから参加させてもらえるといいのですが、どうでしょうね。
振り付け作品は、自作自演できないそうで、同じレベルのクラスメイトを選んで頼んで踊ってもらうことになっているとか。娘が頼んだのは「オールアラウンドで上手」だという中国系アメリカ人のGちゃん。もともとはパドドゥだったのですが、この子なら!と思った男の子は、生徒の振り付け作品には出たくないと断られてしまったそうで…(苦笑)まあ、なんとかソロ用に作り直せるそうなので大丈夫そうですが。

振り付けの一部を携帯メールで送ってくれた動画をキャプチャ
Gちゃんは小柄な子みたいですね

足のケガの問題もぼちぼち出てきて、フィジカルセラピストにかかったりもしているようですが、あと2週間、どうにか持ちこたえてもらいたいものです。

Tuesday, July 5, 2016

6月に試写で観た映画3題

ありがたいことに、臨時のお仕事をいっぺんに3本もいただいて、6月中旬から7月初めにかけて締切ラッシュだったため、ブログを書く暇など全く無くて放ったらかし状態になってしまった。ちょっと反省。

そこで6月中に試写で観た映画3本を簡単にご紹介。

まずは「ファインディング・ニモ」の続編「ファインディング・ドリー」。


外れることが滅多にないピクサー作品なので、安心して観ていられるのが嬉しい。
今回も、それぞれのキャラが丁寧に作られているし、ストーリー展開のひねりもお見事。クライマックスの脱走シーンなんて、よくぞこんな事まで考えついたなあというストーリー・アイディアの宝庫だった。映画はストーリーが命、をモットーに映画作りを続けてきたピクサーらしい上質の作品。もちろん映像のクオリティも一級品。特に水のテクスチャーは素晴らしかった。




次に観たのは、「インデペンデンス・デイ」の続編、「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」。


1作目が1996年の公開だったから実に20年ぶりの続編ということになる。
1作目は大ヒットしたけれど、出来的にはそこそこの作品だったから、その続編となるとほとんど期待なんか無かったけど、まあ暇だったし、タダだし、20世紀フォックスのスタジオ内の試写室が会場だったから、スタジオ内も久しぶりに覗けるしということで、配偶者を誘って行ってきた。
出来は…ま、こんなもんなんだろうね、という凡作です。でも「オイオイ」と突っ込みどころ満載で、大真面目に作っていたんだろうスタッフやキャストには申し訳ないけど笑えるところが多かったなあ。DVDになるまで待って、ピザでも食べながら友達と「ありえねー」みたいにツッコミながら見ると面白い映画かも。




そして最後は、スティーヴン・スピルバーグが童心に帰って作った「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」。


去年の「ブリッジ・オブ・スパイ」みたいに、そつなく出来ている作品だという印象。ビジュアル・エフェクツはすごいです。タイトル・ロールのBFGも、マーク・ライランスという適役の俳優を得て、本当に居るんだよねと思わせるような存在感。子供の時に原作を読んで、この映画を観ていたら感想も違っていただろうなとは思ったけれど、スピルバーグの幼稚っぽいところが露呈してしまったシークエンスはちょっと残念だったかな。
でも、家族連れには満足できるエンターテイメントになっていると思う。

Tuesday, May 24, 2016

ebayにハマってます

ここのところ、ebayで買い物ばかりしています。

きっかけは、お気に入りのトトロの腕時計を娘がぶっ壊してくれたこと。
学校のテストで使うからというので貸してやったら、車を降りる時に時計を入れておいたジップロックバッグをうっかりドアに挟んじゃったと言って文字盤のガラスを粉々にしやがった。
修理できるレベルではなかったので、泣く泣く諦め、新しい腕時計を買うことにした。

私は別にブランド志向ではないけれど、おもちゃみたいな安っぽいファッション時計は嫌なので、キチンとした大人の時計を安く買うのがゴール。
そこで何気にebayをサーチしたら、あらまー、あるある。新品でもかなりのディスカウント。日本のテクノロジーを信頼しているわたくしとしては、やはりセイコーかシチズンかな〜と思って探して見つけたのがコチラ。


本物かどうか、わかったものではないけれど、文字盤の周りにはクズダイヤがあしらってあって、キラキラして綺麗。定価が300何ドルのところ、30ドルぐらいで競られていたので、競りに参加。最初は値動きがあまり無かったので安心していたら、残り時間がわずかになった時点でいきなり価格急騰。実はこの製品、同じ売り手の時計屋がセール価格60ドルで売っていることを知っていたので、競り値が59ドルに上がったところで降りて、60ドルで売りに出されていた方で購入しました。セイコーの新品が60ドルというのはかなりの破格値だと思うので、競りには負けちゃったけど大満足のショッピングでした。

