Monday, May 11, 2009
Ballerina
今日(ってもう昨日になってるけど)は母の日。配偶者に何したい?と聞かれたので、前々から気になっていたフランスのドキュメンタリー「Ballerina(バレリーナ)」を観に行きたいとリクエスト。土日の午前11時限りの単館公開なので、日曜日にしては早めの朝ごはん(配偶者の作ってくれたクレープ♪)を済ませて、サンタモニカのアートハウス館Laemle Monica(レムリ・モニカ)へ。
「Ballerina」は、前キーロフ、現マリインスキー・バレエに属するバレリーナ5人のバレエ人生を垣間見せてくれるドキュメンタリーだが、同時に、ロシアではバレエという芸術がいかに愛され、リスペクトされ、シリアスに扱われてるかを改めて実感させてくれた。
ロシアのバレエ学校やバレエ団の世界がいかに厳しいかは、大好きなバレエ漫画「アラベスク」を読んで昔から知っていたけれど、バレリーナたちの実際の映像は、凄まじいほどのテクニックと目を見張ってしまう強靭さを備えた美しさで観客たちを圧倒しまくりだった。
ちょっと残念だったのは、最近、バレエに熱が入って来た娘が中盤からいかにも飽きていたということだった。まあ、ほとんどが字幕だし、バレエ関係者たちのインタビューも多くて全部がダンス、ダンス、ダンスじゃなかったのでしょうがなかったかもしれないけれど、バレエのシーンだけでも、しゃきっと観て欲しかった。
逆に驚いたのは、バレエに対してそれほど興味が無いはずの配偶者が涙していたこと。まあ、コダックのコマーシャルでも涙する人なので、考えてみればありがちなんだけど、ちょうどロサンゼルス・タイムズ紙の主幹映画評論家ケネス・テューランが「バレエに興味の無い人でも、観れば心変わりしたい気持ちにさせられる」と書いてあったので、オジサンの変化は面白かった。
さて、今週末は、娘のバレエ学校の春の公演。若きバレリーナ予備軍たちが楽しく踊る舞台は観ていて本当に気持ち良いので、手前味噌ながらとても楽しみである。
Friday, May 8, 2009
TVドラマ雑感
9月から新シーズン開始のアメリカTV界では、そろそろシリーズ物のシーズン・フィナーレの時期になってきた。
現在、観ているドラマは、週8本。中には気まぐれ程度にしか新エピソードを放映してくれないドラマもあるが、我が家は私や配偶者の仕事の都合でTVが観られない日も珍しくないから、結局、衛星チューナー内のデジタル・レコーダーにどんどん未見のドラマが溜まっていく…いかんなあ…
というわけで、最新エピソードというわけにはいかないのが苦しいところだけれど、今シーズン追ってきたドラマをちょっとまとめると…
「HEROES」
シーズン3にあたる今シーズンも、登場人物が相変わらず多過ぎるし、シーズン2以上に何だかまとまりの無いストーリー展開になっているのが残念。ストーリーのフォーカスがあっちゃこっちゃに移るし、誰が誰の味方で、誰が“ヒーロー”で誰が悪者なのかが相変わらずグレイ。しかも、週単位でそれがコロコロ変わった時期があって、フラストレーションたまりまくりでした。シーズン1はあんなにエキサイティングだったのに…
「REEPER」
親が息子である自分の魂を悪魔に売ったために、悪魔の手下として働かねばならなくなった青年サムが主人公のドラマだけど、毎回、地獄から抜け出した悪魔を追って退治して、というパターンで御話が展開するので、ちょっとマンネリ気味。それから脱却するためにか、追加キャラをいろいろ登場させているけれど、どれもキャラとしてのインパクトがイマイチ。特にガックリきたのは、サムの親友の1人であるソックが母親の結婚した日本人男性の娘、つまりステップシスターにムラムラとするというサイドストーリーで、その継妹に田村英里子がキャスティングされていたこと。ソックの年齢設定がおそらく20代後半で、継妹は学生でおそらく20代前半という設定なんだろうけど、35歳の田村英里子が露出度の高いタックトップやらショーツやらで登場し、キャピキャピのぶりっこ演技をしているのが、いかにも苦しかった。
「Fringe」
「スター・トレック」でまたまた注目を集めているJ・J・エイブラムス製作総指揮の超常サスペンスもので、毎回「げ~~、何これっ?!」という現象をテーマにしたエピソードでドキドキハラハラ度も高いのだけれど、難点は新エピソード放映がすごく疎らなこと。TVシリーズは基本的に毎週放映だからこそ、「次回をお楽しみに」という気分になるし、キャラにも親近感が出るのに、お預けをくらったようで寂しくなる。
「Lie to Me」
エキセントリックなキャラを演じるティム・ロスが芸達者なので、彼が嘘を見破る過程を観るのは楽しい。ただ、最近、彼の過去が明らかになったり、同僚の結婚の危機なんかが浮かび上がってきたりして、キャラの私生活がドラマに入って来たのがちょっと気になる。そういうサイド・ストーリーが主になってしまうと、ドラマのアイデンティティが揺らいでしまうことが往々にしてあるので。
「Life on Mars」
2008年に生きていた刑事が事故をきっかけに1973年にタイムスリップしてしまい、時代の違いに戸惑ったり(「携帯を無くしてしまったんだ」などと言うと「携帯って??」というポカーンとした反応が返ってきたりする)、若き日の自分の両親に出会ったりというドラマが面白かったのだが、最終回は本当に衝撃的で、思わず口があんぐり。このドラマ、イギリスで放映されたドラマのリメイクなので、興味がある人はイギリス版のDVDが出ているので是非、チェックを!
