Thursday, July 18, 2013

「パシフィック・リム」


先週の7月10日、ギレルモ・デル・トロの新作、「パシフィック・リム」の試写に行った。

「パシフィック・リム」は、太平洋の海底から巨大怪獣が次々と生まれて来て、環太平洋(Pacific Rim)沿岸の大都市を攻撃してくるのに対し、人類が国際的に団結して、怪獣たちと同サイズのロボットを開発して戦う、という話である。

アレ、それってどこかで聞いた設定なんですけど??

と思う日本人は絶対多いはず。
だって、それって「ウルトラ・シリーズ」そのものだから。

それもそのはず。「パシフィック・リム」はデル・トロが少年時代に愛してやまなかった円谷プロの「ウルトラ・シリーズ」のオマージュなのである。
それが一番顕著に現れているのは、この映画の悪役である巨大怪獣たちが「kaiju」と呼ばれていること。monsterでもcreatureでもなくkaiju。
そして、そのkaijuたちを倒すロボット(こちらはなぜか「ハンター」を指すドイツ語のJaegerと呼ばれている)のパイロットの1人が菊池凛子演じる日本人女性だったりするのも、日本の怪獣映画・ドラマへのオマージュと取れるだろう。

ということで、まあ、ストーリーは予想通りに展開するし、登場人物も「ああ、この人たちは戦死するな...」(苦笑)なんて簡単に先読みできてしまったりするのだけれど、とにかく全編にデル・トロの「怪獣映画愛」が溢れているし、CGIの出来も素晴らしいから、こういうジャンルの映画のファンでなくても充分楽しめる出来になっている。
ちなみに、デル・トロ作品の常連役者、ロン・パールマンは今回もぶっ飛び演技を見せてくれて笑えます。(彼のファンだったら、エンド・クレジットが始まっても席を立たないよーに!)
それから、私の大好きなTVドラマ「The Wire/ザ・ワイヤー」のストリンガーベルこと、イドリス・エルバ(スタッカー・ペンテコスト司令官役)の存在感が実に素晴らしい。彼は本当に立っているだけで絵になる。喩えが変かもしれないけど、東映任侠映画時代の高倉健の存在感につながるものがあるという気がしました。



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