オークションの面白さに味をしめたけど、次は何とか競りに勝ちたい!と思ったので、ebayの競りに勝つコツをネットでサーチして、次に臨んだのは娘のバッグの購入。
2ヶ月ほど前に、友達の誕生日プレゼントのショッピング中、娘にH&Mの小型バッグをねだられたけど、合成皮革のいかにも安物〜という感じで却下。名残惜しそうにしていたのが気の毒だったので、バッグをサーチ。中古でもいいから良いものを買ってあげたかったので、CoachのCross Body Bagという小型のショルダーバッグの競りに参加。ebayの競りに勝つ法を実践してみたら、本当に勝ってしまいました。♫
その戦利品のバッグはコチラ。


デザインらしいデザインの無い、いかにもコーチ、という感じのバッグですが、中古の割には美品でしなやかな革がイイ感じ〜。送料を入れて26ドルちょっとというお安い値段で落札ゲット。

調子に乗って、ついでに娘が前から欲しがっていたビルケンシュトックのサンダルも物色。サンダルだとバッグと違って中古品、特にビルケンは上面に足の裏の跡が付いてしまっているのが多くて、それだとさすがに気持ち良くないので、使用感が少なく、かつデザインも娘の好みに合っていて、さらにお値段も安めで、娘の足のサイズに合うとなれば、前途多難と思われましたが、その時はどうもebay Goddess が微笑んでくれたのかどうか、条件にピッタリ合う品が見つかりました。しかも、この品、販売者がまちがったサイズを表示していたために、40ドルで落札した人が購入をキャンセル。さらに、その後、50ドルで落札した人まで購入をキャンセルしたという経緯があったせいか、競りに参加したのは結局、私だけ。おかげで競りの開始価格29ドル(送料無料)で落札できるという幸運さでした。
娘念願のビルケンはこんな感じ。


おまけの購入=14Kのゴールド・フィルドの15”チェーン。送料無料で$8.24。安っ!



いや〜〜、ebayって楽しいっ!
懲りないわたくし、今度は普段使いのショルダーバッグを物色中です。

Wednesday, May 18, 2016

2016年 春公演

去る5月8日の母の日に、バレエの春公演がありました。

今年は、最上級クラスのレベル7とその下のレベル6は、群舞無しで、ソロとかデュエット、クアルテットなどの役を踊るという構成になっていて、娘はブルノンヴィルの「ナポリ」のデュエットと「白鳥の湖」から「二羽の白鳥」を踊りました。
その他には、2013年に踊ったジャズの「スウィート・チャリティ」を再び踊りました。

「ナポリ」より、フィナーレの部分

「ナポリ」では、いろいろなヴァリエーションがあって、レベル7と6の生徒は全員、振り付けを習って、その中でも好きなヴァリエーションがいくつかあったらしいのですが、残念ながら、お目当てのヴァリエーションは全て、今年卒業するシニアの生徒がキャストされ、娘は背が同じぐらいのクラスメイトとデュエットを踊れたのみでしたが、クラスメイトの中には、最後のフィナーレの部分を踊るのみ、という子も居たので、贅沢は言えないですね。

「白鳥の湖」より「二羽の白鳥」
撮影:トッド・レクティック

「二羽の白鳥」では、一緒に踊ったクラスメイト(今年卒業のシニア)が、最後の部分でアラベスクを1回余計に入れてしまって、観てる方は「アレレ??」と思ったのですが、間違えた本人は「今年が最後の舞台だと思ったらエキサイトしちゃって1回余計にアラベスクしちゃった〜。アハハ〜」とケロっとしたものだったそうです。(笑)

「スウィート・チャリティ」の一場面。何度観ても楽しそうです。♬

「スウィート・チャリティ」は、キャストの半数ぐらいが2回目だったので、リハーサルも楽だったようですが、公演の際には大きな拍手を浴び、観客ウケの良さは相変わらず。前回は、確か、第1幕の最後だったのですが、今年は公演のトリでした。プログラムの構成も、いつもながらツボを得ていて上手いと思いました。

Friday, May 6, 2016

「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」


なんと1ヶ月以上ぶりの更新になってしまったが、「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」を試写で観た。

この映画、日本や他の国の方が公開が先なんですね。海賊版製作防止対策なのか、どうかはわからないけれど、本国の方が公開が後ってちょっと不思議。

「キャプテン・アメリカ」は第1作は観ていたものの、2作目の「ウィンター・ソルジャー」は未見だったので、あらすじだけはチェックしていったのだけれど、正解だった。じゃなかったら、キャプテン・アメリカことスティーヴ・ロジャースがどうして、アベンジャーズ仲間たちと対立してまでウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズの味方になろうとしたのか?というあたりが解らなかったと思うので。

