Tuesday, July 24, 2012

Ruby Sparks(邦題:ルビー・スパークス)


「バットマン ライジング」を観た翌日は、「Ruby Sparks」という独立プロダクション系作品の試写を観に行った。

Ruby Sparksの主人公カルヴィンは、19歳の時に発表した小説で天才の出現のようにセンセーションを巻き起こしたが、その後10年間、さっぱりとインスピレーションがわかず、“一発屋”で終わる危惧にさいなまれていた。そんな或る日、カルヴィンは、夢で会った“理想の女性”、ルビー・スパークスを主人公にした小説を書くことを思いつき、久しぶりに経験する執筆意欲に燃えてタイプライターを叩き始める。ところが、数日後の朝、いつものように目覚めて2階の寝室から降りてきたカルヴィンをキッチンで迎えたのは、なんとルビーだった。ごく当たり前のように「朝ごはんに卵料理を作っているんだけど」とカルヴィンに話しかけるルビーに、腰を抜かすカルヴィン。「まだ夢を見ているに違いない」と呟くが、ルビーは現実の存在になってしまったのだった…

自分の想像の産物に恋をするというのは、ピュグマリオンの神話にも登場するストーリーで決して新味のあるものではないが、脚本を書いて主演もこなすゾウイ・カザン(「エデンの東」などで知られる名監督エリア・カザンの孫娘でもある)の天真爛漫なルビーと、ウッディ・アレンの若い頃を思わせるところもあるポール・ダノのカルヴィンの演技がとても自然で、観ていて心地良かった。(カザンとダノは実生活でも恋人同士なので相性がバッチリなのは当然といえば当然なのだけれど)

監督は、「リトル・ミス・サンシャイン」のコンビ、ジョナサン・デイトン&ヴァレリー・ファリス。そういえば、「リトル・ミス・サンシャイン」はふてくされた青年役を演じたダノの出世作でもありました。

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