Friday, June 12, 2009

The Taking of Pelham 1 2 3


トニー・スコットの新作「The Taking of Pelham 1 2 3」を観た。(日本公開タイトルは「サブウェイ123」というらしい。)

映画に詳しい人だったら既に知っているに違いないことだが、これは1974年に公開された「サブウェイ・パニック」のリメイク。(原作があるので、厳密には再映画化と言った方が正確かもしれないけれど)
4人の男たちによる用意周到に計画されたニューヨークの地下鉄ジャック。乗客たちを人質に取り、首領格の男は30分以内に要求する現金を届けないと1分に1人ずつ人質を殺していくと宣言する。犯人とやり取りするのは、地下鉄公安局職員のガーバー。時間と闘いながら犯人と交渉を試みていくが…

オリジナル版では犯人グループの首領をロバート・ショウ、ガーバーをウォルター・マッソーが演じていて、人質の身の上や時間との闘いにまつわるサスペンスもさることながら、いぶし銀のような風格のある名優2人の心理戦を伴うやり取りを観ているだけでもスリリングなB級アクション映画の名作だった。

一方、新版はとにかく派手。まず、ショウが演じた犯人グループのボスがジョン・トラヴォルタで、マッソーが演じていたガーバーがデンゼル・ワシントンというキャスティングだけでも、大きく違う。トラちゃんは、とにかくキレまくるし、デンゼルは緊張しっ放しでマッソーの飄々とした持ち味から生まれるゆとりが全く無いから、テンションは上がりっ放し。それは、おそらく監督のトニー・“トップ・ガン”・スコットの意図したところなのだろうけれど。CM畑出身のスコットらしく、MTV風のカメラワークと編集は時としてエネルギー・レベルアップに効果的だったけど、ちょっと多用し過ぎたきらいがあって、鼻についたところも。しかし、中盤、身代金を届ける警察のカーアクションの迫力は御見事。或るシーンでは、思わず「オーマイガッ!」と両手で頭を抱えてしまったよ。

ちょっとサービス過剰な展開・演出・台詞もあったけど、「ミスティック・リバー」のブライアン・ヘルゲランドの脚本はかなりタイトに構築されていて、全く飽きることの無い2時間弱。映画館の御代の価値アリの映画でした。(って、試写会だったからタダだったんだけどねー笑)

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