Sunday, June 17, 2012

裏切りのサーカス


遅ればせながらジョン・ル・カレのスパイ小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」の映画化作品「裏切りのサーカス」をDVDで鑑賞。

スパイ小説を映画化した本作は、登場人物が多い上、イギリス英語をつぶやくように話す会話が多くて、途中、何度もプレイヤーを一時停止して、一緒に観ていたダンナに「今、何て言ったの?」と聴く羽目になったが、ダンナも「ん~、僕も解らなかった。もう1度プレイバックして」なんて言うことも多々あり。
それでも、後半、次第に謎が解き明かされていく過程はスリリングだったし、何より、ゲイリー・オールドマン、コリン・ファース、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチら、英国俳優たちの視線1つ、唇の歪ませ方1つで、多くを語れるようなニュアンス豊かな演技が楽しめる作品だった。とかく騒々しくなりがちなアメリカ映画とは対照的な、青ざめた静けさをたたえた雰囲気も良い。

ちなみに、邦題にある「サーカス」とは、イギリス情報局秘密情報部(時代背景を70年代とする本作では軍情報部第6課)の通称。でも、日本でそんな事を知っているごく僅かだろうから、「裏切りのサーカス」というタイトルだけでスパイものと判るのは難しいんじゃないのかなあ...

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