Thursday, December 19, 2013

「LIFE!」


「ウォルト・ディズニーの約束」の試写の翌日には、「LIFE!」(原題:「The Secret Life of Walter Mitty」)を観た。

「LIFE!」は、ジェームズ・サーバー著の短編「虹をつかむ男」の映画化なのだが、同著は1947年にダニー・ケイ主演で「虹を掴む男」として映画化されていて、子供の頃、TV放映されていたのを観た記憶がある。もうン十年昔のことだから、詳しくは憶えていないけれど、ケイ演じるウォルター・ミティがぼんやりしていると「ポケタポケタポケタ」という音が聞こえてきて、次から次へと脈絡無く現実から遥かに離れた想像の世界に飛び込んでしまうという映画だったような気がする。

今回映画化された「LIFE!」(それにしても、どうして配給会社は邦訳書のタイトルである「虹をつかむ男」として公開しなかったのだろう?)でウォルターを演じているのは、ベン・スティラー。「メリーに首ったけ」や「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」のベタなコメディの時とは違う、ユーモアとペーソスを程よくバランスさせていて好感が持てる。何より、ウォルターが考えてもみなかったような冒険を経験していくうちに、顔立ちまで変わっていくのが良かった。
このウォルターも、いきなり夢想の世界に入ってしまうのだが、ストーリーとしては「虹を掴む男」よりもプロットがハッキリした話になっている。それでも意表を突くような想像の世界(そして“現実”の世界)が次々と展開して楽しい。

観た後で、久しぶりにダニー・ケイの「虹を掴む男」を観たくなってDVDレンタル・サービスのNetflixで探したけれど見つからなかった。図書館のカタログでもサーチしたけれど、あるのはVHSのコピーのみ。(今どき、VHSの映画をレンタルする人なんて居るんですかねえ...)Netflixで無いということは、もしかして廃盤??と思ってAmazon.comでサーチしたら、ちゃんとあるではないですか。再映画化版が公開されたのを機に1947年版も入れてくださいよ、Netflixさん〜。



こちらは、1947年版の予告編



Wednesday, December 18, 2013

「ウォルト・ディズニーの約束」


毎年この時期になると、各映画会社はオスカー狙いの作品をどっと放出する。オスカー狙いの作品=秀作とは限らないが、大物監督だったり実力派俳優がキャストされていたりするから、こちらとしても観たくなる作品が多いのも確か。

そんな作品の1つ、「ウォルト・ディズニーの約束」を試写で観た。

ディズニーがした「約束」とは、「メアリー・ポピンズ」が大好きな娘たちに同書を映画化してやると言ったこと。その約束を守るために、ディズニーは辛抱強く20年もの間、「メアリー・ポピンズ」の原作者P.L.トラヴァースに 映画を承諾するよう頼み続けるが、トラヴァースは「メアリー・ポピンズは売り物ではありませんから」と頑に断り続けてきた。が、トラヴァースも「メアリー・ポピンズ」シリーズを書かなくなってからは経済的に余裕が無くなってきており、エージェントの強い勧めで渋々、ロサンゼルスに行ってディズニーと会うことを承知するが...

要は、この映画は「メアリー・ポピンズ」製作秘話といった作品なのだが、ディズニー製作による映画なので、ほぼ綺麗事しか描かれていない。
例えば、最初は非常に非協力的で難癖ばかりつけているトラヴァースがどんどん懐柔されていくように描かれているが、実際は彼女は最後まで映画化作品に不満だったらしい。「メアリー・ポピンズ」の続編の映画化には決して承諾することが無かったことでも、彼女の苦々しい後悔が推し量れるだろう。また、ウォルト・ディズニーも何かとネガティブな逸話の残る人物だが、ここではトム・ハンクスによって、狡猾なビジネスマンというよりは苦労人で好人物な社長的さんといったイメージに仕立てられてる。(何と言っても演じているのが私生活でもナイス・ガイであることで知られているハンクスですからね〜)

そういう甘さが鼻につくことはあっても、この作品を駄目にしていないのは、ひとえにトラヴァース役を演じているエマ・トンプソンのおかげだろう。いかにもイギリスの(トラヴァースは実際にはオーストラリア出身なのだが)インテリ女性の高慢を絵に描いたような人物を完璧に体現していて、甘過ぎるプロットを救っている。
甘い、甘い和菓子を食べた後にいただく抹茶のさわやかな苦味を思い出した。





Thursday, December 5, 2013

「くるみ割り人形」公演

御約束のクリスマスツリーがぐんぐん伸びていくシーンより

アメリカの祝日、サンクスギビングの週末の土日に娘のバレエ教室の「くるみ割り人形」公演がありました。

ここの教室の「くるみ割り人形」は1973年が初演なので、今年は40周年記念公演ということで、生演奏のオーケストラ付きでの上演になりましたが、これが大変でした。
テックリハーサルでは、音楽とダンサーたちのタイミングが合わない場面が続出。公演前日のリハーサルでも、何度か音楽を止めたりしてタイミングを調整していましたが、本番でも「うわ、これ、速過ぎるでしょ!」という踊りもあったりしてヒヤッとしちゃいました。でも、回を追うごとにオーケストラ側もダンサー側もお互いに慣れてきていたかな。まあ、アマチュアの小学生〜高校生のダンサーたちが初めて生のオーケストラに合わせて踊ったという事実を考えれば上出来だったのではないかな。(親の欲目というのも、もちろんあるけれど−笑)

