Saturday, June 20, 2015

「カリフォルニア・ダウン」


英語でguilty pleasure=認めたくはないが実は好きなもの、という言葉があるが、私のギルティ・プレジャーの1つにパニック映画がある。
古くは「大空港」や「ポセンドン・アドベンチャー」、「タワーリング・インフェルノ」、最近では「ボルケーノ」とか「デイ・アフター・トゥモロー」。名作などではないけれど、楽しめなかったと言ったら絶対ウソになる映画だ。

というわけで、ロック様ことドウェイン・ジョンソンが主役の「カリフォルニア・ダウン」だって観ないわけにはいかない。
ということで、試写を観に行ったのだけれど、けっこうトンデモ映画でしたねえ、これが。

物語は、山間をぬうカーブの多い道を飛ばしていくブロンド女子から始まる。「ああ、こりゃ、道から外れて落ちるよね、絶対」と思っていたら、案の定、落石が起きて、ブロンドは道から外れて宙ぶらりんになった車の中で絶叫。
そこに救出に来るのがロック様ことLA消防隊のレイ。もちろん危機一髪のところで自慢の筋力でブロンドを見事救い出します。

一方、地震予知を研究しているポール・ジアマッティ演じるカリフォルニア工科大学の教授は、同僚と共にフーバーダムで研究調査を実施している最中に、マグニチュード7.1の地震に見舞われる。その衝撃でダムは決壊。同僚は決壊したダムに飲み込まれてしまう。

レイには、別居中の(あるいは離婚した)妻エマが居て、ティーンの娘ブレイクは母親とその彼氏ダニエルと同居しているんだけど、ネバダを襲った地震の救援活動のため、レイはブレイクをサンフランシスコに連れて行く約束を反故にするハメになる。ガッカリするブレイクだが、所用でサンフランシスコに行くというダニエルに彼の自家用機で連れて行ってもらうことに。
独り残ったエマは、ダニエルの姉と高層ビルの最上階のレストランで会食することになるが、その時、ロサンゼルスも巨大地震に襲われる...

フーバーダムやロサンゼルス、サンフランシスコが揺さぶられるシーンはなかなかの迫力があって、今どきのハリウッドのCG技術の凄さを再認識させられる。
が、いかんせん、御都合主義な展開があまりにも多過ぎ〜。ま、パニック映画というジャンルでは、御都合主義が多かったりするのは解るんだけど、それにしても過剰投与気味。「いや、それはいくら何でも無理だろ」とツッコミたくなるところが次から次へと出てきて、映画館の暗闇で何度失笑させられたことか。
それと、高層ビルの倒れ方がものすごくウソっぽい。べガスの老朽ホテルの取り壊しじゃあるまいし。それだけでもかなり興ざめ。
地震学の専門家によると、断層や津波の描写もあり得ないとのことだし、映画ではサンアンドレアス断層が史上最大であるマグニチュード9.6の地震を引き起こしたという事になっているけれど、同断層はマグニチュード8.3以上の地震は起こし得ないんだとか。

映画は絵空事だというのは解っているけれど、せっかく地震学者のキャラも登場させて、ちょっとした地震の説明とかもさせているんだから、科学考証をもうちょっとキチンとしてもらいたいと思ったのでした。

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