先週の火曜日、今年の夏シーズン映画の先陣を切って公開された「アイアンマン」の試写に行って来た。
「アイアンマン」はいわゆるアメコミを原作とするスーパー・ヒーロー・ジャンルの映画で、「スパイダーマン」が超成功したフランチャイズ映画になり、“休火山的”なフランチャイズ映画になっていた「バットマン」や「スーパーマン」が復活を果たし、さらに「ヘルボーイ」や「シン・シティ」などマイナーなアメコミ作品の映画化も成功を収めてきたここ数年の“アメコミ映画化花盛り”状況を観ていると、少しも意外な映画化ではないのだが、主演のアイアンマンにロバート・ダウニー・Jr.をキャストしたということが明らかになった時点から、注目を集めてきた。
ロバート・ダウニー・Jr.と言えば、オスカーにノミネートされたこともある実力派俳優であると同時に、度重なるドラッグのトラブルで逮捕され、裁判で有罪判決を受け、実際に刑期を務めた俳優として有名な人。その彼が、43歳という年齢で、アメコミのスーパー・ヒーローを演じるということが話題を提供したわけである。
「アイアンマン」の公開に先駆けて、ロサンゼルス・タイムズ紙にダウニー・Jr.のインタビューが載っていたが、その中で、アイアンマンというヒーローは、“ビル・ゲイツとジョージ・クルーニーを足して2で割ったようなキャラ”だから、“俳優が頭の良いふりをするよりは、実際に頭の良い俳優をキャストした方が良い”とコメントされていたが、言い得て妙だと思った。
ロバート・ダウニー・Jr.には、2005年、「キスキス・バンバン」が公開された時にインタビュー取材で一度会ったことがある。
この取材は、彼を囲んで5人ぐらいのジャーナリストがグループ・インタビューをするという設定だったのだが、ダウニー・Jr.は席につくなり、「タバコ吸っても良い?」と聞いてきた。タバコが大嫌いな私は、内心、“嫌だなあ...”と思いつつ、他のジャーナリストたちの「構わないですよ」という答えに対して異議を申し立てなかった。私は、こういう場面では柄にも無く弱気になってしまうことがある。
その時、私はダウニー・Jr.の真横に座っていて、彼には私の表情などは一切見えなかったはずなのだが、ダウニー・Jr.は、私の体から発せられていたに違いない“タバコは嫌いじゃあ~”というメッセージを鋭敏にとらえたのだろう。いきなり私の方に向き直って「タバコ吸って欲しくないんでしょ?」と聞いてきた。あまりに唐突だったので、本音しか言えなかった私に対し、彼は「Why didn't you fucking say so?!(じゃあ何だってさっきそう言わなかったんだよ?)」と突っ込んできたので、咄嗟に「Because I'm Japanese!」と答えたら、ダウニー・Jr.はもちろん他のジャーナリストたちにもウケてしまった。
ダウニー・Jr.は、この会話の後はタバコは一切吸わなかった。私に気配りしてくれたのだと思う。
2 comments:
アイロンマン見ましたが、知的レベルが低いほど評価が高い映画じゃないかな。
世界平和に目覚めると、好みが熱燗に刺身からチーズバーガーや宅配ピザに変わるんでしょうか?
>anonymous(名無し)さん
コメントありがとうございました。
うーん、評論家の多くが知的レベルが低いとは思いませんけど、個人的には“Rotten Tomatoesで94%のハイスコアを出すほどクオリティの高い映画かなあ...”とは思いましたが。
もしかしたら、夏映画第1作ということで、皆、夏気分に浸って評価が甘くなったか、ダウニー・Jr.復活ということで寛大になったというファクターもあるのかもしれません。
>世界平和に目覚めると、好みが熱燗に刺身からチーズバーガーや宅配ピザに変わるんでしょうか?
あははは。
いや、でも、アメリカ人ってしばらくチーズバーガーとか食べていないと、無性に食べたくなるものらしいですよ。私の友人でも、2週間ぐらいのインド旅行から帰って来た時には、バーガー屋に直行したって言っていましたから。
ピザも、有名なグルメ・ピザ屋からのピザというふれこみになっていましたからね。(そのくせ、ちっとも美味しそうに写ってなかったけど...)
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