Saturday, March 1, 2014

「フランセス・ハ」


去年、アメリカで公開された独立プロ作品「Frances Ha」をDVDで観る。
公開された当時、高く評価されていたのでずっと観たいと思っていた作品。

主人公のフランセス(グレタ・ガーウィグ)は、ニューヨークでモダンダンスのカンパニーの正団員を目指す27歳。日常的にほとんど文無しに近い状態だが、大学時代からの親友、ソフィ(ミッキー・サムナー、歌手スティングの娘)とアパートをシェアして楽しく暮らしている。フランセスにとってソフィはボーイフレンドよりも心を許せる近しい存在ゆえ、ボーイフレンドに同棲をもちかけられても断って、それが原因で別れてしまうほど。なのに、或る日、フランセスは、ソフィから「ボーイフレンドと一緒に住むことにしたから」とほぼ一方的にルームメイトを解消されてしまう...

この映画の核はなんといっても、グレタ・ガーウィグのフランセス。何についてもその場限りの解決策しか取れず、先の事を深く考えずに行動してしまう一方、全く自覚の無いまま、人を苛立たせることを言ったり、やったり。最近流行りのman-child=子供みたいな男の女性版と言ったらいいのか、もし実際に周りに居たらイライラさせられること間違い無しの困ったチャンである。それでも、不思議と彼女のことが心配になってしまったり、彼女に同情したり共感してしまったりするのは、監督のノア・バームバックと一緒に脚本を書いたうえでフランセスを演じたガーウィグの功績だと思う。

全編、白黒の画面で、明らかにフランソワ・トリュフォーを意識した映像作りをしているが、開き直って、トリュフォーと名コンビを組んでいた作曲家のジョルジュ・ドルリューによる映画音楽を使っているのが、映画オタクの私にはちょっと嬉しかった。
ちなみに、タイトルのFrances Haの「Ha」とはいったい何?という謎はエンディング・シーンで明らかになるが、いかにもバームバックらしいウィットが利いていて良かった。

⬇の予告編では、劇中でも使われていたデヴィッド・ボウイの「モダン・ラヴ」が使われています。




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