Tuesday, March 20, 2012
THE HELP ヘルプ
今年のアカデミー賞でオクタヴィア・スペンサーが助演女優賞を受賞した「THE HELP」=邦題「ヘルプ~心がつなぐストーリー~」(日本では3月31日に公開予定)を遅ればせながらDVDで観た。
「ヘルプ」は、露骨な黒人差別がまかり通っている1960年代の南部が舞台。大学卒業後、生まれ故郷のミシシッピー州ジャクソンで地元紙のコラムを書くことになったヒロイン、スキーター(エマ・ストーン)が、白人家庭に雇われている黒人メイド(タイトルのhelpは家政婦の意)たちが理不尽な扱いを受けるのを見て、彼女たちの声を聞き書きするプロジェクトを思いついて実行するというストーリーを中心に、エイビリーン(ヴィオラ・デイヴィス)とミニー(スペンサー)ら黒人メイドたちと、ヒリー(ブライス・ダラス・ハワード)やシーリア(ジェシカ・チャステイン)ら白人女性の雇用主たちとの関係を描いている。
スペンサーのミニーは、「風とともに去りぬ」のマミーのアンチテーゼのようなキャラ。演じるスペンサーは確かにアカデミー賞を受賞するに値する巧い演技ではあったが、私には地味ながらニュアンス豊かな演技を披露していたヴィオラ・デイヴィスの方が印象に強く残った。実際、授賞式前の下馬評では、デイヴィスが主演女優賞の最有力候補だったのに、ふたを開けてみたら、オスカーは3度目の正直でメリル・ストリープに行ってしまった。デイヴィスも、すごく残念だったと思う。
↓ エイビリーン役のデイヴィス
「ヘルプ」という作品自体は、一言で言うと、いかにもメイド・イン・ハリウッドの映画。善玉・悪玉がハッキリと分かれていて、ヒーロー(この場合はヒロイン)はあくまでも英雄的で、悪役はあくまで憎たらしい。泣かせどころも笑わせどころも、しっかり用意されていて、エンディングもあくまでアップビート。アメリカでヒットしたのも大いに納得の映画だった。
ちょっとひねくれた映画ファンの私としては、ハワードの憎まれ役にもう少し人間らしさが欲しかったし、黒人メイドたちの中にも、もう少し狡猾さを持つキャラを登場させて欲しかった。スキーターと黒人メイドたちの連帯もあまりにスムーズで、ちょっと御都合主義的なにおいがしなかったでもない。要は、あまりに「ひねり」が無さ過ぎて物足りなかったのでありました。
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