Thursday, August 23, 2012

PREMIUM RUSH


ジョゼフ・ゴードン=レヴィットがニューヨークの街を疾走するバイク・メッセンジャー(自転車配達人)を演じているアクション・サスペンス「Premium Rush」の試写に行った。

レヴィット演じるワイリーは、命知らずのバイク・メッセンジャー。弁護士になるべく法学部に入ったものの、「スーツを着て1日中オフィスに縛り付けられているなんてゴメンだ」と言い切って、記録的な速さでニューヨークの街のA地点からB地点まで配達物を送り届ける仕事を楽しんでいる。
その日もワイリーはいつものように、「premium rush(超速達)で」というリクエストのついた封筒を中国人留学生のニモから受け取って、チャイナタウンまで届けるオーダーを受けるが、その封筒を彼から奪おうとする男に遭遇する。男はボビーというNYPDの刑事だが、チャイナタウンのギャンブルにハマった結果、莫大な額の借金を抱えている。ニモが送り出した封筒を奪還すれば、借金を帳消しにしてやるとチャイニーズ・マフィアに言われたボビーは、なんとかワイリーを止めようとするが…

ガソリン代の高騰のせいか、夏だからなのか、車が道路を支配しているここLAでさえ、最近自転車に乗っている人が目立つようになった。その大半は、時速15kmぐらいで道の端をお行儀良く走っているけれど、たまに、何の警告も無しに車線を右から左へいきなり横切ったりするサイクリストも居たりして、前方にサイクリストを見かけると緊張するし、正直、ウザイなあ…と思ったりする。
が、「Premium Rush」に登場するバイク・メッセンジャーたちの乗りっぷりを見たら、つくづくNYで車を運転していなくて良かったと、神に感謝する気持ちになること、請け合いである。ギアも無ければブレーキさえ付いていない自転車に乗る(彼曰く「ブレーキなんてあったら死ぬぞ」)ワイリーなど、赤信号だろうが交差点に突っ込んでいき、車同士の左右前後の僅かな隙間をぬって疾走する。(どこをどう駆け抜ければ事故に遭わずに済むか、一瞬のうちに判断するワイリーの頭の中をゲームのようにビジュアライズした映像が面白い。)自転車のシーンはCGには頼らず、ほとんどスタントで撮影したとのことだが、その臨場感とスピード感は特筆ものである。この映画のバイク・チェイス・シーンを観たら、普通のカー・チェイス・シーンが重く見えてしまうかもしれない。

監督は、デヴィッド・コープ。「宇宙戦争」や「スパイダーマン」の脚本を手がけた脚本家だが、「オー!マイ・ゴースト」や「シークレットウィンドウ」などの監督作品もある。
上映時間は91分。最近のハリウッド映画では、かなり短めな作品だが、そのおかげで、無駄が無く最初から最後までアクションがギッシリ詰まったタイトな娯楽作に仕上がっていると思う。

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