Friday, December 9, 2011

YOUNG ADULT ヤング≒アダルト



シャーリーズ・セロン主演、ジェイソン・ライトマン監督の新作「YOUNG ADULT」を観に行った。(ところで、邦題は「ヤング≒アダルト」となっているんだけど、「≒」マークって「ほぼ等しい」という意味のはず。YOUNG ADULTは、文字通り、「youngなadult」という意味であって、youngとadultが「ほぼ等しい」って意味不明なんだけど...配給会社さん、シャレてみたつもりなのかもしれないけど、意味不明の邦題つけてどうすんのよ?)
セロン演じるヒロインのメイヴィスは、ミネソタ州内の大都市、ミネアポリスに住む37歳の独身女。最初の数分の映像で、彼女の暮らしぶりが理想的でもなく充実しているわけでもないことが、ハッキリと判る。落ち目になってきているヤング・アダルト小説シリーズのゴーストライターをして生計を立てている彼女は、今日もやる気が出ないまま、コンピューターに向かって新作の草稿を書き始めるが、高校時代のボーイフレンドが、彼女を含むクラスメイトたちに送ってきた娘が生まれたという写真付きEメールを読み、衝動的に故郷のミネソタ州マーキュリーを訪ねてみることにする。高校時代に聞いた思い出の曲をカーステレオでガンガン鳴らしながら、故郷へのフリーウェイをひた走るメイヴィスの心にはある計略が宿っていた...

「ヤング・アダルト」(意味不明な「≒」はウザイので以下、それを無視してこう書かせていただく)の脚本を書いたのは、「ジュノ」で脚本家デビューするなりいきなりオスカーを獲ったディアブロ・コーディ。ニューヨークにでも出て、自分の名前で本を出版して成功している作家、というわけではなく、ミネソタ州の田舎町から同じ州の大きな都市であるミネアポリスに移り、ゴーストライターをしているだけで、「自分はマーキュリーなんかに留まったルーザーたちとは違うんだから!」というオーラをまき散らしているイタいヒロイン像を鮮やかに書き込んでいる。そして、それを「マイレージ、マイライフ」のライトマンが実に細やかに演出。そして、それを呆れるほどのリアリズムで演じているセロンに大いに感心した。コメディっぽい演技は、なかなかアカデミー賞に認められにくいものだけれど、この映画でのセロンはオスカー候補になる価値が充分ある仕事をしていると思う。
日本では、2012年2月公開予定。オススメです。




追記:この項、最初のバージョンではミネアポリスを「ミネソタ州の州都」と書きましたが、以前、ミネソタ州に住んでいた友人から、ミネソタ州の州都はセントポールだと教えてもらいました。(K子さん、ありがとうね)はからずも、アメリカの地理に対する私の知識の無さが露呈してしまって恥ずかし〜〜〜。去年、娘がアメリカの州とその州都を答えるテストの準備勉強をしていたけど、私も一緒に勉強すれば良かったってか...

No comments: