Monday, September 3, 2012

ROBOT & FRANK


Labor Dayという夏の最後を記す国民の祝日の三連休に友達一家と「ROBOT & FRANK」という映画を観に行った。

時は「近未来」。主人公は独り暮らしをしている70代のフランク(フランク・ランジェラ)。フランクは30年前に妻と離婚。息子(ジェームズ・マースデン)は結婚して車で2時間ちょっとほど離れているところに暮らし、娘(リヴ・タイラー)はトラベルライターで世界中を旅して回っている。
最近、物忘れがひどくなり、家の中もろくに片付けられなくなっているフランクを心配した息子は、或る日、家事手伝いをするロボット(声:ピーター・サースガード)を父に調達してくる。
フランクは「冗談だろ。そいつなんか置いておいたら、寝てる間に殺されるのがオチだ」と憮然とし、最初はロボットに対して無視したり攻撃したりする態度に出るが、次第にその便利さもわかってくるようになる。
フランクの数少ない楽しみの1つは、地元の図書館に通って本を借り、若くはないが魅力的な司書(スーザン・サランドン)と会話をすること。しかし、本はダウンロードして読むのが普通になって、実際に本を借りる人など居なくなった時代になり、図書館は閉館することになってしまう。
「アクティビティは老化を防ぐから」ということでフランクにガーデニングを推奨するロボットに対し、フランクは現役時代のスキルを活かした別のアクティビティを提案する...

「ROBOT & FRANK」の最大の魅力はフランク・ランジェラだ。老いていく自分に対しての苛立ち、息子や娘が自分のことを理解してくれないことへのもどかしさ、ロボットに対しての感情の変化などを、実にデリケートで微妙なニュアンスを含む演技で見事に体言している。
アカデミー賞主演男優賞にノミネートされて然るべき演技だと思う。

脚本も実に良く書けている。大笑いさせられるシーンも多くあるが、それでいてコミカル過ぎず、ホロリとさせられるところもセンチメンタルにはしること無く、こちらの心にじわ~~~と沁みるストーリーになっているのに感心させられた。

監督は、ジェイク・シュレイヤーという人。脚本を書いたクリストファー・D・フォードと共に本作が劇場用長編映画の第1作めだというのが信じられないぐらい上質な仕事をしている。

アメリカ映画は金だけはかかっているが幼稚な駄作ばかりだ、と嘆く映画ファンには、是非、観てもらいたい作品である。

*このブログで映画やTVの紹介をする際は予告編のクリップも載せるようにしているが、「ROBOT & FRANK」の予告編は、あまりにも内容を明らかにし過ぎなので、載せないことにした。アメリカでの配給を担当しているコロンビア・ピクチャーズは、この映画のハイライトをエサに客を呼び込もうとしているのだろうが、ネタバレもいいところである。Shame on them!

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