Friday, January 20, 2012

LAW & ORDER: Culver City(ディンディン!)

ちょっとしたトラウマになっているので、しばらくは書けないと思っていた事について、ちょっとした展開があったので、書くことに決めた。

12月21日、日本に帰省する5日ほど前、自宅から車で5分程度のところに在るスターバックスで原稿を書いていた時、マックブック・プロをひったくられるという目に遭った。
スタバのようなカフェで、油断してラップトップ・コンピューターを机の上に置いたまま、トイレに行ったり飲み物を買いに行ったりした隙にコンピューターを盗られるというケースについては聞いたことがあるし、絶対そのような事をしたことは無かった。ただ、まさか自分がテーブルに就いてコンピューターで作業している時に、自分の手からコンピューターをひったくられるなんて、思いもしなかった。
でも、考えてみれば治安の良いカルバーシティとはいえ、治安の良くないLAの一部。実際、6月には空き巣に入られて、TVやコンピューター3台、現金を盗まれたばかり。スタバに居たのは夜の10時過ぎだったから、犯罪が起きてもおかしくはない時間だったわけで。
ひったくられた瞬間は凍りついてしまったけれど、すぐに泥棒の後を必死で追いかけ、待っていた逃走車のナンバーも7桁中6桁を記憶してすぐに書き留めた。ショックで、足ががたがた震えたけれど、店の通報でやってきた警官には目撃したことは全て伝えた。驚いたことに、この時、店の反対側に座っていた学生風の男性のマックも別の男がひったくっていったという。犯人は黒人男性3人組。その前からスタバに入ってきていたことは憶えているので、おそらくターゲットに目星をつけたうえ、足の速い2人がひったくり、3人目が車にエンジンをかけて待っているという算段だったのだろう。

事件の翌日、スタバ本社のカスタマー担当者が電話をかけてきたが、形式上遺憾の意を示すジェスチャーだけの電話だった。警察も、その後、連絡してくることはなく、傷害事件でもましてや殺人事件でもない、コンピューターの盗難という小さい事件だから、暇そうなカルバーシティの警察でさえ、優先順位のひくーい事件なのだろうとあきらめ、日本に帰省した。

ところが帰省した翌週、カルバーシティ警察の刑事から連絡があり、容疑者らしい人間がエルセグンドというロサンゼルス国際空港より少し南に行った街で捕まったので、「面通し」をして欲しいと言う。
その瞬間、頭に浮かんだのは、刑事物ドラマで容疑者と関係無い人間たちが、背の高さを示す壁の前に立ち、こっちは向こう側からは見えないガラス窓の前で「左から2番目です!間違いありません!」と目撃者が叫ぶシーン、ほら、「ユージュアル・サスペクツ」のポスターとかにもなったこんな感じのシーンだった。(刑事物ドラマの観すぎだって)


私も、ああいう小部屋に通されるのかしらん、と不安半分期待半分で聞いていたら、何のことはない、刑事が私の自宅まで顔写真を持ってきて、どの人物かを指して欲しいというだけだった。しばらくして、20代の日系人刑事がやって来て、カラーコピーの写真1枚を私に見せ、「この中にあなたのコンピューターを奪った人間が居ますか?」と聞かれた。一瞬のことだったけど、泥棒の横顔、頭の形、頬のラインなどはけっこう憶えていたので、6人の顔写真からその記憶に一番近い人物を選び、何を根拠に彼を選んだかということを簡単に書くよう言われた。
その間、5分たらず。あまりにあっさりとしていたので、「もしかしてエルセグンドに拘留されているのは無関係な人間だったのかな…」とガッカリ…
ひったくり事件のことは、コンピューターは絶対戻ってこないだろうし、犯人だって捕まらないに違いないと完全に諦めていたので、容疑者が拘留されているというのはすごく嬉しいニュースだった。でも、容疑者本人を実際に目の前に立たせて面通しさせてくれたら、背格好だってよく憶えていたので、もっと確実に指すことができると思ったから、その旨、刑事に伝えたら、「あれはドラマや映画の中だけなんだよ。実際は写真だけなんだ」とのこと。やっぱり刑事物ドラマの観過ぎですかあ?でも、本当かなあ… それって、コンピューターの窃盗事件という「小物な」事件だからじゃないの?殺人でも起きていたら、ちゃんとナマで面通しするんじゃないのお…?
と、その日は不満で、なんだかなあ…と煮え切らない気持ちでいたのですが…

今日、郵便物の中に、こんな差出人の封筒を発見。

一瞬、「アレ?交通違反の件?ちゃんとコミュニティ・サービスしてトラフィック・スクールのクラスも取ったよ?あ、それとも陪審員の返事を出しそびれたから?えー、検察局が私に何の用??」と焦ったが、封を開けて読んでみたら「被害者の権利について」という書簡。
被害者?私が?と思ったが、すぐにひったくり事件のことだと判った。で、もう一度よく読んでみると、「アーロン何某が起訴されることになった。ついては本犯罪の被害者、および近親者には以下のような権利がある…云々」とのこと。つまり、このアーロン何某が、ひったくり事件の容疑者として起訴されることになったわけで、それってもしかして、もしかして、私の証言が決め手になったってことっ???

なんだか、自分が刑事物ドラマの登場人物のような気分になったひとときでした。(オオゲサだって…苦笑)

2 comments:

mia said...

良かった~本当に良かった~(涙)

J.B. Ogihara said...

miyaさん、ありがとう~~~。

刑事物ドラマ好きな私としては、アーロン何某がどのようにして捕まったのか、自供は?裁判は?なんて、一連の経過を知りたくてしょうがないんですけどね。

でも、コンピューターはやっぱり戻ってこないんだろうなあ~~~。(泣)