Friday, March 21, 2008

ジョン・グリシャム「処刑室」を読む

さっき、ジョン・グリシャムの「処刑室」を読み終わった。原書ではなくて、翻訳版の方で。

いつもは、こんな昼日中に本を読んだりはしないんだけど、カルバーシティのJulian Dixon Libraryから借りてきていた本で、今日が返却日だったから。Julian Dixon Libraryは、結構、日本の本が揃っていてお気に入り。村上春樹の「海辺のカフカ」とか宮部みゆきの「模倣犯」なんかはここで借りて読んだ。(しかも真新しい単行本!)

Julian Dixon Library。前庭が日本庭園風になってるのは大阪の貝塚市がカルバーシティの姉妹都市だからってことらしい。

グリシャムは、原作では「陪審評決」と「依頼人」を読んだぐらい。映画では、今調べてみたら、「評決のとき」、「ザ・ファーム 法律事務所」、「ペリカン文書」、「依頼人」、「レインメーカー」、「ニューオリンズ・トライアル」と、必要以上に(?)観ていたことが判った。まあ、ミステリー・ジャンルは大好きだし、法廷物も好きな方だから、何気に観ていたんだと思う。

で、それまで読んだり、観たりしていた作品は、どれもハッピー・エンド、というか、一応、正義が勝つ物語だったので、「処刑室」もそれを期待していたんだけど、そうじゃなくて、正直、ちょっとどよお~んとした読後感。強いて言えば、スティーヴィン・キングの「グリーン・マイル」を読み終わった時の印象に近いかも。題材も同じということもあるんだろうけど。

で、読んでいる最中には、1996年の映画化作品も観てみようと思っていたんだけど、読み終わってその気が失せてしまった。それでも、ハリウッドがアンハッピーエンディングの原作書をどう扱ったのかと思って、映画の結末まで含む“ストーリー”が最後まで書いてあるキネマ旬報のデータベースを読んで、ああ、観ないで良かったと心底思った。原作の核心にある主人公の意向が見事に踏みにじられている上、結末は相変わらず暗いままだったから。別にハリウッド流ハッピーエンディングを期待していたわけじゃないけど(というか、そうあってはいけない話なんだけど)、ハッピーエンディングの布石としての変更ならまだ納得できるけど、そうではなかったから、“What is the &*%&@# point?!”と罵りたくなった。
あ~、口直しに何かハッピーになれる本でも読みたいっす...

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