Wednesday, November 2, 2011

ANONYMOUS



締め切りがすんごいことになっているけど、ずーっと更新していないので、先週観た映画「Anonymous」の感想を簡単に書くことにする。

「Anonymous」は、シェイクスピアの名作の数々を書いたのは、ウィリアム・シェイクスピアという名の人物ではなく、素晴らしい文才を持ちながら貴族という身分上、戯曲を書くことなど許されていなかったというオックスフォード伯、エドワード・ドゥヴィヤーではないかという仮説に基づいた歴史サスペンス・スリラー。監督は、「ID4」や「デイ・アフター・トゥモロー」などパニック映画を得意とする事で知られているローランド・エメリッヒという、ちょっと意外な人選。
エリザベス一世時代の歴史に詳しければ、もっとずっと面白く観られたと思うのだけれど、高校時代、西洋史はあまり真面目に勉強しなかったのがたたって、ウィリアム・セシルって誰だっけ?スコットランドのメアリーとエリザベス一世の関係は?今の英国王室の先祖じゃないんだよね、この人たちは...?などと、途中で何度も「?」マークが去来したのがつらかった。
でも、完全にCGIで再現したロンドンの街や、ロンドン塔、グローブ座などは、さすがCGI慣れしているエメリッヒだけあって、見応えがあった。

ただ、史実に物言いをつけて構築した仮説を基にした作品でも、その仮説を論証しようとするだけでなく、その事象に関わる人物たちを細やかに描いていないと、厚みの乏しい作品になってしまう。その点で、「Anonymous」は例えば「アマデウス」にはちょっとかなわないかなあ...という気はした。

シェイクスピア贋作説については、IMDBからリンクされているクリップでエメリッヒ本人が解説しています:
http://www.imdb.com/video/imdb/vi1157013017/

No comments: