レベルEの生徒たち。デモンストレーションの前にハイ、ポーズ
カンザスシティ・バレエ(KCB)の5週間に渡るサマーインテンシブは、7月17日に無事終了。
娘をカンザスシティまで迎えに行きがてら、最終日のデモンストレーションを観に行きました。
デモンストレーションは、レベルA〜Cが午前中に、D〜Fが午後にと、分かれてスケジュールされており、Dはジャズとレパトワール、Eはコンテンポラリーとレパトワールと2つずつでしたが、一番上のFは、コンテとレパトワールの他に、「白鳥の湖」のパドドゥの一部と、KCBのアーティスティック・ディレクター、デヴォン・カーニーが振り付けて今年初めて披露するという「くるみ割り人形」の中から「花のワルツ」の一部抜粋を習って見せてくれました。(一般に公開するのはこれが初めてとのことで、写真撮影及び録画は禁止でした。)
娘の属していたレベルEのレパトワールは、先生の1人がフォーキンの「レ・シルフィード」にインスパイアされて振り付けたという作品で、ショパンのワルツの生ピアノ演奏で踊られました。振付自体はクラシックで綺麗だったのだけれど、娘は履くつもりでいたというベストのポアントシューズを間違って荷造りしたスーツケースの中に入れてしまい、捨てるつもりでリボンとゴムを外してしまっていたポアントシューズしかバッグに入っていなかったという超御間抜けなミスをしでかして、死んでいたシューズに急いでリボンだけ縫い付けて踊ったため、途中で何回か靴が脱げるという事態に。ビデオを撮っていて「なんか変だなあ〜」と思ったら、後でそういうハプニングがあった事を告げられました。撮影中は気がつかなかったけど、後で動画を観たら、靴がすっぽ抜けてデミポアントで立っている所が何箇所か見つかってガッカリ... これまで公演などではそういうミスをしたことが無かったので、ちょっと驚きましたが、ドミトリーの退出時間が決められていて大急ぎで荷造りして慌てちゃったんでしょう。まだまだ未熟やのう〜〜
レベルE、レパトワール。最後のポーズはこんな感じ
コンテンポラリーの方は、KCBの団員で、これまでKCBのためにも振付を手がけたことがあるという先生の作品で、テクノ/ダンス・ミュージック(?)のMIAの「Bird Flu」という曲を使ったもの。曲のタイトルにちなんで、ちょっと鳥っぽい動きとかが入れられていました。私はコンテンポラリーって、それほど好きではなかったんだけど、このダンスは面白かったですねえ。
「Bird Flu」、最後のポーズ〜
レベルDとFのジャズやコンテは短過ぎてあまり面白くなかったので、レベルEの子たちはちょっと得したかな〜という感じ。
でも、逆にDのレパトワールは、ネオクラシカルな作品で非常に面白かったです。娘も「あっちの方が踊りたかった〜〜」だって。欲を言えば、振付に対してDの子たちの技術力と表現力とがちょっとついていっていなかったかも。あの作品はFの子たちが踊ったらもっと違った印象の作品になったのではないかと。
一方、Fのレパトワールは、ハチャトゥリアンの「マスカレード」を使った作品だったのですが、18人の女性に9人の男性という人数だったので、ちょっとゴチャゴチャしちゃったかなというのが正直な感想。「マスカレード」は、ウエストサイド・バレエの故イヴォンヌ校長先生もオリジナル振付作品に使っていて、身びいきながらイヴォンヌ先生の作品の方が良かったかな〜なあんて、こっそり思っちゃったりしました。
レベルEの場合、レパトワールは2週目ぐらいから週2回の練習を始めたそうで、練習量としては7〜8時間ぐらい。コンテの方はもっと少なくて計3時間で振付を憶えて踊らねばならなかったそうです。デモンストレーションの際に校長先生もおっしゃっていましたが、プロになると、急遽、振付の変更や追加があったりして、それをすぐに会得してステージで踊るレベルに仕上げなければならないという能力も要求されるから、このデモンストレーション・パフォーマンスは、そういう能力を鍛える意味もあるとのこと。なるほどねえ。
デモンストレーションの後は30分ぐらい、生徒たちはクラスメイトとの別れを惜しんだり、迎えに来た親たちは先生に御礼を言ったり、他の親と挨拶を交わしたり雑談したりしてから、それぞれの帰途に着きました。
5 comments:
デモンストレーション、楽しそう!それにしても、潰れちゃったポワントでよく頑張りましたね。
