Saturday, September 17, 2011

「くるみ割り人形」シーズン



今年も「くるみ割り人形」のシーズンに入った。
オーディションは8月20日に行なわれ、その約2週間後に役の発表が始まった。

娘が今年いただいた役は「キャンディ・ケーン」。一般の「くるみ割り人形」には無い演目だが、創始者のイヴォンヌ・モーンジーが、序曲を使って、ポアントシューズで舞台デビューする生徒たちのために振り付けた作品である。(上の写真は、その「キャンディ・ケーン」の衣装合わせ光景)
振り付け自体には大して難しい技巧は含まれていないが、なんといってもポアントで初めて踊れる役なので、娘のレベルの生徒たちにとっては一番踊りたい役だが、クララ役のダブルキャストの子を入れて9人しか踊れないので、選ばれなかった子たちはガッカリ。毎年のことではあるが、「くるみ割り人形」の役が発表される9月はスタジオの雰囲気もピリピリとしたものになる。
それでもまだ、役が発表されたのは群舞のみの段階なので静かなものだが、これから、センターと呼ばれる周囲のダンサーたちに囲まれて踊る役の発表の時期になると、「どうしてあの子があの役なの?私の方が上手いのに!」的な感情が流れて、これぞ「ブラック・スワン」の世界!...というのはオオゲサだが、山岸凉子のバレエ漫画に描かれてもおかしくないような世界が展開する。中でも一番、困るのはモンスターペアレントの存在。「ウチの娘はどうして一役だけなのか?」、「ウチの娘だけどうしてあの役を踊れないのか?」などなどと、不満をたっくさん抱えた親たちが不満を訴えたりする。親と生徒の中には、何げにイヴォンヌ校長の注意を引こうとわざとらしく自己紹介したり、担当教師に花を届けたりと、露骨なPR作戦に出る人たちも居たりして、スタジオのロビーに居るとTVドラマを観ているより面白いと思う話が見聞きできる。
嗚呼、これだからバレエ・ママは止められん!

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