Wednesday, February 13, 2013
ダイ・ハード/ラスト・デイ(追記あり)
「ダイ・ハード」シリーズの第5作め「ダイ・ハード/ラスト・デイ」(原題はA Good Day to Die Hard」)の試写に行って来た。
「ダイ・ハード」シリーズ最新作のウリは、ジョン・マクレーンが息子(オーストラリア出身でTVシリーズ「スパルタカス」でブレイクしたジェイ・コートニー)と一緒に活躍するということ。1988年の「ダイ・ハード」で大ブレイクを果たしたブルース・ウィリスも今年で57歳。もう25年間もジョン・マクレーンを演じて来て、そろそろ次の世代にバトンタッチしたいと考えているのか、どうかは判らないが、最新作でその布石を敷こうとしているというのは当たらずとも遠からずというところではないだろうか。
その最新作、「ダイ・ハード」シリーズの御約束になっている「えー、そこでそう来るか〜?!」と思わせるド派手なアクションのてんこもり。特に前半のカーチェイスなどは、物理の原則を無視しまくっているとしか思えない無理矢理アクションの連続。Oh, my God!と口あんぐりさせられることは間違い無いだろう。ただし、ここで観客の何人かに「ちょっとやり過ぎ」だと呆れさせてしまう可能性もありそう。
ストーリーは、観客がひたすらアクションを楽しめるようにという配慮なのか(ホントか)、かなり単純な構成になっている。映画は、ロシアの刑務所に入れられた政治犯、ユーリ・コマロフ(「善き人のためのソナタ」のセバスチャン・コッホ)の所へ政治高官チャガリンが訪ねて来て、或るファイルの在処を吐くよう要求するところから始まる。どうやら、コマロフはチャガリンが公にしたくない秘密を持っている様子。そんな折、ナイトクラブでチャガリンの部下が暗殺される。暗殺者はその場で取り押され逮捕される。
場面変わってアメリカ。射撃練習をするジョン・マクレーンの元に、疎遠になっていた息子がロシアで逮捕されたという報せが入る。自分のことを疎んじている息子ではあるが、ロシアで逮捕されたという厄介な状況におちいっているのを見過ごせないマクレーンは、すぐにモスクワに飛ぶ。息子がかけられる裁判に立ち会おうと裁判所に向かうマクレーンだが、そこで予期しない事態に巻き込まれる...
ストーリの展開は急テンポだし、上映時間も97分と最近の映画にしてはかなり短い方だから、派手なアクション・シーンに「あれまあ、すごいこと」と感心したり呆れたりしているうちに終わってしまう作品ではあるが、これまでの「ダイ・ハード」の続編の例に漏れず、第1作めのような緻密で賢いストーリー構成に欠けており、とにかく力技で観客を飽きさせないようにしている感は否めない。せっかく疎遠になっていた父親と息子が再び親子の情を通い合わせるところなど、もう少し工夫して見せて欲しかったが、そのようなシーンもありきたりの見せ方で終わっていたのが残念。
アメリカではバレンタイン・デーに公開される本作、まあティーンから20代前半の若いカップルには格好のデートムービーになりそうだけど、それより上の年齢層にはバレンタイン・ディナーをファミレスで食べることになった、といった物足りない感が残るかもしれない。
追記:
今、某映画サイトの映画評を読んで、この映画の脚本が「ダイ・ハード」シリーズ用に書き下ろされたものではなく、全く無関係なアクション映画として書かれた脚本を転用したものだったということを知った。道理でファミレスで出すような“一般的な味”しかしないと思ったわけである。「ダイ・ハード」シリーズはドル箱フランチャイズなんだから、映画会社も、もう少し丁寧に作ってあげたってバチは当たらないと思うんだけどね...
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