肝腎の踊りの点で、気づいたことをいくつか...
*適材適所のキャスティング
生徒たちの家族や友人たちが来るだけの発表会とは違い、一般の御客さんも観に来るのが「くるみ割り人形」ゆえ、どうしても上手い子に役が集中しがちなのですが、今年は、それでも適材適所のキャスティングだったような気がしました。もちろん、上手い子は沢山出番があるのですが、例えば、笑顔が輝くような明るい雰囲気のMちゃんは可憐なキャンディケーンの踊りのセンター、大袈裟な見栄を切ってドヤ顔で踊るクセのあるJちゃんには派手な踊り方をした方がカッコ良く決まるスパニッシュのセンター、ブロンドでクラシックな美人顔のBちゃんには優雅な振付のエンジェルのセンター、といった具合に。
*ゲストダンサーは上手いけど...
今年のシュガープラム・フェアリーには、上級クラスでダントツに上手いLちゃんとサンフランシスコ・バレエのソリスト、ジェニファー・スタールがキャストされました。これまで、デュードロップ・フェアリー、センター・スパニッシュ、スノウ・クィーンなど、主要な役をこなしてきたLちゃんですが、シュガープラムは今年が初めて。パドドゥを堂々と踊り、ヴァリエーションもほぼ完璧に踊ったLちゃん、コーダではさすがに疲れが出たのか、土曜日も日曜日もコーダ後半のフェッテでよろけてしまいました。その点、ジェニファーは、最初から最後まで観客に判るようなミスはほとんどせずに踊り通して、さすがにプロの貫禄を感じました。ただね、観ていて心が躍るような気持ちにはならなかったのです。なんか、間違いなくそつなく踊ればそれでいいでしょ、みたいに踊っている感じ。その点、Lちゃんは失敗こそあったけれど、彼女自身のキャラや、役に対する思い入れみたいな気持ちが感じられる踊りのように思えたんですよね。
ゲストのSFバレエのソリスト、ジェニファー・スタールとルーク・インガム

*皆の成長が観られたのは嬉しい
当たり前のことながら、どの生徒も去年より今年の方が上手くなってますね。(1、2の例外はあったけど−苦笑)特に、去年と同じ役を踊った子で、去年は「うーん、イマイチだなあ」と思った子が、今年は技術的にも表現力的にもずっと上手くなっていて嬉しく観ていました。「くるみ割り人形」って来る年も来る年も同じ踊りを踊るわけだけど、こういう成長ぶりが観られるのは、アマチュアの子供たちが踊る公演ならではの楽しみだと思います。

さて、うちの娘、今年は「雪の精」と「花のワルツ」の群舞のほか、「リード・エンジェル」と「スペインの踊り」、「葦笛の踊り」という3〜5人で踊る役をいただいたわけですが、まずまずの出来でした。リハーサルで1度、隣で踊っていた子の手が誤って当たり、持っていた葦笛が落ちてしまうというハプニングがありましたが、本番では大きなミスもなく綺麗に踊れていたと思いました。衣装も、親バカ視点で見ればなかなか良く似合っていたし。中でも、今年新調された葦笛の踊りの衣装は、最初、子供たちの間では不評だったようですが、いざ舞台に上がってみたらなかなか舞台映えがしてナイスでした。

葦笛の踊りの衣装。ちょっと秋葉原あたりのコスプレっぽい??
写真は教室付きのフォトグラファー、Todd Lechtick氏のサイトから拝借しました

「くるみ割り人形」が終わり、皆、気が抜けたのか、疲れが出たのか、今日のレベル6+7の合同クラスは、全員揃えば20〜25人ぐらいのところ、7人しか居なかったとか。
教室がこうして静かになるのも1ヶ月ほど。年が明けるとすぐに、来年夏のサマープログラムのオーディションツアーが始まります。

Thursday, November 28, 2013

ステージ・テックリハーサルwithオーケストラ!

