Wednesday, May 6, 2009

STAR TREK


科学的思考が苦手だし、用語を認識するのも苦手ということで、普段はSF小説とかSFジャンル、特に宇宙が絡んだりする映画は敬遠しがち。

でも、今週の金曜日から全米公開される「スタートレック」は、「エイリアス」や「MI:3」のJ・J・エイブラムスの作品なので、観ておかなきゃ!と気合を入れて試写会に行って来た。

いやあ、行って正解でしたね。
とにかくストーリーに引き込まれて楽しんであっという間の2時間6分でした。

スペクタクル、アクション映画によくありがちなパターンは、まず映画の冒頭に観客の注意を惹きつけるシーンを用意して、一気に観客をストーリーに引きずり込むという作戦なんだけど、J・Jは、息を呑むクライシスを御膳立てしただけでなく、その過程で主要人物たちの生い立ちとか境遇、キャラをしっかり描きこんでいるから、その後に展開するストーリーでも観客が主要人物たちにキチンと共感、感情移入ができる。その辺が、今夏、同様に話題作として認識されている「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」と大きく違うところだと思いました。

いや、「ウルヴァリン」もそれほど悪くはないんだけど、満足感が薄かったなあ、というのが正直な印象。
ヒュー・ジャックマンの肉体美は相当なもので、それを観に行くだけでも、特に女性陣は入場料の価値あり!って感じだけど、いかんせん、ダニー・ヒューストン(巨匠ジョン・ヒューストンの御子息)が悪役というのがちょっと物足りない。サイバートゥース役のリーヴ・シュライバーも猫顔でその辺はピッタリだったけど、ちょっとボディが緩い。等々と、いろいろ突っ込みどころがあって、もうちょっと煮詰めて引き締めて作れば、ずっと良い作品になり得たのにちょっと残念でした。

Wednesday, April 22, 2009

プレウォッシュ

アメリカの一戸建ての家のキッチンにはたいがい食器洗い+乾燥機がある。
食器1つ1つを手洗いするよりは、食器洗い機でまとめて洗った方が水の節約になるというのをどこかで読んで以来、デリケートな食器や什器、木製のもの以外は食器洗い機で洗うようにしているのだが、この食器洗い機、落ちにくい食べ物などは予めざっと洗い流してから入れないと、洗い残しが出てしまうのが困る。

でも、ウチにはプレウォッシュ・マシーンがあるので大丈夫!




我が家のプレウォッシュ・マシーン↓


ただ今御仕事中...






電気代もタダで(エサ代はかかるけど)仕事もキチンとこなす優秀なヤツです。

Friday, April 17, 2009

美は思わぬところに隠れている

インターネットのウィンドウを開くのにMSNのサイトで、こんな話題を見つけた。

イギリスの「スター誕生」、じゃ古過ぎるようだったら「アメリカン・アイドル」のような番組「Britain's Got Talent」に出場した47歳(当時)のスコットランド人女性が、センセーションを巻き起こしているという。
この女性、スーザン・ボイルは、今まで、年老いた母親と暮らしていた無職の独身女性。「1度も結婚したことは無いし、キスもされたことが無い」という、御世辞にも魅力的ではない彼女の夢はプロの歌手になること。今までは教会とカラオケでしか歌ったことが無いという彼女は、「Britain's Got Talent」で初めての桧舞台に立つ…

と、ここで動画を貼り付けたかったんだけど、なぜかYouTubeの動画は貼り付けを拒否。
なので、リンクを貼っておきます。(と思ったら、なぜかリンクすら貼れない…YouTubeの陰謀…?なのでコピー&ペーストしてください)

http://www.youtube.com/watch?v=9lp0IWv8QZY

是非、是非、このURLに行って観てください。
私は、この動画を観て、なぜか涙がボロボロ、最後は号泣しました。美は思わぬところに隠れているということに心を打たれたからかもしれません…

Saturday, April 4, 2009

提案8号と「カビリアの夜」



「キネマ旬報」誌の「ミルク」特集で、カリフォルニア州で提案8号が通った時の現地で経験したことを書くという仕事をした。

提案8号は、2008年5月に、カリフォルニアの最高裁が同性間の結婚を禁止することは州民の平等を謳った州憲法に反するという決議を出して、同性間の結婚を認める判決を下したことに反対する住民投票だった。
リベラルなカリフォルニアで提案8号が通過するのは難しいだろうと言われていたのだが、提案8号を支持する人たちは、モルモン教や、聖書で禁じられているという同性愛を排除するスタンスを取るキリスト教派の教会の信者たちを中心に、積極的なキャンペーンを展開し、11月4日、提案8号を通過させた。

私はストレートな既婚者であるけれど、結婚は、自分が人生を共にしたいという人間との共同生活だと考えているから、それが男性・女性の組み合わせだろうと、男性・男性の組み合わせだろうと、女性・女性の組み合わせだろうと、一向に構わないと考えている。私はキリスト教をはじめ、いかなる宗教の信者でもないゆえ、聖書をはじめとした教典に書いてあることを人生の指針とはしていないから、自分なりの信条に従って生きている。したがって、同性同士で結婚して幸せになれる人たちが居るなら、結婚を認めたって良いじゃないかと、単にそう思っているだけだ。

でも、世の中には自分の考え方・人生観・ライフスタイルと違うことをする人たちを排斥し、自分たちと同じ恩恵を受けさせたくないと考えている人たちが居る。そして、自分が住む州の半分以上の人間が、実はそういう狭量な人間だったということが判った時には、ちょっとショックだった。
黒人初の大統領が誕生したというエキサイティングなニュースを報じると同時に、提案8号が通過したことについて報じる新聞を読んで暗い気持ちになっていた私だったが、何気なく広げた社説ページで次のような投稿が目に入った:

「木曜日の朝、起きた時にはひどい気持ちがした。火曜日の選挙の結果だけなく、同性間の結婚に反対する人たちによる恐怖を利用して世論を操作するレトリックによって心を痛めていたからだった。
でも、その後、Eメールをチェックしたら、友人や家族たちの慰めのメッセージが入っていた。それから、私はこの16年間、付き合っている私の愛するパートナーと共にハイキングに出かけた。その後で、仕事に出かけたら、オフィスで、知り合ってたった数ヶ月しか経っていないストレートな同僚たちが私のところへやって来て、自分たちが選挙の結果をどんなに残念に思っているかを話してくれた。

その時、私には判ったのだ。私たちは、それでもここに居るのだということが。ゲイやレズビアンの人々は、それでも朝、目覚め、朝食を作り、生活費を支払い、その生活費のために必死になって働くという“急進的なゲイの計略”とやらを実行している。
その事実が、どうしてこんなにも満足感を与えてくれるのだろう?それは、提案8号を支持した人々は結婚を保護しようとしただけではなく、ゲイの人々を滅ぼそうとしたからだ。彼らは、私たちを暖かく迎えてくれた州で私たちが安心して生活する自由を破壊しようとした。彼らは、私たちに、仕事など就けない、友達など出来ないと考えさせようとした。ここには溶け込めないと思わせようとした。

そんな彼らに知らせてやりたいことがある:彼らこそ、ここには溶け込めないのだ。私たちは今回は勝てなかったけれど、この国がどのような方向に進んで行きつつあるかは明らかだ。提案8号の支持者たちよ、あなたたちの勝利を満喫するがいい。これがあなたたちの最後の勝利になるだろうから。」

サンタクルーズ在住、ジョーン・モシェラ

(原文)

When I woke up Thursday morning, I felt pretty bad. I was not only troubled by the results of Tuesday's elections but repelled by the manipulative, fear-mongering rhetoric of the anti-marriage proponents.

But then I checked my e-mail and saw messages of consolation from friends and family. Then I went for a hike in the hills with my partner, the love of my life for 16 years. Then I went to work -- where straight colleagues, whom I've known for only a few months, came up to say how sorry they were about the results.

And that's when it hit me: We're still here. Gay and lesbian folk are still waking up in the morning and pursuing our radical gay agenda of breakfast making, bill paying, exercise getting and hustling to bring home a paycheck.

Why is this so satisfying? Because the people who sponsored Proposition 8 don't only want to protect marriage -- they want to destroy gay people. They want to destroy our freedom to live and breathe easily in a state that has welcomed us; they want us to think we can't expect to go to work and find a friend; they want us to think we don't fit in.

Well, I've got news for them: It is they who don't fit in. We may not have won this round, but it's clear which way this country is going. I say to the sponsors of Proposition 8, savor your victory. It's your last hurrah.

Joann Moschella

Santa Cruz

この投稿を読み終わった時、何だか解らないけれど涙が出てきた。多分、その涙は「カビリアの夜」のラストシーンのジュリエッタ・マシーナの微笑を観て目に溢れてきたものと同じ類のものだったと思う。虐げられても、酷い目に遭っても負けずに生きていこうという彼女の強さに感嘆するオマージュの涙だったのではないかと。

Sunday, March 22, 2009

どら平太とオバマ大統領


土曜日は最寄の図書館に寄るのが日課になっていて、昨日は市川昆監督の「どら平太」(2000)をDVDの棚に見つけたので借りてみた。

市川昆監督は、「犬神家の一族」のように娯楽的かつ商業的な作品を撮る一方で、「股旅」のような作家性の強い作品も撮る非常に面白い監督さんだったけれど、アメリカに引越してしまったこともあって、晩年の作品は全く観ていないことに、去年、市川監督が亡くなった際に気づいていたので、これは良いめぐり合わせだと思って借りてみたのでした。

江戸時代の日本社会の仕組みや、「奉行」、「家老」、「藩」など、基本的な考えを全く知らない配偶者に、説明を加えながらの鑑賞は、時としてまだるっこしかったけど、中盤、どら平太が本領を発揮するあたりから、もうガイジンのことは放っておいて鑑賞に熱中。観終わったのは夜中の2時過ぎだったけど、少しも眠くならずに楽しめた。

作品自体は、「用心棒」の椿三十郎的なキャラが「遠山の金さん」の“手口”で世直しをするという、時代劇には珍しくないパターンなのではあるけれど、1つだけ、ガイジンの配偶者をも瞠目させるところがあった。

<ここからネタバレになります>



それは、最後の方のクライマックス・シーンで世直しを敢行した「どら平太」のスピーチ。

どら平太「悪銭に頼っていてはお城の台所は肥えても、ここに暮らす人たちの心は豊かにはなりません。だいたい物があり過ぎるということは良くありません。ほどほどが良いのです。武士も町人も本当の豊かさを求めて、与えられた国土を拓く。自ずから、人それぞれに生きる知恵を愛でる心が育まれて、御家は安泰、良民は万歳です」

アレ…?これって、似たようなことをごく最近聞いたような…?
と一瞬思った後、すぐに閃きました。
そうだ!コレって、一昨日、見たジェイ・レノのトークショーに出ていたオバマ大統領の言葉とほとんど同じ趣旨じゃん!

オバマ大統領「過去15年、20年、我々の経済成長の40%という非常に大きな部分が金融部門によって生み出されてきた。今になって判ったのは、その大部分が現実のものではなかったということだ。それは紙上の金であり、帳簿上の利益に過ぎず、簡単に無くなってしまうようなものだった。我々に必要なのは着実な経済成長だ。大学を卒業してくる若い人たちに、投資金融業者などではなくて、エンジニアや科学者、医者、教師になってもらわねばならないのだ。実際に物を作り、人々の生活を豊かにすることに貢献するような職業への報酬を高くすれば、我々の経済にはしっかりした基盤ができる。そうすれば、過去数年、非常に大きな問題になっているバブル経済のような問題は避けることができるはずなのだ」