「CSI」
グリッソムことウィリアム・ピーターセンが降板してから、番組に対する熱意がちょっと下がってしまったけれど、謎解きのドラマの展開は相変わらず面白いので観ている。ピーターセンの後釜のローレンス・フィッシュバーンはまあまあといったところ。
「Terminator: Sarah Connor Chronicles」
未来から送られてくる殺人ロボットたちとサラ&ジョン・コナー親子の闘いから、リキッド状(要はロバート・パトリック・タイプの)ターミネーターが率いる謎めいたハイテク会社や、未来から何の目的でやって来たのかが明らかにされないミステリアスな女戦士などを巻き込んだストーリー展開になってから、ペースがちょっとスローダウン気味。まあ、映画「ターミネーター」3部作のような殺人マシーンとの闘いに終始するわけにはいかないのも解るけれど。ちなみに、このシリーズも今シーズンで終りだとか。近く「Terminator Salvation」も公開されることだし、終りにする潮時なのかもしれない。
「Dollhouse」
イライザ・ダシュク演じるヒロイン、コードネーム:エコーをはじめとしたいわくつきの過去を持つ若い男女の記憶を操作し、クライアントの望むままの人間(つまり或る種の“人形”)にするというハイテク高級エスコート・エージェンシーを舞台にしたドラマ。最初は、エコーのキャラが虚ろで感情移入しにくかったのだが、次第に複雑な背景や、アルファと呼ばれる謎の人物の存在がチラチラ見え始めて面白くなってきた。
あと、HBOのオリジナル・シリーズでアフリカを舞台にした「The No.1 Ladies' Detactive Agency」というのがメチャクチャ評判が良いので、録画してあるんだけど、パイロット・エピソードが2時間枠なので、なかなか観るチャンスに恵まれず…早く観なくっちゃ!!
Wednesday, May 6, 2009
STAR TREK
科学的思考が苦手だし、用語を認識するのも苦手ということで、普段はSF小説とかSFジャンル、特に宇宙が絡んだりする映画は敬遠しがち。
でも、今週の金曜日から全米公開される「スタートレック」は、「エイリアス」や「MI:3」のJ・J・エイブラムスの作品なので、観ておかなきゃ!と気合を入れて試写会に行って来た。
いやあ、行って正解でしたね。
とにかくストーリーに引き込まれて楽しんであっという間の2時間6分でした。
スペクタクル、アクション映画によくありがちなパターンは、まず映画の冒頭に観客の注意を惹きつけるシーンを用意して、一気に観客をストーリーに引きずり込むという作戦なんだけど、J・Jは、息を呑むクライシスを御膳立てしただけでなく、その過程で主要人物たちの生い立ちとか境遇、キャラをしっかり描きこんでいるから、その後に展開するストーリーでも観客が主要人物たちにキチンと共感、感情移入ができる。その辺が、今夏、同様に話題作として認識されている「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」と大きく違うところだと思いました。
いや、「ウルヴァリン」もそれほど悪くはないんだけど、満足感が薄かったなあ、というのが正直な印象。
ヒュー・ジャックマンの肉体美は相当なもので、それを観に行くだけでも、特に女性陣は入場料の価値あり!って感じだけど、いかんせん、ダニー・ヒューストン(巨匠ジョン・ヒューストンの御子息)が悪役というのがちょっと物足りない。サイバートゥース役のリーヴ・シュライバーも猫顔でその辺はピッタリだったけど、ちょっとボディが緩い。等々と、いろいろ突っ込みどころがあって、もうちょっと煮詰めて引き締めて作れば、ずっと良い作品になり得たのにちょっと残念でした。
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