Sunday, November 6, 2011

MADE IN DAGENHAM



ハリウッドの大手映画会社の作品は、たいがい試写で行けたりするが、インデペンデント系スタジオの作品や外国映画だと、インタビュー取材などの仕事をしない限りは試写状はもらえないし、一般公開も劇場が限定されていたり、公開期間が短めだったりして、観たいと思っていてもなかなか観る機会が見つけられないうちに公開が終わっていたりして、悔しい思いをすることが多い。そのような映画は極力、憶えておいて、DVDが出てから観ようと努めている。

今夕観た「Made in Dagenham」もそんな映画の1本。
イギリス東部のエセックス郡のダーゲンハムに在る米自動車会社フォードの工場で、1968年に実際に起きた女子工員たちのストライキを素材した、いわゆる実話もの。
ダーゲンハムのフォードで働くリタ(サリー・ホーキンス)と彼女の同僚たちは、決して理想的と言えない環境の工場で、毎日、フォード車のシートに使われる合成皮革のカバーを縫う毎日をおくっていた。そんなある日、労働組合のオルグのアルバート(ボブ・ホスキンス)が、彼女たちは「非熟練工」とみなされることになったと告げる。劣悪な労働環境で長時間働いていた彼女たちの不満は、この決定で爆発する。男性メンバーが圧倒的に多いフォード社の労働組合は、アルバートを除いて、会社側の言い分を聞いて丸く収めようとするが、事の本質は熟練/非熟練の問題ではなく、男女で賃金差があることに根ざしていることをアルバートから聞いたリタは、自分のため、自分の同僚たちのため、そして全世界の働く女性たちのために、立ち上がることを決心する...

DVD観賞後、ちょっと調べてみたら、リタのキャラクターは、実際に起きたストライキに関与した複数の女性たちを組み合わせたものらしいが、それでも、ごく普通の労働者階級の女性たちが、1960年代に賃金の男女格差の不平等さに気づいて、大企業と闘って勝利を収めたというのはすごい事である。
こういう話は、いかにもアメリカ的だが、実際にはイギリスで起こり、それが世界の産業国での賃金の男女格差の撤廃につながっていったという史実は興味深いと思った。

ところで、この「Made in Dagenham」って日本未公開なんですね。DVDですら公開されていないのは、かなり意外。
まあ、2010年の作品なので、来年あたり公開されることになるのかもしれないけれど、アメリカでは80%の評論家の支持を集めた評価の高い作品なので、強いヒロインが好きな人、弱者が強者に闘いを挑むといった話が好きな人にはオススメの作品であります。

No comments: