Thursday, August 30, 2012

PARANORMAN


娘の夏休みの最後の週、彼女がずっと観たがっていた映画「ParaNorman」を観に行った。

両親や姉と一緒に、魔女伝説が語られる小さな町で暮らしている主人公の少年ノーマンは、タイトルが示唆するようにparanormal=超常能力の持ち主。この世に未練を持つ死者たちが彷徨っているところが見えるし、彼らの声も聞こえる。が、周囲はそんな能力のことを信じないから、彼は変わり者=freakだと思われていて、学校でものけ者扱いされている。
そんなノーマンのところに、家族の間でも変わり者として敬遠され続けてきた叔父がやって来て、ノーマンこそ、自分を継いで町を守る役割を担う人間であり、日没までに魔女の埋められた所に行って本を朗読しなければならないと告げる。
半信半疑で、300年前に魔女の呪いをかけられて死んでいった7人の町民の墓で、叔父が遺していった本を読み始めるが...

ストーリーの骨子は、ノーマンが、肥満体の親友や、いじめっ子、自分を小馬鹿にしてきた姉たちの助けを借りながら、何とか町を救おうと尽力するということになるだろうが、寓話的な要素を解読していくと、「自分たちとは違うから」というだけで人を攻撃してはならない、という、いじめの問題、ゲイ差別の問題、違法移民の問題と重ね合わせていくことができる。子供向けの上質の映画には常に、子供が単純に楽しめる「おもて」のストーリーと、大人たちが観た後でじっくり考えてみたくなるような「うら」の内容がある、というのが私の持論なのだが、今回の「ParaNorman」も見事にその条件をクリア。しかも、映像デザインがユニークであるだけでなく、作り方もとても丁寧。それもそのはずで、ParaNormanは「コララインとボタンの魔女」を作ったアニメーション・スタジオ、LAIKAが製作チームに参加している。
「コラライン」が大好きだった!という人、キュートなだけのアニメーション映画では物足りない人やティム・バートンが好きな人、ちょっとブラックなアニメーションが好きな人などには、必見の映画である。
ただし、「コラライン」同様、映像的にかなり怖い場面も多いので、PGレーティングの映画ではあるが、小学校低学年の子供に見せるにはちょっと注意が必要かも…

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