Monday, March 31, 2008

ベルイマン風のアメリカン・ドラマ

ブログを始めて以来、最初は、毎日、律儀に更新してきたのが、先週末、締め切りが重なった上に義妹一家がLAに遊びに来たりなんかして、ついに挫折...く、悔しい...
でも、転んでも一応、起き上がって続けていこうと思います。
長距離走が苦手な私、なんとか継続して力をつけたいものです。

さて、先日も書いたけど、我が家ではテレビ番組は全てデジタル・レコーダーに録画し、暇な時に観るという習慣がついているので、観る番組も、その日のスケジュールとか気分によって選んでいます。
ここ数週間は、時間もあり、気力・体力が充実している時には、“テレビ史上最高のドラマ”の誉れ高き「The Wire」(日本でも遂に放映開始!パチパチ!)を。(アメリカでは最終シーズンであるシーズン5が終わったというのに、我が家では現在、シーズン4が進行中。とほほ...)時間はそこそこあるけど、疲れているのであまり頭使いたくなーい、という気分の時は、「Terminator: Sarah Connor Chronicles」を。逆に、時間は無いけど頭は元気な時には、「In Treatment」という「The Wire」と同じHBO制作の30分ものドラマを観ています。

この「In Treatment」、ガブリエル・バーン演じる精神分析医ポールと、彼の患者たちのセッションがそのままドラマになっているんだけど、月曜日から金曜日まで、それぞれの曜日で違う患者とのセッションを見せるという趣向。月曜日は結婚モラトリアム気味で実はポールに片思いしているローラ、火曜日は自信たっぷりのふりをしているけれどイラク戦争で爆弾を投下して学校の子供たちを殺したことがトラウマになっているらしい空軍パイロットのアレックス、水曜日はどうやら自殺願望があるらしいティーンエージャーのソフィ、木曜日は生まれてくる子供を欲しているかどうか判らなくなっているジェイクとエミー、そして、金曜日はポール自身が自分の精神分析医であるジーナ(ダイアン・ウィースト)に会いに行くという構成になっている。
こういう設定だから、舞台はほとんどポールのオフィス。(金曜日だけはジーナのオフィス)舞台劇にもなりそうな会話中心のドラマで、患者たちの話にも回想シーンなどはいっさいはさまず、ひたすら俳優たちの話術で話を引っ張っていく。このあたり、アメリカのドラマとしては非常に異色。むしろ、イングマル・ベルイマンの「ある結婚の風景」あたりに非常に近い。(実は、イスラエルのTVドラマのアメリカ版リメイクらしいのだが)
脚本がしっかりしていて、演じる俳優に的確な演技力が備わっていれば、魅力的なロケーションも、流麗なカメラワークも、これ見よがしなアクションやSFXも一切必要無いのだ、というのがよく解るドラマです。

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