Act 1のパーティシーン。手前にオーケストラ・ピットが見えます

一昨日の火曜日、昨日の水曜日と、サンタモニカのBroad Stageでテックリハーサルがありました。
テックリハーサルとは、ステージ上の立ち位置などを確認しながら照明や舞台装置のタイミングや具合を観るリハーサルで、例年は一部の踊りしか実施しなかったのですが、今年はオーケストラ付きなので、「マザージンジャー」の踊り以外は全部、テックリハーサルをすることにしたようです。

生徒たちは全員、生オーケストラ付きの舞台は初めてなので、演奏が速過ぎたり遅過ぎたりして、ディレクター(バレエ学校の校長先生)が「マエストロ、今のは速過ぎます」と演奏を止めて、テンポの調整をすることもしばしば。オーケストラの方も、弾き慣れてないのか、演奏がバラバラになったり調子が出ていない楽器があったりと、まだまだコンディションが調整されていない模様でした。

明日の金曜日、2回のドレスリハーサル(うち1回は御付き合いのある非営利団体の皆さんを無料招待して休憩時間付きで上演するほぼ本番のようなパフォーマンスになりました)を経て、明後日の土曜日はいよいよ本番です。皆、大丈夫か〜〜〜??


Saturday, November 23, 2013

スタジオ・ドレスリハーサル

娘のバレエ教室の「くるみ割り人形」まで、ちょうどあと1週間の今日は、スタジオで2回目のドレスリハーサルがありました。


第2幕のプロローグのシーン。
娘はフレーム外で写っていませんが、真ん中、紫のレオタードに青いレッグウォーマーを付けているのと隣の男性が、サンフランシスコ・バレエのゲスト・ダンサーさんたち。

Thursday, November 21, 2013

ボリショイの闇



昨日のロサンゼルスタイムズの束からエンターテイメント関係記事が載るCALENDARセクションを引き抜いてビックリ。アメリカ人女性として初めてボリショイ・バレエに入団したジョイ・ウォマックが同バレエ団を辞めた記事が、一面に大きな写真入りで掲載されていたから。
ジョイ退団のニュースは、バレエおたくのママ友さん(Kちゃん、あなたのことよん♪)が教えてくれたダンスマガジン誌のサイトで読んで既に知っていたけれど、ハリウッド城下町のロサンゼルスの主要紙でバレエの話題がこんなに大きく採り上げられるとは予想していなかったから。

ジョイは、娘のバレエ教室に通っていたことがあり、その縁で今は亡き校長先生の遺志をくみ、去年、娘のバレエ教室の「くるみ割り人形」でゲストアーティストとしてシュガープラムを踊ったバレリーナ。
アメリカで行われたボリショイ・バレエ・アカデミーのサマープログラムに参加した際に認められて、本国のアカデミーに入学。激しい競争を勝ち抜いてバレエ団に入団した経緯は、アメリカのメディアでも誇らし気に報道されていた。

LAタイムズの記事に依ると、ソリストとして契約して入団したものの、ソロのパートはおろか、群舞の役すら回って来ない。代役要員としてリハーサルには出ても、舞台には立たせてもらえない。ボリショイに在籍した1年間でジョイが踊ったのは、「くるみ割り人形」のスペインの踊りを1回、そしてその他の3公演に群舞として計7回出ただけ。いつも舞台袖で他のダンサーたちが踊っているのを眺めるだけの彼女について、意地悪なロシア人の同僚は“アメリカン・チアリーダー”とジョークのねたにしたとか。

思いあまったジョイが団の上層部の人間たちに相談した際、返って来た答は「もっと頭を使って上手く立ち回れ」、「短いヴァリエーションを踊りたいなら1万ドル払って自分が真剣であることを訴えろ」と、暗に賄賂を示唆するものだったと言う。

ボリショイで成功していくにはそれしか無いことを思い知らされたジョイは、団に辞表を出した。それは「初恋の人に別れを告げるぐらい辛いことだった」とジョイはLAタイムズのインタビューに答えている。

世界三大バレエ団の1つとして讃えられるボリショイ・バレエ団だが、華やかな舞台裏にはこういう闇も潜んでいるということか...


Thursday, November 7, 2013

「くるみ割り人形」全席売り切れ!

Photographed by Todd Lechtick
写真はホームページから拝借しました
クララ役は娘のクラスメイトのMちゃん

11月30日(土)、12月(日)と、感謝祭の週末に予定されている娘のバレエ教室の「くるみ割り人形」の公演が4回とも全てチケット売り切れになりました。(今年の「くるみ割り人形」の詳細はこちらこちら
会場となるブロードステージは客席数499席だから、4回でのべ2000人近い御客さんに観ていただくことになります。
今年は、それに加えて同じ週の水曜日にサンタモニカの小学校の生徒さんたちを招いた短縮版パフォーマンスがあるのと、金曜日夜のドレスリハーサルを内々に招待した御客さんに観ていただくことにもなっています。

去年の9月に校長先生が亡くなって、去年の「くるみ割り人形」は、彼女を偲ぶと同時に、ボリショイに入団した教え子ダンサーが恩師の遺志を継いで金平糖の精を踊るなど、校長先生の存在を大きく感じさせる公演だったけれど、今年は新しいディレクターのもと、新体制になって初めての公演になります。
40周年記念公演という、過去の歴史もふまえながらも、新しい劇場でオーケストラの生演奏付きという、ダンサーたちにとっては初めての経験にもなる公演。さてさて吉と出るか、凶と出るか。恐いような楽しみに思えるような今年の公演も、あと3週間余りとなりました。