Wednesday, September 17, 2014

「THE DROP」


「ミスティック・リバー」や「ゴーン・ベイビー・ゴーン」のデニス・ルヘインの短編小説を基にしたという新作「The Drop」の試写を観に行った。

原作の短編小説は「Animal Rescue」というタイトルで、舞台はルヘインのホームタウン、ボストンのドーチェスター地区だが、映画ではブルックリンに変えられている。
主人公のボブ(トム・ハーディ)は、従兄のマーヴ(ジェイムズ・ガンドルフィーニ)が経営しているバーでバーテンダーをしている。マーヴは、自分の名を冠したこのバーのオーナーだったが、いろいろあってバーを手放さざるを得なくなり、今ではチェチェン・マフィアに所有権を譲り、マーヴの店は“ドロップ・バー”と呼ばれる犯罪組織がらみのワケありな金の“落とし”(集金)場所となっていた。
バーテンダーの仕事が終わって帰途に着いた或る日、ボブは通りがかった家のゴミ箱に捨てられた犬を見つけるが、その家に住むナディア(ノオミ・ラパス)に見とがめられる。ボブが怪しい者ではないと判ると、ナディアはケガをしていた犬の手当を手伝ってやる。
その数日後、エリック(マティアス・スーナールツ)と名乗る男がボブの家を訪ね、捨てられていた犬は自分のものだと主張するのだが...

ルヘインの原作を脚色したのは、ルヘイン本人。映画の脚本を書いたのは、これが初めてだそうだが、なかなか良く出来ていた。
監督は、エリック役のスーナールツ主演で撮った「闇を生きる男」がアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたベルギー出身のミヒャエル・R・ロスカム。
ルヘインの小説も登場人物も非常にアメリカ人(正確に言えばボストン人)的なのだが、監督はベルギー人、主演男優はイギリス人、その相手役はスウェーデン人、敵役もベルギー人と、主要なキャストは、ガンドルフィーニ以外、全員外国人だというのは面白い。
ガンドルフィーニと言えば、この作品が遺作になった。マーヴ役でも非常に良い仕事していたので、改めて惜しい俳優を亡くしたと痛感した。

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