「シビル・ウォー」は、要はアベンジャーズのメンバーたちが、キャプテン・アメリカ率いるチームと、アイアンマン率いるチームに分裂してcivil war=内戦状態になるという話なのだけれど、その原因の1つになったのが、アベンジャーズが勧善懲悪活動していく過程で巻きぞえ被害を受ける人たちが出てしまうのが問題視されるようになったという設定になっていた。
アレ?この設定、最近、どこかで聞いたような気が…
それもそのはず、「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」でバットマンがスーパーマンを敵視するようになったのは、まさにスーパーマンが街を壊して回っていたから、ということになっていたのだった。

以前は、スーパーヒーローたちが派手に街を壊して回ろうが、悪を倒せばオーケーだったのが、そんな単純な話ではなくなったというところが21世紀の今どきヒーロー映画ということなんでしょうか。

Thursday, March 24, 2016

「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」


正義の味方バットマンと同じく正義の味方スーパーマンが対決するという「バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生」を試写で観た。

世の中の悪と闘うスーパーヒーローたちの中でもとりわけメジャーなバットマンとスーパーマンがなぜ敵同士に??というのが、この映画を観る人の疑問になるのだと思うのだけれど、それがあまり上手く説明されないまま、ストーリーがどんどん進んで、「なんだか知らないけど、バットマンはスーパーマンのことを良く思っていないらしいので、宣戦布告することになった」という感じ。
そして、その消化不良は最後まで解決しない。
バットマンとスーパーマンは、DCコミックのスーパーヒーローたちが結集するジャスティス・リーグのメンバーだから、最後にはまあ和解して仲間同士になるわけだけど、その和解をもたらしたのが、また「はあああ???」という理由。

うーん……

スーパーヒーローものって、正直言ってちょっと食傷気味だったのが、この夏の「アントマン」と先月観た「デッドプール」で、少し持ち直したのに、「バットマンvsスーパーマン」を観たら、この後に続くという「ジャスティス・リーグ」ものも、もういいや、という気持ちになってしまった。

最後に、残念に思った他の点をいくつか:

*ベン・アフレックって嫌いな俳優じゃないんだけど、彼のブルース・ウェインはむさ苦しい。無精髭はバットマンには似合いません。マスクから唯一出ている口元が無精髭だらけだと汚っちい感じ〜。ついでに言うと、ジェレミー・アイアンズのアルフレードも英国っぽいのはアクセントだけ。マスター・ブルースに合わせているのか何だか知らないけど、こっちも無精髭で疲れた感じのジイさんに成り果てている。かりにもウェイン家のバトラーなんだからさ、シャキッとしてよ、シャキッと〜!

*ジェシー・アイゼンバーグのレックス・ルーサーは完全にミスキャスト。これまでのルーサーは、ジーン・ハックマンやケヴィン・スペイシーという、バットマンを演じる俳優たちと対等に渡り合える貫禄があったけど、アイゼンバーグじゃダメです。中学生が駄々こねてるみたいで。

*ついでにキャスティングについて言わせてもらえば、優れた俳優たちの無駄遣いが目立った。前述のアイアンズにしてもそうだけど、ロイス・レーン役のエイミー・アダムズ、ペリー・ホワイト編集長役のローレンス・フィッシュバーン、フィンチ上院議員のホリー・ハンターなどなどと、彼らじゃなくても全然オッケー!な役ばかり。もったいないにもほどがある。

*こういうスーパー・ヒーロー映画って、コミックが原作なだけに、リアリズムより派手なスペクタクル重視なわけだけど、もう1つ重要だと思うのはユーモアのセンスだと思う。前述の「アントマン」や「デッドプール」はコメディという立ち位置だから、比較にならないとは思うけれど、「アイアンマン」にしても「マイティ・ソー」にしても所々でププッと笑える洒落たセリフやシチュエーションを用意してくれていたけど、この映画にはそれがゼロ。ジョーカーじゃなくても、Why so serious?って言いたくなっちゃうよ。

予告編はこれなんだけど



ここにも登場するシーンを、ジミー・キンメルのトークショーがパロディにしたのがコチラ(パロディは3分ぐらい入ったところから始まります):



*最後に登場する人は、キンメルのトークショーになかなかゲスト出演させてもらえないというジョークが続いている人なので、キンメルのトークショーのファンには可笑しさ2倍になっているというわけです。

こっちのバージョンの方が観たかったかも〜〜(毒)

