Tuesday, August 19, 2014

イントゥ・ザ・ストーム


CinemaNerd Chronicle と称しているのに、ここのところバレエねたばかりだったので、久しぶりに(笑)映画の御話を。

竜巻を主題にしたパニック映画(英語ではdisaster movieと呼びますが)の新作「イントゥ・ザ・ストーム」の試写を観に行った。
内容は、一言で言ってしまえばオクラホマの小さな町を未曾有の大きさの竜巻が襲う、というストーリー。竜巻を追うドキュメンタリーを製作しているクルーと地元のハイスクールに通う兄弟とそのハイスクールの教師でもある父(「ホビット」のトーリンことリチャード・アーミテッジ。トーリンとは全然違うルックスなんで判らなかったよ〜)を中心に話が展開するが、見どころはズバリ、竜巻が地上にあるものを食い尽くすかのように破壊していくシーン。ヒューマン・ドラマの部分は至って陳腐で、TVの2時間スペシャルのレベルだけど、パニック映画が好きな人だったら竜巻のシーンを観るだけでも楽しめると思う。

私も、パニック映画は嫌いじゃないけど、まあ入場料タダの試写じゃなかったらわざわざ12ドルとかのチケット代を支払って観に行く映画でもないと考えただろう。
ただ、映画評論家の中にヒューマン・ドラマの部分の質が御粗末だから、ということで、この映画に否定的な評を書いている人が多かったけど、こういうB級映画はB級映画なりの楽しみがあるわけで、そういう映画に対して上質なヒューマン・ドラマを期待してもなあ...という気はする。逆に、ヒューマン・ドラマの部分まで良く描けていたパニック映画「大空港」や「ポセイドン・アドベンチャー」、「ジョーズ」などは、だからこそ名作として高く評価されているわけで。
映画はそもそも、汽車が駅に入って来るところを写した映画を観ていた観客たちが汽車が自分のところに突進してきた!と勘違いしてパニクったり、食べ物を投げまくって大人たちを困らせまくるベビーを観て大笑いしたりといった見世物的メディアとして世に紹介されたわけだから、もの凄い竜巻が建物をぶち壊して車や飛行機、そして御約束の牛(笑)を空に巻き上げていくところを「スゲー!」と感嘆して観るだけの楽しみというものもあって良いのではないかと。

ということで、SFXで素晴らしく映像化されたスーパー竜巻を観るだけで満足、という人にはオススメの「イントゥ・ザ・ストーム」でした。




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