つまり、ヤクザ者がヤクザな稼業で儲けた金=金融部門によって生み出された虚構の利益、と置き換え、国土開墾=科学技術に根ざした社会の進歩に置き換えると、どら平太の政策はオバマの政策にピッタリと当てはまるというわけです。
どら平太こと望月小平太は山本周五郎の創造した架空の人物ですが、おそらく江戸時代、そのような政策を考え、実行に移していた賢人大名や名奉行も居たはず。
江戸時代の日本の政治が21世紀のアメリカ合衆国の政治に重なるなんて、ちょっとエキサイティングなことじゃないですか!などと思った土曜日の夜更けでした。

Friday, March 20, 2009

オバマ大統領、トークショーに出演

昨晩のジェイ・レノのThe Tonight Showに、オバマ大統領が出演。現役の大統領がトークショーに出演するのは、前代未聞のことでかなり話題になっている。



オバマ大統領は、相変わらずリラックスした感じ。ジェイも、昨晩はかなりの真面目ムードで、政治の話題を中心に質問。時にジョークを交えながら、それでもジェイの質問にキチンと答えているオバマ大統領を観ていて、「この人、教師や教授でも実に優秀だっただろうな」と思った。私は、経済や政治については無知も良いところなのに、それでもちゃんと理解できるような回答だったから。

私がアメリカに来てから、4人の大統領の任期を経験しているけれど、オバマ大統領はその中でもやっぱり異色だ。この人なら、アメリカ国民のために国政をしてくれるような気がする、と、改めて思った。

Tuesday, March 10, 2009

LIE TO ME


前回の更新からほとんど1ヶ月経っちゃいました。
仕事がめちゃくちゃ忙しかったとはいえ、ちょっと反省…
仕事としては、レギュラーの仕事の他に、アカデミー賞の同時進行レポートをやったり(カウチに座ってラップトップをタイプしまくっていたので腰がアウチ状態に…)、ディズニー製作のTVドラマ(「ロスト」とか「グレイズ・アナトミー」とか「デスパレイトな妻たち」とか)の出演者たちのインタビュー取材に出かけたり、日本でも近日公開予定の映画「フロスト×ニクソン」の特集記事に寄稿したりとか、バラエティに富んでいて取り組んでいる時には面白かったけど、とにかく1日は24時間しか無いのは理不尽に思えるぐらいくるくると働いていました。

そんな時は、ホントに夜のTV鑑賞だけが楽しみ。寝る時間を1時間削ってもTVが観たいと思うのは軽い中毒症状かも?
アメリカのTV界は、9月に新番組を開始させるのが常だけれど、その中で必ず視聴率が振るわなくてシーズン・フィナーレの5月までもたない作品も結構ある。そんな番組の後釜として用意されている番組はたいがい1月から始まる。

今年の1月から始まった作品では、「Lie to Me」というドラマを結構熱心に観ている。
「Lie to Me」は、ティム・ロス(「レザボア・ドッグス」、「海の上のピアニスト」)演じる心理学者Dr.ライトマンが、専門分野であるボディ・ランゲージと顔の表情を分析して、様々な事件で鍵となる人物が嘘をついているかどうかを見抜き、捜査の協力をしていくというドラマ。これまで4話観てきたけど(これまで5話放映済みながら、例によって録画したまま未見のエピソードがある…)、事件を関係者の心理に焦点を当てた角度でとらえている点で面白いというのが今のところの感想。人間が記憶をたどる時には視線を左に泳がせるとか、こういう表情は嫌悪を表わす、軽蔑を表わす、後悔を表わす、という、分析を基にして、相手の心を読む過程に思わず「へええ~!」となる。
ライトマンの戦略・方法論は、だいたい決まっているわけだから、これからはどのような事件を扱い、どのような人物を登場させるかということで、面白さが決まっていくと思う。