Sunday, March 6, 2016

モダンのクラス

先週は、娘のバレエ教室ではクラスが見学できる週だったのだけれど、金曜日は、特別講師を招いてのモダンのクラスでした。
バレエ教室のディレクターは、最近、大学の舞踊科のオーディションやサマープログラムのクラスに際してはバレエだけではなく、モダンやジャズの実力も必要だからという考えで、時々、モダンのクラスをオファーしてくれるようになりました。教室の創設者のイヴォンヌ先生は、いわゆるold school=昔風のバレエの先生だったので、そういう事は一切無かったのですが、今のディレクターはいろいろと新しい試みを積極的に採り入れてくれるのがとてもありがたいことだと思っています。

今回のモダンの講師は、ロシア出身のセルゲイ・ケイリックというダンサー/コリオグラファー。

Sergey Kheylik

ボリショイやウィーンの国立オペラの付属スクールで正統派クラシック・バレエ教育を受けた後、ドイツのジョン・クランコでモダンの教育を受けた人で、クラシック・バレエの文脈の中で自由な表現を取り入れた振付に定評があるダンサー/コリオグラファーみたいです。



音楽もいつものライブ・ピアニストではなくて、自分のiPhoneに録音したデヴィッド・ゲッタ/シーアの「タイタニアム」とかオアシスの「ワンダーウォール」、アデルの「Set Fire to the Rain」などの今どきのポップミュージックを使用。クラシック・バレエのボキャブラリーを使いながらも、手の使い方、頭の付け方といったディテールが違っていたり、音楽のリズムの取り方が違っていたりして、戸惑う子も居る一方、バレエよりも活き活きと踊っている子も居て、観ていてとても面白かったです。
クラスは撮影禁止なので、残念ながらビデオは撮れなかったのだけれど、セルゲイが他所で教えたクラスの映像が見つかりました(この2つのクリップに出てくるステップは娘たちのクラスで教えたものと全く一緒です):





バレエ教室の先生たちもクラスを見学し、終わった後でディレクターは「皆、楽しそうだったから、是非またセルゲイのマスター・クラスをしましょうね」と言っていたとのこと。娘も楽しんだようなので、次の機会が楽しみです。

Sunday, February 21, 2016

「デッドプール」


X-MENユニバースのメンバーの1人、デッドプールが主役の「デッドプール」を試写で観た。

ハリウッドは相変わらずスーパーヒーロー映画が大好きで、映画はもちろん、最近はTVにまでスーパーヒーローが進出。正直、食傷気味になってきていたので、「デッドプール」の試写の案内が来た時にも行くべきか否か迷ったのだけれど、信号待ちしていた時に工事中の建物を囲んだ壁に貼ってあったポスターを目にした。それが、上のバージョン。デッドプールが手でハートを作っているもの。
これを見て、「もしかして、『アントマン』のようにギャグ入ったスーパーヒーローものだったりする?」と思い、予告編を見てみたら、うん、これは楽しそうだな、と思って観に行ってきた。

いやあ〜〜〜、楽しかったですねえ。
まず、オープニング・クレジット。普通は主演俳優の名前が出て「A Film by ***」と監督の名前が出たりするわけだけど、「デッドプール」のクレジットでは、主演はGod's Perfect Idiot(神が作りたもうた完璧なるバカ)だし、プロデューサーはAsshat(アホ)、そして監督はOverpaid Tool(給料もらい過ぎの能無し野郎)。他にも「セクシーなネエちゃん」、「イギリス人の悪役」、「CGI製のキャラ」、「気分屋のティーン」とか「お笑い担当」などなど、観客がドッとウケる文字が並んで、これはフツーのスーパーヒーロー映画じゃないよと、作品のトーンをしょっぱなから設定。これは賢いと思った。

「デッドプール」は、ウェイド・ウィルソンがいかにしてデッドプールになったかというデッドプール誕生の経緯とそこに関わる敵をデッドプールが倒していくまで描くのだけれど、ライアン・レイノルズ演じるデッドプールのキャラはもちろん、彼の台詞を中心とした会話が「そこまで言うか?」的な表現満載の過激ユーモアで可笑しい。こういうのが駄目な人は全くついていけないと思うけれど。
ついていけない、と言えば、暴力描写も凄いです。一緒に観に行ったツレはちょっと引いてました。
だから、若いニイチャンたちにウケそうなユーモアや激しい暴力描写が駄目な人にはオススメしません。

でも、私は笑ったなあ〜。久しぶりに爽快な気分になれる映画でした。

⬇日本のファンが作ったらしき予告編。公式予告編は、実際に観る時まで取っておいて欲しいかも、というシーンが結構出てきて残念なので、それよりは若干マシなこちらを貼っておきます:


Friday, February 19, 2016

「ズーランダー2」


ベン・スティラーのコメディ「ズーランダー」の続編「ズーランダー2」を試写で観た。

「ズーランダー」は、ベン・スティラー演じるタイトル・ロールのモデル、デレク・ズーランダーを中心にモデル界で繰り広げられる騒ぎを描くオバカコメディで、それなりに楽しめたので続編も期待して観に行ったのだが、あまりに粗雑な出来でガッカリ。

