Friday, October 3, 2014

「ゴーン・ガール」


女流サスペンス小説作家、ジリアン・フリンのベストセラー小説「ゴーン・ガール」をデヴィッド・フィンチャーが同名映画化した作品を試写で観た。

「ゴーン・ガール」の主人公はニック。ニューヨークでライター業をしていたが、不況で解雇され、なかなか職が見つからずにいたところ、母がガンになったという知らせを受けて、妻のエイミーと故郷のミズーリに帰って来る。
エイミーも雑誌のコラムニストをしていたが、両親が彼女をモデルにした児童書シリーズ「アメイジング・エイミー」というベストセラーを書いていたため、ちょっとしたセレブリティ的な身分だった。根っからのニューヨーカーであるエイミーは、ミズーリの田舎町の生活に慣れずにいたが、結婚記念日に謎の失踪を遂げる...

「ゴーン・ガール」の原作は、ニックの視点で書かれた部分と、エイミーの書いた日記の部分という2つの「声」で語られていくスタイルを取っており、映画化するにあたっては、中盤まで真相を露呈させることなく映像化させることが難題の1つだったに違いないが、映画の脚本執筆に初挑戦した原作者のフリンは、その点、非常に良い仕事をしたと思う。
得意なサスペンス・スリラー・ジャンルだけあって、フィンチャーの演出も申し分無い。安っぽい三流サスペンス映画の定石となるような、嫌らしいサプライズを仕掛けること無しに、観客をハラハラドキドキさせる手腕はさすが。
キャスティングのチョイスも良かった。主役の2人を演じるベン・アフレックとロザムンド・パイクは、原作を読んだ際に私が想像していたニックとエイミーとはイメージがちょっと違うので、最初は少し違和感があったが、じきに慣れた。特にパイクのエイミーは素晴らしかった。西洋人にしてはあっさり顏なのだが、一見特徴無く見える眼がここぞという時に発揮する目力が凄かった。

ただ、原作の読後感もそうだったけれど、観た後、決してスッキリする映画ではありません。
とりわけ、女性不信におちいっている男性は避けた方が良い映画だし、デートにも向かない映画でしょう。








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