Saturday, September 1, 2012

PERCEPTION

左からレイチェル・リー・クック、エリック・ マコーマック、アージェイ・スミス

TV番組をデジタル録画できるDVRがいきなり壊れてしまい、観ようと思って録っておいた番組が全てパーになってしまい大ショック。
まあ、最近では大抵のTVドラマはDVD化されるし、局によっては再放映もあったりするので、いつかは観られることもあるのだろうけれど、困ったのは9月中旬になるまではTVの新シーズンが始まらないゆえ、暇な夜にスイーツやスナックを食べながら観るものが無くなってしまったこと。

そこで、ハリウッド・フォーレン・プレスのメンバーで映画ライター仲間のKさんからいただいたTVドラマのサンプル・エピソードが入ったDVDを観ることにして、この夏から始まった「PERCEPTION」というドラマを選んでみた。

Perception、すなわち知覚というタイトルのこのドラマの主人公は、Dr.ダニエル・ピアース(「ウィル&グレイス」のエリック・マコーマック)。優秀な神経科学者だが、自身も軽い精神分裂病にかかっており、日常的に幻覚をみる。
そんな不安定な彼をサポートするのは、アシスタントのマックス・ルウィッキ(アージェイ・スミス)。エキセントリックなピアースに辛抱強く付き合うが、ピアースが法外な言動にはしるとキレることも。
第1話では、大学で教鞭をとるピアースに、かつての教え子で今はFBIのエージェントになったケイト・モレッティ(久しぶりに見た!レイチェル・リー・クック)が訪ねてきて、ピアースの専門知識を活かして捜査に協力して欲しいと頼み込んでくる。
ピアースの助力で見事、事件は解決し、それ以来、ピアースは特別顧問的な役割でFBIの捜査に参加することになる。

「PERCEPTION」は、エキセントリックな探偵が事件を解決する、いわゆるシャーロック・ホームズ・タイプの犯罪ドラマである。古くは「刑事コロンボ」、最近では「メンタリスト」といったドラマに近い。キャラ的には、ちょっと精神がイカれている天才科学者という点で「フリンジ」のDr.ビショップに最も近いものがあるかもしれない。
ピアースの強みは、潜在意識から生まれる幻覚である。事件に関連した要素を持ち合わせている人物の幻覚が、彼の前に現れ、事件解決のヒントを示唆する。犯人からの暗号を解かねばならないエピソード「Cipher」では第二次大戦中の英国軍の暗号解読係(「プリンセス・ブライド」のケリー・エルウィスがゲスト出演!)が登場したり、宗教団体が絡む事件を描く「Messennger」ではジャンヌ・ダルクが登場したりする。
お懐かし、ケイリー・エルウィス(左)

中には、多少、御都合主義的にストーリーが展開するエピソードもあったが、毎回、ピアースの前にどんな幻覚が登場してどのように事件解決に役立っていくのかを見ていくだけでも結構面白い。また、本物の医者が観たら噴飯ものだったりするのかもしれないが、脳や神経を取り巻くトリビアも、人体や医学に関心のある私には興味深かったりする。(例えば、昏睡状態に陥った被害者の脳をスキャンしながら、質問をして「Yesだったら野球のボールを投げることを考え、Noだったら『ハッピーバースデー』を歌うことを考えてください」と指示する。野球のボールを投げることを考える時と歌を歌うことを考える時では、使う脳の部位が違うから、スキャンされた脳で違うところが反応しているのを使って、返事を解読する、というわけである。)

「Perception」の放映局はTNT。HBOやShowtime、AMCなどのオリジナル・シリーズとは、質の点で格段の差はあるが、平日の夜11時とかに疲れた頭で観るにはちょうど良い程度の娯楽番組だと思う。

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