映画は、第1作の終わりでズーランダーが建てた子供学習センターが崩壊して、愛妻マチルダを失ったズーランダーが隠遁生活をおくっている、というところから始まるのだが、ストーリーの構成なんてあったもんじゃない、というか、「サタデー・ナイト・ライブ」の出来の悪いライターが書いたスキットの寄せ集めのような印象を受けるお粗末なコメディだった。

コメディなんて笑えてナンボ。特にオバカコメディで笑えないというのは最悪。もしかしたら第1作から15年経ったということで、私が歳を取ったから〜?などとも考えたけれど、公開後にRotten Tomatoesでチェックしたら評論家の支持度は23%だったので、やっぱり〜〜と納得。
試写会で観に行ってタダだったし、映画館も比較的近い場所だったのでまだ許せるけど、これを15ドルとか払って観させられたんだったら怒ってたな。



Sunday, February 7, 2016

「ヘイル、シーザー!」


ジョエル&イーサン・コーエン兄弟の新作「ヘイル、シーザー!」を試写で観た。

コーエン兄弟は、基本的にノーテンキで楽観的なハリウッド映画とは一線を画し、ダークなユーモアを交えながら人間の本質をえぐるような作品を撮るところが大好きな監督/脚本家デュオなのだが、「ヘイル、シーザー!」も、大笑いしながら「うーん、鋭い...」と思わせるところがある作品だった。

舞台は1950年代のハリウッド。「ヘイル、シーザー!」の主役、エディ・マニックス(ジョシュ・ブローリン)は、キャピタル・ピクチャーズの製作部長だが、映画の製作陣頭指揮を取るだけに留まらず、駆け出し女優のスキャンダルを未然に防いだり、演技力ゼロの西部劇スターにキレる大物監督をなだめたり、未婚の人気女優の妊娠問題を解決したりと、フィクサー的な役割も果たす毎日をおくっている。そんな或る日、ローマ時代を舞台にした史劇「ヘイル、シーザー!」の主演スター、ベアード・ウィットロック(ジョージ・クルーニー)が誘拐されるという事件が起きる...

この映画の楽しみの1つは、何と言ってもコーエン兄弟お気に入りのクセのある俳優が揃っているキャストだろう。前述のブローリン(過去のコーエン兄弟出演作は「ノーカントリー」+「トゥルー・グリット」)、クルーニー(「オー・ブラザー!」+「ディボース・ショウ」+「バーン・アフター・リーディング」)の他にも、スカーレット・ヨハンソン(「バーバー」)、ティルダ・スウィントン(「バーン・アフター・リーディング」)、そしてジョエルの妻でコーエン兄弟作品常連のフランセス・マクドーマンドらの面々が、相変わらず強烈な演技を見せてくれる。
もう1つ見逃せないのが、1950年代にハリウッドで量産されていた映画のオマージュ的パロディの数々。タイトルになっている史劇「ヘイル、シーザー!」は明らかに「ベン・ハー」のパロディだし、他にも「水着の女王」やジーン・ケリー風ミュージカル(誰が主演スターを演じているかはお楽しみに!)、歌うカウボーイが出てくる西部劇、白黒で撮影されたメロドラマなどなどと、映画通だったらニヤリとしてしまうシークエンスが連続して飽きることが無い。

同じハリウッドを舞台にしたコーエン兄弟の「バートン・フィンク」のダークさは無いが、その分、文句無く楽しめるコメディになっている。

Wednesday, February 3, 2016

結果は一勝一敗

今年のオーディション、一番最初に受けたピッツバーグ・バレエ・シアター(PBT)に合格し、2番めのオーディションだったボストン・バレエは不合格という一勝一敗の結果に終わりました。

PBTは初めての挑戦だったけれど、オーディションを指導した先生との相性が良かったのか、楽しいオーディションだったそうなので、予想通りの結果だったようですが、ボストンの方は、不合格通知を受けたことを本人に伝えた際に「え〜、わりと手応えは良かったのに」とちょっと驚いた様子でした。まあ、風邪をひいて予定の日に受けられず、翌日にちょっと無理してオーディションを受けに行ったこともあったし、70人を優に超える人数だったということで条件が悪かったのも確かなので、仕方ないですね。
救いなのは、PBTの方が先に結果が出て、オーディションが好印象だったことに加えて振付のクラスもあったりすることで、本人、すっかり行く気になっていたため、ボストンの不合格の知らせもそれほど気にしなかったことでしょうか。