あとで爪先や脚が痛くなったりしませんでしたか?女の子はやっぱり大変だなぁ…
私もコンテンポラリー系ってあんまり好きじゃないんですが、踊る人のテクニックと振付が良いと面白いですよね。
そうそう、息子と同じバレエ教室に通っている女の子がカンザスシティ・バレエのSIに参加したそうです。まだ12歳だし、寮に入らず知り合い宅に滞在していたそうなので、お嬢さんとは知り合いではないかもしれませんが…。来年もカンザスシティに行きたいのだそうです。サンフランシスコバレエから来ていた先生が良かったとか、そんな話をしていました。
げんさん:
潰れちゃったポアントしか持っていなかったって、どんだけアホなんだ〜〜??って感じですよね。まあ、「くるみ割り」の舞台とかじゃなかっただけマシかもしれませんが。
息子さんと同じ教室の御嬢さんは、そうですね、娘のクラスは14歳〜20歳という年齢層だったようなので、残念ながら会わなかったと思います。
KCBは、あまり知られていないプログラムの割には、指導陣が充実している印象を受けました。特に中西部に住んでいる人だったら行きやすいし、理想的なプログラムだと思います。娘もサンフランシスコ・バレエのプリンシパルの男性ダンサーと、バレエ・スクールの方の先生の指導がとても良かったと言っていました。
息子さん、SABのSIはいかがでしたか?良かったら御感想聞かせてください〜。
14〜20歳って幅広いですね〜!上はもう大人じゃないですか…ものすごく差がありそう。
ところで、SABのSIはすごく良かったそうです。レッスンのレベルも生徒のレベルもPNBより高かった分、受けた刺激も大きかったようで、来年も絶対に行きたいと言っています。
最終週にJock Soto先生のクラスを見学したのですが、息子がいつもクラスの一番後ろにいて、順番で何かをやる時には一番最後に踊るので、途中で名指しで笑われていました。"You cannot be too polite in the ballet world!"と…。地元の教室では女子数十人に対して男子は息子1人なので、いつも後ろ&最後、というのにすっかり慣れてしまっているせいもあるかもしれません。が、もともと自分から積極的に前に出て行くような性格ではないので、これから損をすることが多そうです。ちなみに、見ていて腹が立つほど自己アピールしまくっている子がいました(笑)
そうそう、去年は中級クラス18人中14人がイヤーラウンドに誘われたそうですが、今年は19人中0人だったんですよ。実は昨年SABを出て行った人が少なかったらしく、寮がいっぱいなんですって。息子は今年の秋からSABで寮生活をしたいと希望していましたが、来年までおあずけになってしまいました。でも私はあと1年は息子と一緒に暮らせるようになったので幸せです。
げんさん:
KCBのレベル分けは能力だけじゃなくて年齢も考慮に入れられていたので、こういう状態になったようでした。それでも、娘曰く、年齢が上だからということで上から2番めのレベルに入れられたのだろうという子たちは、あまり上手ではなく時として他の子たちが出来る事がなかなか出来ずに、クラスの御荷物になることもあって、その点が困りものだったそうです。
SAB、とっても充実していたようで何よりでした。(^^)
SABのサマープログラムは、行った子に依ってけっこう感触が違うんですよね。息子さんのように「すごく良かった!来年も是非行きたい!」と言う子も居れば、「全然良くなかった。為になったとは思えない」という子も居たりして。3年前&4年前にLAで行なわれたヤングダンサーのためのワークショップに参加した娘の話だと、SABの先生って気に入った子にはとことん丁寧に指導するけれど、見込み無しだと思う子にはろくに見もしないそうです。まあ、どんなバレエ・クラスでも、どんな先生でも100%均等に指導するなんて不可能だとは思いますが、SABはその傾向が極端だそうで。(もっとも、これは女子のクラスの話で、男子クラスはまた別なのかもしれませんが。)
逆に言えば、息子さんは見込みがあると思われたわけだから、素晴らしいことだと思います。SABは卒業後の就職も抜群なので、将来も楽しみですね〜〜(^^)
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