PBTに行くことに決めてしまったので、その後に予定していたカンザスシティ・バレエのオーディションは受けないことにしました。
ということで、今年のサマーインテンシブのオーディションは僅か2校を受けただけ。なんか拍子抜けするような気もしたけれど、入る見込みも無いプログラムを受けても無駄だし、受かっても気が進まないプログラムを受けても仕方ないし、ということで、効率的な年だったと考えるようにします。

PBTは、日本のバレエコンクールで入賞してスカラシップもらったりサマーインテンシブの受講許可をもらったりして参加する日本人バレエ生徒たちも多いようなので、日本人バレエ友達が出来たりするのも楽しいかも〜〜?と娘と話しています。

Sunday, January 17, 2016

ボストン・バレエ オーディション

今日は、2016年サマーインテンシブのオーディションの2校め、ボストン・バレエのオーディションでした。
最寄りのオーディション会場の日程は昨日だったのだけれど、木曜日の夜から風邪で撃沈した娘は昨日はまだ踊れる状態ではなかったので、1日後の今日がオーディション日の隣の郡の会場まで高速を1時間ほど飛ばして行って来ました。

ボストン・バレエは、一昨年、まだニュートン校の年齢だった時に受けた際は合格、昨年、ボストン校に入れる年齢に達した時に受けた際はウエイトリストに載せられたけれど最終的には入れなかったという経過のある学校なので、今年もビミョー、といったところでしょうか。
娘が受けた15歳〜19歳のグループは、女子の受験者が68人、男子の受験者は10人という人数だったそうです。先週受けたピッツバーグ・シアターは全年齢で32人という人数だったから単純計算をしても2倍以上の参加人数になります。バレエ情報交換サイトでも全米各地のボストン・バレエのオーディション会場の参加人数は70人〜100人という所が多いようでした。
オーディション時間は2時間半という設定でしたが、実際には2時間ほどで終了。ポアントはコンビネーションを1つ踊らせただけ、というあっさりしたものだったというのは意外でした。ニュートン校対象の11歳〜14歳のグループならともかく、年齢的に3年以上はポアントを履いているはずの年齢層の生徒の受験でポアントをあまり見ないというのはいかがなものですかね?と。まあ、フラットシューズで踊らせるだけで観る人が観れば実力が判る、ということなのかもしれませんが。

娘の感想は、「まあまあかな〜」と良くもなく悪くもなく、といった感じ。
親の私の印象では、ピッツバーグのオーディションの方が楽しめたのかも?と思いましたが、今日はまだまだ鼻をグズグズさせた風邪っぴき状態での受験だったので、体調の良し悪しも関係したのかな。
まあ、今年は不合格だったら風邪のせいにできるから、ま、いっか〜〜(笑)

Sunday, January 10, 2016

2016年のバレエ・サマー・インテンシブ、オーディションの戦略はこれだ!(笑)

今年もやってまいりました、恒例のバレエ・サマー・インテンシブ・プログラムのオーディション。
今年の夏は、娘も高校ソフォモア(2年生=日本の高校1年生)からジュニア(3年生=日本の高校2年生)になるタイミングで大学受験も視野に入れていかなければならないから、バレエにうつつを抜かしている場合ではないかも?とも考えたのですが、大学受験も御勉強ばかりではないアメリカ。SATやACTと呼ばれる大学共通学力試験のスコアや学校のグレードの平均値(GPA)だけではなく、どんな課外活動をしてきたのか、ボランティア活動は熱心にしてきたのか、といった事まで評価の対象になるのであれば、「11年間、バレエを一所懸命踊ってきました!」という経験だってウリになるはず!
ということで、今年もとりあえずオーディションを受けてみようとことになりました。

で、今年のオーディションの戦略は:

分相応な学校を受けよう!

って、まあ戦略なんて呼ぶほどのものではないけれど、これまでパシフィック・ノースウェスト・バレエ(PNB)に片思いして落ち続け、去年はサンフランシスコ・バレエはもちろん、ボストン・バレエまでウエイトリストという残念な結果になったことを反省。一方で、スカラシップをもらって参加したカンザスシティ・バレエでは、先生にとても良く見てもらえて勉強になったと同時に自信もついたというポジティブな経験を持てたことで、背伸びしてギリギリで入る有名校でなくても、しっかりした指導陣が居る学校でクラスのトップレベルに居た方が先生の指導がたっぷり受けられて実力がつくという、娘なりの結論を出したようで、今年はPNBとサンフランシスコは敢えてパス。代わりに、ピッツバーグ・バレエ・シアター(PBT)とカンザスシティ、そして雪辱戦めざしてボストンの3校を受けることにしました。

その1校め、PBTのオーディションを今日、受けてきました。


PBTは、去年、娘のクラスメイトが合格したボストンを蹴って参加したということで、ちょっと気になっていたプログラムでした。そのクラスメイトに参加の感想を聞いたら「プログラム自体は良かったけど、滞在先の宿舎に冷房が入っていなかったからちょっとねー。あと、ピッツバーグの街よりボストンの街の方が良かったから、ボストンの方が好きだったかな」という、あまり参考にならない(笑)返事がかえってきました。

そんな感じだったので、全く気負い無しでオーディションを受けてきたのですが、娘に感想を聞いてみたら意外に楽しかったそうです。以下、娘の感想を簡単な箇条書きにしてみました:

*参加人数は女子29人、男子3人。年齢別ではなく12〜18歳、全て一緒にオーディションだったので、有名校のオーディションに比べるとかなり少なめ。特に12〜14歳は7人しか居なかったそうです。

*オーディション時間は2時間あったので、普通のクラスのように先生が注意を出したりしながら進んでいったとのこと。
先生は、PBTスクールの副校長先生的な男性の先生で、バーの間は、歩き回っては1人の生徒のところで足を停めて、じっくり眺めて何事かをクリップボードに書き込んだりしていたとか。娘のところにも来て、フォンデュのコンビネーションを最初から最後まで立ち止まって見られて「超緊張した〜〜〜」そうですが、最後に「Good」と言ってくれたのでホッとしたそうな。

*センターのコンビネーションの1つが終わった後で、先生が娘のところに来て「君、僕のオーディションに参加したことある?」と聞かれたので、「いえ、今日が初めてです」と答えたら、「ああ、そう?なんか見覚えがあるんだけどな」と言われたとか。まあ、良くも悪くも先生の目には留まったようなので良かった、のかな??

*オーディションの先生は、後でPBTのサイトを見たら、ABTのソロイストやサンフランシスコ・バレエのプリンシパルとして活躍した人のようなので、教え方は娘が慣れているバランシン・スタイルではなく、ゆっくりとした動きが多かったそうですが、特に大きな間違いをしでかすこともなく、こなせたので、本人としてはまずまずの出来だったと自己評価していました。

2014年用のようですが、PBTサマーインテンシブのプロモビデオはこちら⬇

Friday, January 8, 2016

2015年に観た映画のベスト10を自分なりに考えてみた

自分なりベスト10のNo.1「スポットライト 世紀のスクープ」

映画雑誌に定期的に書くことがめっきり減ってしまったが、昔、連載記事を書いていた某映画雑誌からは今も毎年のベスト10選出のリクエストが来る。
日本の映画雑誌ということで映画の公開日は日本が基本になっているから、2015年に私が実際に観た映画とはズレてしまうところがあるのが困りものなのだが、その分、2014年に観た映画を入れたりして補っている。

と前置きが長くなってしまったけれど、とりあえず今の時点で選んでみた2015年に観た映画のベスト10です:
**タイトルをクリックすると、過去のブログに書いた各作品の感想にリンクします**

久しぶりにアメリカの良心を偽善抜きで真摯に描いた力作に出逢えた!と観終わった後、100%の満足感に包まれた映画。

こちらは観終わった後、「科学って凄い!」と思った作品。かなりシンプルなストーリーなのにリドリー・スコットの熟練した演出によってすごくエキサイティングなエンターテイメントになってる。マット・デイモンのキャスティングも完璧だった。

これまた、ほとんどカーチェイスに始まってカーチェイスに終わるだけの映画なのに、全く飽きることなく力技で押し切ってくれた映画。これもジョージ・ミラーの名人芸とシャーリーズ・セロンのキャスティングの勝利だと思う。

力技ということでは負けていないのがこの作品。体力の無い時に観たら、観終わった後、精根尽き果ててしまうかもしれないほどの迫力が凄かった。

経済の話をこれだけ面白いエンターテイメントに仕上げたアダム・マッケイはタダ者ではないと思った。

私は「スター・ウォーズ」ファンというわけでは全然無いのだけれど、そんな私でも楽しませてくれたJ・J・エイブラハムの才能と、頼もしいヒロインを誕生させてくれたことに敬意を表して。

観る前は「アリのスーパーヒーローってどんだけ〜〜?」と馬鹿にしていたところがあったけど、実際に観たら、アリ・サイズを逆手にとって超楽しいスーパー・ヒーロー・コメディに仕立てたナイスなセンスを評価したい。

トム・クルーズって俳優としては個人的にはあまり評価していないのだけれど、プロデューサーとしての「M:I」シリーズの監督選びに関してはいつも凄いと感心しています。

9.「Spy」(←日本での劇場公開がまだ決まっていないのは残念な限り)
メリッサ・マッカーシーは天才コメディエンヌだと思う。以上。

時間軸に従って進むありきたりの伝記映画にすることを避け、三幕の舞台劇のような構成にしたアーロン・ソーキンは賢いと思った。

英国人のスーツの着こなしは神レベル!

Sunday, January 3, 2016

2015年最後の3ヶ月に観た映画

今年は10月から年末にかけて試写を利用してまとまった数の映画を観たのだけれど、その全てはブログに書けなかったので、ちょっと駆け足で一言メモ的に書いてみることにする。

10月7日:「スティーブ・ジョブズ」



アップル社の共同創設者スティーブ・ジョブズの伝記映画だが、ジョブズの半生を年代を追って描く代わりに、ジョブズにとってターニングポイントとなったアップル社の製品の発表を時間軸に見立てて、三幕ものの舞台劇のような構成にした点が新鮮だった。マイケル・ファスベンダーは相変わらず上手いです。


10月15日:「ブリッジ・オブ・スパイ」



冷戦時代に実際に起きた米ソの捕虜交換の舞台裏を描くスピルバーグ作品。スピルバーグだからツボはしっかり押さえているし、主演のトム・ハンクスも安心して観ていられる演技を見せているのだけれど、基本的に「アメリカ万歳」な映画なんで、そこが私のようなアウトサイダーには少々居心地の悪いところが無きにしもあらず。


11月4日:「007 スペクター」



冒頭のシーンの長回しショットに「おお〜〜っ!」となったのだけれど、その盛り上がりがその後に続かなかったのがとても残念。ダニエル・クレイグのスーツ姿、コート姿も「おお〜〜っ♡」となったのだけれど、ボンドとボンドガールの間に火花みたいなのが欠けてたというか... クレイグのボンドでは「カジノ・ロワイヤル」と「スカイ・フォール」が甲乙つけがたく良かったけれど、そのいずれにしてもボンドが女性に熱い思い入れを抱いている作品なんですよね。2作目の「慰めの報酬」にしても「スペクター」にしても、ボンドが熱い思いを寄せる女性の存在が無かったのが意外に敗因だったりするのかも??と思ったりした。


12月9日:「マネー・ショート 華麗なる大逆転」



経済のことなんてさっぱり解らない私でも楽しめた“エコノミー・サスペンス”(?)。ウィル・ファレルを多用して「俺たちニュースキャスター」シリーズや「アザー・ガイズ」といったオバカ系コメディを監督してきたアダム・マッケイが本気を出して(?)作ってみたら大評判になったという作品。キャストもクリスチャン・ベール、スティーヴ・キャレル、ライアン・ゴスリング、ブラッド・ピットという贅沢な顔ぶれ。


12月10日:「レヴェナント:蘇りし者」



力作というのは、まさにこういう映画のことを指すのだと断言できる映画。レオナルド・ディカプリオ演じる毛皮狩猟グループの1人が熊に襲われ、仲間に見捨てられたところを生き抜く本能と復讐の執念だけでサバイバルしていく過程を、ディカプリオの壮絶な演技とアレハンドロ・イニャリトゥによる容赦無い演出で描く。イニャリトゥ作品の撮影監督エマニュエル・ルベツキのカメラワークもいつもながら素晴らしかった。


12月14日:「Concussion」



プロ・フットボール選手が鬱病におちいったり暴力的な行動に出て、果ては自殺に至る例が続出。原因は練習や試合の際に何度も頭に衝撃が加えられることから脳細胞が異常をきたすことにあるのではという疑念を持ったナイジェリア出身の医師ベネット・オマルが、巨大な組織であるNFLを相手に孤独な闘いを挑むという、「インサイダー」のフットボール版といった映画。テーマ自体は意義あるものだと思ったけれど、主演のウィル・スミスの演技と本作が監督2作目だというピーター・ランデズマンによる演出も特にすごい!と感心するほどのものではなかったかも。


12月21日:「ジョイ」



独創的で発明が得意な少女だったジョイが、不本意にもシングルマザーになったうえ、エキセントリックな両親の面倒までみなければいけないという境遇で一念発起して起業家になるサクセス・ストーリー。ストーリー展開自体はありがちなアメリカン・ドリームをなぞっているところがあったけれど、ジェニファー・ローレンスの存在感と全身全霊でヒロインになっているのがこちらに伝わる演技がその足りなさを補って、特に若い女性には観た後、良い気分になれる作品に仕上がっていると思う。


と、この秋から暮にかけて観た映画でこれまでブログに書きそびれていた作品を駆け足で書いてきたけれど、「スペクター」以外の、つまり7本中6本までが、実話に基づいているという“実話率”は凄いですね。現実世界というのはそれだけドラマチックなのだと思うと同時に、そんな現実を超える作品を創り出せない今どきの映画界もちょっと寂しい気がする。